ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ [海外の作家 さ行]
<裏表紙あらすじ>
ツーリスト―――それはCIAがアメリカの覇権維持を目的に世界中に放った凄腕のエージェント。過去も、決まった名前ももたない者たちだ。元ツーリストのミロは現役を退き、妻子と暮らしていた。だが、機密漏洩が疑われる親友の調査を命じられ、最前線に舞い戻る。親友の無罪を信じながらも、彼は監視をはじめるのだった――不確かな新世界秩序の下で策動する諜報機関員の活躍と苦悩を迫真の筆で描く、新世紀スパイ・スリラー。 <上巻>
ミロは殺人の容疑で国土安全保障省に追われる身となった。上司グレインジャーのおかげで、間一髪、逮捕の手を逃れたが、愛する家族との絆は壊れつつあった。いったい誰が仕掛けた罠なのか。ミロは親友の家を捜索し、陰謀の背後に潜む人物の手がかりを得る。だが、明かされる真実は、ミロをさらなる苦境へと突き落とすのだった。彼に逆転の術はあるのか?――ジョージ・クルーニー主演映画化決定! スパイ小説の新傑作 <下巻>
もうすでに年もあらたまり2014年になっていますが、前回感想を書いた
「三姉妹、舞踏会への招待 三姉妹探偵団(23)」 (講談社ノベルス)でようやく10月(!) に読んだ本の感想がおわり、この「ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ」 (上) (下) (ハヤカワ文庫NV)から、ようやく11月(!) に読んだ本の感想となります。
積読だけでなく、読了本の感想まで滞っているという惨状で、がんばらなきゃ。
さておき、9・11後の世界を舞台にしたスパイ小説です。
ジョージ・クルーニーが映画化を獲得したのですが、映画は完成したのでしょうか?
アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップが出ている「ツーリスト」 [DVD]とは別でしょうし。あらすじに、クルーニー主演と書いてあるので、当然違いますね、失礼。
冷戦終結後のスパイ小説というのは、なかなかむずかしいようで、ヒット作らしいものもなかった(と思う)のですが、この「ツーリスト 沈みゆく帝国のスパイ」 (上) (下) は快調です。
新しい時代背景で、いかにもスパイ小説らしいスパイ小説を完成させたところがお手柄、と思えます。
「いかにもスパイ小説らしいスパイ小説」ゆえに、展開やラストに既視感を覚えて、不満を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、敵陣営との駆け引き、二重スパイ疑惑...ちょっと、わくわくしませんか?
久しぶりに、こういったわくわく感を堪能できた気がします。黒幕(?) の正体に意外感なくてもいいんです。とても満足。
すでに続巻「ツーリストの帰還」 (上) (下) (ハヤカワ文庫NV)が翻訳されています。期待しています。
<おまけ>
解説で霜月蒼が
「『嘆きの橋』 (文春文庫) 『極限捜査』 (文春文庫)を読んだ者は、本書のあるシーンで、再会の喜びと別離の悲しみが混交した衝撃を感じることになるはずだ。」
と書いていて、すごーく気になりましたが、両作は未入手なので...
「嘆きの橋」 (文春文庫)はもう品切れのようですね。「極限捜査」 (文春文庫)だけでも買って読むかなぁ??
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