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鍵のかかった部屋 [日本の作家 か行]


鍵のかかった部屋 (角川文庫)

鍵のかかった部屋 (角川文庫)

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/04/25
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
元・空き巣狙いの会田は、甥が練炭自殺をしたらしい瞬間に偶然居合わせる。ドアにはサムターン錠がかかったうえ目張りまでされ、完全な密室状態。だが防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)の榎本と弁護士の純子は、これは計画的な殺人ではないかと疑う(「鍵のかかった部屋」)。ほか、欠陥住宅の密室、舞台本番中の密室など、驚天動地の密室トリック4連発。あなたはこの密室を解き明かせるか!? 防犯探偵・榎本シリーズ、第3弾!


「硝子のハンマー」 (角川文庫)「狐火の家」 (角川文庫)に続く防犯探偵シリーズ第3弾。
今回も、「狐火の家」同様短編集で、表題作のほか「佇む男」「歪んだ箱」「密室劇場」の3話を収録し全4話です。
エラリー・クイーンの某作品のバリエーションともいえる「佇む男」は、トリックを想像するとなんだか楽しくなります(不謹慎で失礼)。白幕の使い方とか印象的です。
表題作は、うまくいくかなぁとちょっと考えてしまうトリックと、妙に惹かれるサムターン錠にまつわるトリックの組み合わせで迫るパターンです。これも、絵になるというか、想像すると楽しいですね。
欠陥住宅を舞台にした「歪んだ箱」のトリックも愉快です。こんなこと考えつかないと思いますし、考えついても実行しないでしょ=作品に仕立てないでしょう。愉快です。
最後の「密室劇場」は、
「三流のミステリー小説ならともかく、よりによって芝居を上演している舞台の真横にある楽屋で、殺人を犯す必要があるでしょうか?」
とか
「でも、三十分で犯人を見つけるのはテレビドラマより難しいと思うけどね」
とかいうセリフが出てきてちょっとニヤリ。
コメディ仕立てになっていますが、トリックもコメディ? いやあ、これも現実性はないように思うんですけど、意外とイケるトリックなんでしょうか?

それにしても、シリーズを通して、どんどん青砥弁護士が壊れていっているのがこのシリーズの醍醐味だったり!?


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