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クリーピー [日本の作家 ま行]

いやあ、すごく間が空いてしまいました。3週間ぶりの更新です。
4月は仕事関係でどたばたしてしまいまして、ブログ更新がなかなかできませんでした。5月は通常モードに戻れるとよいのですが...感想を書いていない本がいっぱいたまってしまっています。
さておき!

日本ミステリー文学大賞新人賞 受賞作 クリーピー

クリーピー

  • 作者: 前川 裕
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/02/18
  • メディア: 単行本

<裏表紙側帯あらすじ>
杉並区の住宅街に、微妙に孤立してみえる一戸建てが三軒。大学教授の高倉家は夫婦二人ぐらし。隣は四人家族の西野家。向かいは老親子が住む田中家。ごく薄いつきあいの隣人同士の関係はしかし、田中家の失火炎上を契機とするかのように、大きく歪みはじめる……。

単行本で、第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作です。
川中大樹の「茉莉花(サンパギータ)」と同時受賞です。
帯には、あらすじの横に大きな字で
「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です」
と書いてあって、あらすじの下には、少しだけ大きめの字で
「元はと言えば、あなたたちがいけないんですよ。余計なことに首を突っ込まないことです--。
今日から隣人の顔が、まともに見られない」
と書かれています。これらからもわかるように「隣人もの」に入る作品です。
冒頭に、タイトルにもなっているcreepyの意味が「(恐怖のために)ぞっと身の毛がよだつような;気味の悪い」と英和辞書から引用して書かれています。
「隣人もの」はかなり気味の悪い作品が多いですが、この作品は現代の日本を舞台に、相当気持ち悪い地点まで読者を連れて行ってくれます。
タイトルで堂々と謳っているだけあってか、力強く、まっすぐに creepy を描いていくところがこの作品の特徴でしょうか?
狙いなどは違うのですが、読んでいる途中、貴志祐介の「黒い家」 (角川ホラー文庫) を連想してしまいました。
気持ち悪い話を読みたい方、おすすめです(笑)。
<言わずもがなな付け足し>
ラストで、話がぽーんと10年後に飛んでしまう力の抜け具合をぼくは好ましく思ったのですが、ガンガン行きたい人は不満に思うかもしれませんね。でも、creepyで押し切られると、ちょっとつらいような気がしますので、このほうがよいのではないでしょうか?



<2014.4追記>
2014年03月に文庫化されています。
クリーピー (光文社文庫)

クリーピー (光文社文庫)

  • 作者: 前川 裕
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/03/12
  • メディア: 文庫




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