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フレンチ警部と毒蛇の謎 [海外の作家 F・W・クロフツ]


フレンチ警部と毒蛇の謎 (創元推理文庫)

フレンチ警部と毒蛇の謎 (創元推理文庫)

  • 作者: F・W・クロフツ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2010/03/24
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
私はジョージ・サリッジ。仕事はともかく家庭に満足しているとは言えない。だから博打に入れあげることにもなった。運命の女性ナンシーに逢った今や、二重生活を支える資金も必要だ。だから“叔母の遺産で万事解決”の皮算用が吹っ飛んだ衝撃といったらなかった。あげく悪事のお先棒を担がされ、心沈む日々。しかも、事故とされた一件をフレンチという男が掻き回している……。

「午後からはワニ日和」 (文春文庫)の次に読んだこの本にも動物園が登場しました。狙ったわけではなく、偶然ですけどね。
フレンチ警部が登場しますが、ミステリのジャンルでいうと倒叙のパターンで幕開けです。
ただ普通の倒叙ものと違って、視点人物となるサリッジは、共犯者というところがミソ。実際の殺人については知らないので、犯行部分は読者に伏せられています。この肝心なところが明かされないのが、なかなか興味深い。
そのうちフレンチ警部の捜査へ視点が移るわけですが、その着実な捜査ぶりが大きな読みどころですね。
共犯者サイドから見たときに、これは捜査しにくそう、手掛かりや決め手がすくなそうだなぁ、と思って読んでいかれると思いますので、フレンチ警部の腕の冴え、頭の冴えが、きちんと伝わってくると思います。
伏せられている犯行手段がちょっとわかりづらい点はたまにキズですが、じわっじわっと捜査が犯人(たち)へ向かって絞られていく様子を堪能しました。
本書はクロフツの最後の未訳長編だったそうです。最後に回された理由はわかりませんが、決して不出来だったから、ではないですね。手堅い、充実したミステリでした。
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