オチケン! [日本の作家 大倉崇裕]
<裏表紙あらすじ>
大学に入学早々、廃部の危機に瀕したオチケン(落語研究会)に無理やり入部させられた越智健一。そこで待ち受けていたのは、幽霊が出るという噂の古い部室と、風変わりな二人の先輩だった。落語なんてまったく知らない上、先輩たちに振りまわされ、必修科目の出席もままならない。あげくはサークル間の陰謀に巻き込まれて……。ユーモアと落語のウンチク満載の中篇二篇を収録した連作ミステリー。
大倉崇裕は落語雑誌の編集長牧を探偵役としたシリーズが知られています。
「三人目の幽霊」 (創元推理文庫)
「七度狐」 (創元推理文庫)(ブログへのリンクはこちら)
「やさしい死神」 (創元推理文庫)(ブログへのリンクはこちら)
上の3冊が出ています。
本書「オチケン!」 は、その大倉崇裕が理論社からYA(ヤングアダルト)向けに出した落語ミステリです。
タイトル通り、落語研究会が舞台で、主人公は越智健一なので、オチケン。なんて、ベタな語呂合わせ。
部室獲得をめぐるやりとりがメインとなった、日常の謎の学園ミステリです。
ミステリ度はマイルドですが、ミステリと落語がほどよくブレンドされていて、いい感じです。
YA向けだけど若い読者だと、尖ったものに惹かれがちですから、かえって、謎解きが物足りない、と不満をもつかもしれませんね。でも、この絶妙のバランスが心地よい。
付録として、「落語ってミステリ!?」という、エッセイも収録されていて、これもとても楽しいです。
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