オチケン、ピンチ!! [日本の作家 大倉崇裕]
<裏表紙あらすじ>
落語に興味がないのに、オチケン(落語研究会)に入部させられた越智健一。夢見たキャンパスライフは今いずこ、お人よしの彼の受難の日々は続く。「部員が三人を切ったら廃部」という規則を崖っぷちで守るオチケンだが、何と部長が何者かにはめられ、退学の危機に。調査に乗り出した越智は、キャンパス内で連続する奇妙な事件に気づく……。ユーモアたっぷりの落語ミステリー第二弾。
「オチケン!」 (PHP文芸文庫)に続くシリーズ第2弾。前作の感想ページへのリンクはこちら。
シリーズ第2作なので、主人公健一も落語に馴染んできましたねぇ、ということもなく、少しは落語との距離感は縮まったものの、相変わらず腰が引けています。それでいて、せっかく(?)入ったオチケンが廃部になっていまうのはいやだと、面倒に巻き込まれてしまうあたり、健一の面目躍如といったところでしょうか。
大きな仕掛け(?) を少しずつ少しずつ明らかにしていく、という構図になっていまして、なかなか激しい学園生活ではありませんか。
ただ、この「オチケン、ピンチ!!」 を読んで思ったのですが、このシリーズでとても重要な役柄を担っている岸先輩のことが、個人的にどうも好きになれません。
このシリーズの読者の中ではおそらく人気を集めている人物だろうと思いますし、癖はあっても好かれる、そういう風に描かれているとは思うのですが、なぜだろう、なんとなくいやーな感じがします。もうひとりの中村先輩の方は、すんなり馴染めるんですけれどね。
岸先輩のような設定の人物は小説ではわりとよく出てきますし、いつもはあまり気にならないのですが、どうもこの岸先輩は気になります。
シリーズが続きそうなエンディングなので、そのあたりを追求していく個人的な楽しみも含めて、続巻を強く期待します。
2014-08-05 22:15
nice!(6)
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