SSブログ

その日まで [日本の作家 や行]


その日まで―紅雲町珈琲屋こよみ (文春文庫)

その日まで―紅雲町珈琲屋こよみ (文春文庫)

  • 作者: 吉永 南央
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/11/09
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」の近くに、ライバル店「つづら」が開店した。つづらは元和菓子屋だったが、近隣では経営難のオーナーから詐欺まがいの手口で土地家屋を買い叩く業者グループがいるという噂がある。小蔵屋を営む気丈なおばあちゃん・杉浦草は、背景を調べ始めるが……。人気シリーズ第2弾。


「萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ」 (文春文庫) (感想ページへのリンクはこちら)に続くシリーズ第2弾です。
「如月の人形」
「卯月に飛んで」
「水無月、揺れる緑の」
「葉月の雪の下」
「神無月の声」
「師走、その日まで」
の6話で構成されています。
各話のタイトルに月の旧名が使われていて、6話を通して、変わっていく紅雲町の1年の様子をゆっくりと描いていきます。
解説では「地方都市小説」なんて呼称も使われていますが、物語が身近な感じがしますね。
あらすじにも、帯にも、ミステリという語は使われていません。謎を解いていくというよりは、騒動を落着させるというような風情の作品が多いです。
草も名探偵としてずばっと見抜くという感じではなく、構図は見抜いても、悩みが多いというか、いろいろと思うところがあって、内省的です。
草自身の過去のエピソードを折々振り返ったりもして、シリーズがぐんと深まった気がします。
ぼくがミステリに期待するものとは違う方向へ向かっているシリーズですが、これはこれで悪くないな、と思いはじめました。


nice!(11)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0