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QED ventus 御霊将門 [日本の作家 高田崇史]


QED~ventus~御霊将門 (講談社文庫)

QED~ventus~御霊将門 (講談社文庫)

  • 作者: 高田 崇史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/11/13
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
靖国神社を皮切りに、築土神社、神田明神、首塚・兜神社、烏森神社、稲荷鬼王神社、鎧神社、さらには成田山新勝寺へ。お花見に出かけたはずの棚旗姉妹と桑原崇だったが、いつしか将門ゆかりの地を巡る小旅行に。日本を代表する大怨霊、将門の真の姿とは、朝廷からの理不尽な要求をはね除けた救世主だった!?

QEDシリーズの番外編というかなんというか、~ventus~シリーズの1作です。
~ventus~シリーズには現実の事件はほとんど絡んでおらず、かつ、観光案内的な要素もあり、QEDシリーズ本編とは別の楽しみ方ができます。
このシリーズは、ほとんどがタタル(崇)の独り舞台というか、謎を解く、というよりは、タタルの講釈をひたすら聞き続ける、という体裁でして、事件らしい事件が起きない本作は、ほとんどミステリではないような...
今回のテーマは、大怨霊と恐れられている将門。タイトルが、「御霊」であって「怨霊」ではないので、堂々と真相にあたる部分を明かしてしまっていますので、将門が怨霊ではなく御霊とは、さてどういうことだろう、と思いつつ、転々と舞台を移しながら講義されるタタルの解釈(薀蓄?)に読者は聞き入ることととなります。
少々こじつけと言われようとも、この種の作品は作者の打ち出す絵の美しさが勝負どころだと思うので、この作品の場合は、タイトルにも堂々と謳った「将門は怨霊ではなく御霊」という絵をどう見るか、がポイントになるように思います。ミステリ特有の逆転のさせ方として、なかなか楽しいテーゼだと思いましたが、いかがでしょうか?
このシリーズでこのところ繰り返される解釈があちこちに出てくるので、シリーズを通して読んでいると、理解しやすい?? 逆にこのシリーズをこの作品から読むのはちょっときついかもしれません。
シリーズ読者には気になる、棚旗奈々と崇の仲も進展なし。シリーズ最終話までにちゃんと決着つくのでしょうか??

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まっきー☆

タイトルを見て「御霊? 怨霊じゃないの?」と思いました。 シリーズものなのですね・・・。なかなか最初から手を出すには勇気が要りそうですが、面白そうな話ですね!
by まっきー☆ (2011-10-24 21:30) 

31

まっきー☆さん、コメントいつもありがとうございます。
QEDシリーズは、各巻の内容そのものはそれほど相互につながりはないので、将門の話を楽しまれるのであればこの本だけ読んでも問題は少ないですが、登場人物のつながりを楽しむにはやはりシリーズものは順に読みたいですよね。
結構おもしろい解釈を出してくれるので、すべて順に読まずとも、いくつかピックアップして読んでみられてはいかがでしょうか?
by 31 (2011-10-25 22:23) 

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