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御子柴くんの甘味と捜査 [日本の作家 若竹七海]


御子柴くんの甘味と捜査 (中公文庫)

御子柴くんの甘味と捜査 (中公文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/06/21
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
長野県警から警視庁捜査共助課へ出向した御子柴刑事。甘党の上司や同僚からなにかしらスイーツを要求されるが、日々起こる事件は、ビターなものばかり。上田市の山中で不審死体が発見されると身元を探り(「哀愁のくるみ餅事件」)、軽井沢の教会で逃亡犯を待ち受ける(「不審なプリン事件」)。『プレゼント』 に登場した御子柴くんが主役の、文庫オリジナル短篇集。


「プレゼント」 (中公文庫)に登場した御子柴くん、とありますが、「プレゼント」 読んでますけど、ずいぶん前のことなので覚えてません...
でも、大丈夫でした。

「哀愁のくるみ餅事件」
「根こそぎの酒饅頭事件」
「不審なプリン事件」
「忘れじの信州味噌ピッツァ事件」
「謀略のあめせんべい事件」
の5話収録です。
いやあ、貧乏くじを引かされまくって、一身に面倒事を引き受けさせられる御子柴くんがいい味出してますねー。
「警視庁内に、地方の県警本部から、連絡調整役として捜査官を派遣して常駐させるというシステムができた。御子柴はそれに選ばれてしまった」(17ページ)とありますが、そんなポジション、本当に警視庁にあるんでしょうか? まあ、それが捜査共助課と。
で、地元長野の人たちからは東京名物を買うよう頼まれ、東京の人たちからは長野名物を送るよう頼まれ...
「お留守居役もたいへんですねえ。江戸のお菓子を国元に送らなくてはならないし、お国元の名産品を江戸の役人にふるまわなくちゃならないし」
と茶化されたりしてますが。まあ、御子柴くんほどの頻度ではなくても、そういう立場の人がいたらある程度は名産のやりとりは必要になるのでしょうねぇ。
で、事件の推理というか、真相を突き止めるのが御子柴じゃないところも、GOODです。
長野県警時代の上司というのか、相棒というのか、それが「プレゼント」 にも登場した小林警部補。電話で真相を言い当てます。
「なーんか変なこと思いついちゃった」
とか言いながら。
残りページが少なくなってから、すとんと捻ってみせる小林警部補、いい感じです。
で、各話の締めは最終話を除いて、御子柴くんが名産品を食べて言うせりふ、
「ホントだ。これ、うまいわ」
「さすがだ。これはうまいわ」などなど、というところもポイント高い気がしました。
若竹七海らしい、悪意、意地の悪さも健在で、楽しみました。
これでシリーズ終わらせるのもったいないと思うので、ぜひ、続編書いてください。


〈2014.10.30追記〉
書き忘れていましたが、この「御子柴くんの甘味と捜査」から8月に読んだ本となります。


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