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コレクター 不思議な石の物語 [日本の作家 は行]


コレクター 不思議な石の物語 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

コレクター 不思議な石の物語 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

  • 作者: 深津 十一
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2014/04/04
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
自分が死んだら口に石を入れ、火葬後にそれを回収してある人物に届けてほしい――。祖母の遺言に従って作った「死人石」を持って、木島耕平は石コレクターの林を訪ねた。林に興味を抱いた耕平と生物教師ナオミは、人体が埋められているという「童石」の話を林に尋ねようと再び屋敷を訪れて……。不思議な石をめぐる、時空を超えた物語の結末とは。『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。


ほぼ2週間ぶりの更新となりました。

本当は、積読在庫になっている、『このミステリーがすごい!』大賞の隠し玉を全部読んでしまおう、と思っていたのです。
でも、前々回感想を書いた「残留思念(サイコメトリー)捜査 オレ様先生と女子高生・莉音の事件ファイル」 (宝島社文庫)と前回感想を書いた「婚活島戦記」 (宝島社文庫)を読んだところで力尽きました。
あのレベルの作品を続けて一杯読むのはつらい....
ということで、『このミステリーがすごい!』大賞でも隠し玉より上(? のハズ)の優秀賞の「コレクター 不思議な石の物語」 (宝島社文庫)を手に取ることに。
単行本のときのタイトルは「『童石』をめぐる奇妙な物語」だったのが改題されています。

路線変更して優秀賞を手に取って、正解でした。
まず、なにより文章が安心できます。小説の基本は、やはり文章ですよね。

冒頭、まるで伝奇小説かな、と思わせるオープニングです。
そこから、すっと高二の主人公の話へ移ります。ばあちゃんの葬式で家族に内緒で怪しげなことをやる主人公耕平。これも伝奇っぽい。
で、ばあちゃんから回収した(?) 石をもって、コレクター林老人のところへ。
耕平やナオミ先生のキャラクターが今風というか、軽い感じではあるのですが、一方で主要人物である林老人のキャラクターが怪しげで、それでいて結構趣があって、この落差がポイントかと思いました。
さまざまな不思議な石にまつわる物語があれこれと語られていくわけで、ミステリーというよりは、ファンタジーに近い作品だと思いましたが、どれもおもしろかったですね。
作者が提示する世界観(?) が独特で、それを味わうことがとても楽しい。
見たこと、読んだことのない世界ながら、それでいて、どことなく懐かしいような手触りの作品でした。
異色作だと思います。



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