ブラッド・ブラザー [海外の作家 か行]
<裏表紙あらすじ>
きわめて知的で魅力的な青年ジェレミー。僕の兄にして連続殺人犯。彼が施設を脱走してニューヨークに潜伏、殺人を犯したという。連続する惨殺事件。ジェレミーがひそかに進行させる犯罪計画の真の目的とは? 強烈なサスペンスに巧妙な騙しと細密な伏線を仕込んだ才人カーリイの最高傑作。 ラスト1ページまで真相はわからない。
「百番目の男」 (文春文庫)、
「デス・コレクターズ」 (文春文庫)
「毒蛇の園」 (文春文庫)
に続くシリーズ第3弾。
「このミステリーがすごい! 2012年版」 第6位。
週刊文春ミステリーベスト10 第5位。
「本格ミステリ・ベスト10〈2012〉」 第2位。
ニューヨークを舞台に、僕カーソン・ライダーと、その兄ジェレミー・リッジクリフが対決します。
これだけでもう、シリーズ読者としては十分なエンターテイメントですが、上記各種ベストの結果からもおわかりいただけるように、ミステリとしても引き続き優れた作品になっています。
アラバマ州逸脱行動矯正施設に収監中のジェレミーがどうやってニューヨークへ?
アラバマ州モビール市警の刑事がニューヨークで捜査?
と、疑問が浮かびますが、答えは読んでお確かめください。
ニューヨーク市警の面々も紹介されていきます。
カーソンはよそ者、歓迎されざる人物というわけで、結構な反発を喰らいます。
そして、もっとも強硬なアリス・フォルジャー警部補とカーソンの仲が進展していく。常道といってもいい展開ですが、これが結構おもしろい。
相棒のハリー・ノーチラス刑事もアラバマ州のモビール市警でバックアップするという構図も楽しいですね。
ここで興味深いのは、カーソンが、ジェレミーが兄であることを、ニューヨーク市警の面々に明かさないまま捜査を進めていく点でしょう。緊張感(?) のレベルがあがります。
このあと翻訳が出ていませんが、まだシリーズは続けることが可能だと思うので、期待しています!
<2015.1.22追記>
無茶苦茶ボケていました。
この「ブラッド・ブラザー」 のあと、2013年に「イン・ザ・ブラッド」 (文春文庫)が訳されています。
訂正します。
原題:Blood Brother
著者:Jack Kerley
刊行:2008
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