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覗く銃口 [海外の作家 か行]


覗く銃口 (新潮文庫)

覗く銃口 (新潮文庫)

  • 作者: サイモン カーニック
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/09
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
元傭兵のボディガード、マックスは天を呪った。現場に響く突然の銃声、転がる死体。わけもわからぬまま、彼は追われる身となった。一方、冴えない刑事ギャランは、ロンドン中にもつれた凶悪事件の糸を追っていた――。窮地の果てに反撃を試みるマックスと、ギャランの軌跡が交わったとき、現れた絶望の銃口とは? 緻密かつ超ハイスピードで展開する裏切りの連鎖、絶品のクライム小説!


2002年に「殺す警官」 (新潮文庫) でデビューしたサイモン・カーニックの第2作です。
今 amazon.co.jp でみたら 2003年に訳された「殺す警官」 も、2005年に出たこの「覗く銃口」 も絶版・品切なんですね。
おもしろいのに、もったいない。
サイモン・カーニックは、その後2010年に「ノンストップ! 」 (文春文庫)が訳され、来月(2014年05月)には「ハイスピード! 」 (文春文庫)が出ます。
ゆったりとしたペースですが、着実に日本にも紹介されているので、品切も再版されるといいですねぇ。

さて、この作品の語り手は二人です。
ボディガード、マックスと、刑事ギャラン。
この二人の目を通して、ロンドンの裏社会がつづられます。
オープニングから、いかにもクライム・ノベルといった感じの幕開けで、ありふれたクライム・ノベルなのかな、と思わせます。
マックスに来た依頼は、怪しげな取引に立ち会ってほしい、ついてくるだけでいい、でも銃を持って、というもの。多額の報酬 (といっても6千ポンド。1ポンド200円で計算したとしても-今の為替相場だと1ポンド170円くらいでしょうか- 120万円なので意外と大したことないなぁ、なんて思ってしまいましたが、さておき)に目がくらんで引き受ける。実際に現場では部下が裏切り、仲間も殺され...。
ね? いかにもなストーリーでしょう。
特筆すべきは、このあと展開されるプロットが非常に入り組んでいることでしょうか。
刑事ギャランよりも、マックスに感情移入して読んでいったのですが、一緒に謎を抱えてハラハラしているうちに、意外な事実が明らかになったりして、飽きさせません。
きびきびしているけれど、どこか余裕を感じさせる語り口も楽しめました。

ぼちぼちと日本に紹介される作品を楽しんでいきたいです。


原題:The Murder Exchange
作者:Simon Kernick
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