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昨日まで不思議の校舎 [日本の作家 似鳥鶏]


昨日まで不思議の校舎 (創元推理文庫)

昨日まで不思議の校舎 (創元推理文庫)

  • 作者: 似鳥 鶏
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2013/04/26
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
超自然現象研究会が配布した〈エリア51〉の「市立七不思議」特集が影響を与えたのだろうか? 突如休み時間に流れた、七不思議のひとつ「カシマレイコ」を呼び出す放送。そんな生徒はもちろん存在しない。さらに「口裂け女」「一階トイレの花子さん」の悪戯まで見つかった。なぜこの三つなのだろう……。調査を進めた葉山君は、ある真実に気づく。ますます快調な、シリーズ第五弾。

「理由(わけ)あって冬に出る」 (創元推理文庫)
「さよならの次にくる <卒業式編>」 (創元推理文庫)
「さよならの次にくる <新学期編>」 (創元推理文庫)
「まもなく電車が出現します」 (創元推理文庫)
「いわゆる天使の文化祭」 (創元推理文庫)
に続く第5弾。
シリーズ、順調です。なにが順調かって、やはり、主人公である葉山くんが柳瀬さんの愛人の地位を確立しつつある、いや、この言い方は正確ではないですね、柳瀬さんの愛人だといってからかわれる地位を確立しているところです。しかし、高校生にして、“愛人”って、どういう...
葉山くんが、探偵役(あるいは狂言回し?)としての自分のスタンスを確認したりしています。
「僕はまわりの人から『事件が集まってくる体質』と言われているが、その原因の一つは、他人事に首をつっこむ僕の性格にあるかもしれず、それは恰好をつけて言えば『探偵気質』と言ってもよいものだ。誰にでもあるものではないだろう。
だが同時に、それがどうした、という冷笑的な声も、頭の中に響いている。こういう自意識は、往々にしてみっともない結果を招くのだ。」
ど、どうした葉山くん!? 一歩引いているようで、実のところずんずん関与していく(関与させられていく)葉山くんをこちらは応援しているのだ。そんなこと気にせず、ぐんぐんやっていってほしいところですが。
この、やや内省的な部分が出てきているのも、この作品の行きつく先と無縁ではないのかもしれません。
このシリーズには珍しく、かなりシリアスな事件が扱われており、ある意味でこれまでのシリーズの総決算的な色彩も帯びているからです。
英文タイトルも「Release My School Days! 」だし、ひょっとしてこの作品でシリーズも完結かなぁ、なんて思ったりもしましたが、作者自身があとがきで否定しているので、まだまだ葉山くんの活躍を楽しめそうです。
よかった、よかった。
話が前後しますが、この作品で扱われているのは、学園の七不思議。学校にまつわる七不思議と言い切れないところがミソでしょうか。こういうの、ちょっと新しいと思って感心しました。

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