シュークリームは覗いている [海外の作家 ジョアン・フルーク]
<裏表紙あらすじ>
母ドロレスの出版記念パーティに着るドレスが入らなくなり、ダイエットのためにしかたなくジム通い始めたハンナ。そこでインストラクターとして働くロニはウィネトカ郡一の浮気娘。未婚既婚問わず男性をつぎつぎ誘惑する彼女に町の女性たちは気が気じゃない様子。彼女がマイクと同じアパートを借りたときいてハンナも心穏やかではいられない。が、そのロニが何者かに殺された! 死体の第一発見者はまたしてもハンナ。さらに、こともあろうか義弟に末妹の恋人、マイクまでもが容疑者に……。捜査から外された彼らはハンナに捜査代行を依頼、家族とノーマンの助けを借りて犯人捜しを始めるが――大好評お菓子探偵シリーズ第11弾!
快調にシリーズが続いていますが、今回は設定がすごいですよ。
この被害者、コージーにはあまり向いていない被害者ですね。郡一の浮気娘、とあらすじには書いてありますが、うーん、手当たり次第?
そのせいで、保安官事務所の刑事マイクも、保安官のビルも、保安官助手のロニーまで、捜査から外れないといけない(!)という事態に。かならずしも被害者と"できていた"わけではないにせよ、すごいことですよねー。
なので、いつもなら事件にかかわるな! といわれるハンナに、マイクたちが捜査を依頼するという始末。この設定を思いついたときに、作者はにやりとしたんじゃないでしょうか?
そのせいで、あれこれと捜査の指図を3人から受ける羽目になったハンナは、自分のやり方でやる! と息巻いたりもするのですが、ここで笑ってしまいました。だって、ハンナって、確かにいつも犯人はつきとめていますけれど、「推理」や「捜査」でつきとめたことはほとんどなかったように思うからです。いつもいきあたりばったりの印象。出たとこ勝負というか、目をつぶって手を振り回していたら犯人にぶち当たったというか... 自分のやり方、なんて...(笑) 今回も犯人との対決シーンになって初めてハンナは犯人に気づいたという状態。いやあ、よくできています。
ミステリとしてみると、動機に難あり、でしょうか? この動機は、ありえない、とまでは言えないかもしれませんが、説得力はまるでなし。そりゃ、ハンナにも犯人わかりませんよ、と一転ハンナを弁護しちゃいます。。
シリーズとしては、今回もハンナの飼い猫モシェをめぐる謎が楽しかったですね。食べているようには思えないのに、確実に毎日すごい量がなくなっていくエサの謎です。こちらはすっきり解決します--もっとも、どうして? と考える前に真相に思い当たるような気がするんですけどね。ま、推理力のないハンナのことですから...
ハンナをめぐるマイクとノーマンの恋(?)の行方も、なんだか進展があったように思えてしまいました。どうなるんだろ?
というわけで、期待しながら次の「プラムプディングが慌てている」(ヴィレッジブックス)は読みます!
おー、読まれたのですね!! ワタシは全然先に進めず、とうとう追い越されてしまった感じです・・・最近和書にばかりはまっていたので、そろそろスウェンソンシリーズは着手痛いところですね・・・。 マイク&ノーマンのどちらに軍配が上がるのか!? 頑張って読みます!
by まっきー☆ (2012-05-23 22:25)
まっきー☆さん、こちらは日本語訳されるのを待って読んでいるだけなので、原書で読んでるまっきー☆を追い越しただなんて、恐れ多いです。
by 31 (2012-05-24 21:49)