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泥棒たちの黙示録 [日本の作家 赤川次郎]


泥棒たちの黙示録 (トクマ・ノベルズ)

泥棒たちの黙示録 (トクマ・ノベルズ)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2012/12
  • メディア: 新書


<表紙袖あらすじ>
リストラにあってしまった四十歳の三橋智春は、真夜中の公園で途方に暮れていた。すると突然、昔の部下・宮田早千子が現われた。「手伝ってくださったら、お金になります」 その日から宮田を手伝い、三橋は殺し屋となった。ある日、殺害したウエートレスが娘の亜紀の担任・工藤照代の妹と知る。悲しむ担任の先生を見た亜紀は涙をこぼし、その姿を見た三橋は愕然とする。自分の仕事に疑問を覚えたら消される! 幸せな生活を守りたい! 三橋の気持ちは揺れ動く。大人気〈夫は泥棒、妻は刑事〉シリーズ第十八弾!!

「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ第18弾。
会社でリストラに遭い、その後つかんだ第二の職業が殺し屋...
この作品のひとつ前に読んだ赤川次郎の作品「記念日の客」 (フタバノベルス)(ブログへのリンクはこちら)の場合はアイドルのマネージャーでしたから、同じ第二の職業とはいえ、大違いですね。
家族のためと割り切って(?)殺し屋をやっていたけれど、ターゲットが知人の家族だったと知って疑問を抱く...
そんなの最初から覚悟しとけ、とも思いましたが、実際にはそんなものかもしれませんね(いや、もちろん、実際には殺し屋になることなんてそもそもないんですけど)。もともとそういう仕事だったわけではない、普通のサラリーマンだったら、まさか組織の殺し屋のターゲットに知人がなる、なんて想定できませんもんね。殺せと言われる人物も、どうせ悪人でしょ、と、そういう割り切りはするのかも。罪のない素人が狙われることは、そんなにはないはず...と。
しかし、その後の展開は結構激しくて、組織が手当たり次第に殺せ、殺せ、殺せ、という感じになってしまいます。こういう組織だったら、もっと早く素人を狙うことになって、もっと早く三橋はジレンマに陥っていたように思いますが、そこはそれ、テンポよく進むストーリーに身をゆだねる邪魔にはなりません。
この作品、どうしてシリーズものの一作にしたのだろう? 単発作品でよかったのに、とも思いましたが、考えてみれば、組織の崩壊、自滅を見届ける人が必要で、このレベルの話だと、裏社会にも通じている「夫は泥棒、妻は刑事」がうってつけですね。
可哀想なサラリーマン三橋がどこに落ち着くのか、見届けてあげてください。


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