イノセント・ゲリラの祝祭 [日本の作家 海堂尊]
<裏表紙あらすじ>
東城大学医学部付属病院4階。万年講師の田口公平は、いつものように高階病院長に呼ばれ、無理難題を押しつけられようとしていた。「お願いがありまして……」 そう言って取り出した依頼状の差出人はあの火喰い鳥、白鳥圭輔。厚生労働省で行われる会議への出席依頼だった。幻の短編「東京都二十三区内外殺人事件」をプラスし、全面改稿した田口・白鳥シリーズ第4弾、待望の文庫化! <上巻>
厚生労働省のロジカル・モンスターこと白鳥圭輔から呼び出しを受けた田口公平は、医療事故調査委員会に出席するため、日本の権力の中心地、霞ヶ関に乗り込んだ。だがそこで彼が目にしたのは、崩壊の一途を辿る医療行政に闘いを挑む、一人の男の姿だった! 累計780万部を突破する田口・白鳥シリーズの、新たなる展開に注目。大人気メディカル・エンターテインメント第4弾! <下巻>
チーム・バチスタシリーズですが、海堂尊、やりたい放題ですね。
このシリーズはデビュー作はともかく、もともとミステリーは味付け程度であったと思うのですが、この作品にいたると、もうミステリーではありません。
エンターテイメントという範囲からも外れていると考える人もいるかもしれません。メインは会議ですから。
これまでの作品に流れていた作者の考えからして、出るべくして出た作品かもしれませんが、作者の主張がこれだけ生な形で出てくると、うるさく感じてしまう人もいるでしょう。議論がそのまま出されているイメージ。でありながら、反対意見サイドは敵にもならないような隙だらけの論戦振り。都合よすぎるところは小説?
個人的には、あまりのやりたい放題さに感嘆して、おいおい、どこまで行く気だ? と思って十分に楽しめましたが、これは小説の楽しみ方としては邪道だと思います。この作品でやりたい放題やれたでしょうから、次はちゃんとエンターテイメント、ミステリに戻ってきてください。
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