QED 河童伝説 [日本の作家 高田崇史]
<裏表紙あらすじ>
今なお、河童伝説が残る川で、左手首が切断された死体が、続いて、左腕が切り落とされた死体が浮かぶ。一方、相馬野馬追祭を見物に出かけていた棚旗奈々たち一行は、岩手県遠野まで足を伸ばしていた桑原崇と合流。そこでまた、血なまぐさい事件が……。事件の真相と、河童にまつわる真実が解き明かされる。
「QED~ventus~御霊将門」 (講談社文庫)に続くこの作品は、"ventus"がついていませんので、シリーズ本編となります。こちらを読み終わってみると、「QED~ventus~御霊将門」 はこの作品の予告編だったような趣もありますね。
本編なので、殺人事件もちゃんと(?)起きますが、ちょっと安直な印象を受けてしまいました。歴史と現実を絡める部分は歴史ミステリの一番の難所だと思うので、やはり難しいのですね。
歴史の部分は、今回は"河童"です。正史から追い出されているもの、権力側から虐げられたものとしての河童が取り上げられています-ある意味ネタばれですが、このシリーズの読者であれば読む前から想像がつくので、この程度はOKだと思って書いています。ご容赦ください-。
シリーズを読み進むにつれて、次第にこのフレームワークが、水戸黄門の印籠のようになってきましたね。いつ、タタラが出てくるだろうと、楽しみになるくらいです。
真偽のほどはともかくとして(と書くと作者に叱られるかもしれませんが)、あれもこれも同じ切り口で説明されてしまう力技がこのシリーズの持ち味なので、存分に楽しみました。
棚旗奈々と崇の仲もまたもや進展なし。ただ、だんだんと周りがじれてきて(?)、小松崎や奈々の妹・沙織が露骨なおせっかい-奈々と崇は気づいていないようですが-を焼きだしているので、こちらも楽しみです。
次は河童ですか!! これもとっても興味があるので、シリーズ最初から読んでみたいですねぇ。
by まっきー☆ (2011-12-25 17:13)
まっきー☆さん、コメントありがとうございます。
↑文中にも書いている通り、強引なところもありますがその力技ぶりをかえって楽しんで読んでいるシリーズです。
新しい視点から歴史をみるということで楽しんでいただけるシリーズではないかと思います。
by 31 (2011-12-30 00:08)