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先生と僕 [日本の作家 坂木司]


先生と僕 (双葉文庫)

先生と僕 (双葉文庫)

  • 作者: 坂木 司
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2011/12/15
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
都会の猫は推理好き。田舎のネズミは……? ――ひょんなことから大学の推理小説研究会に入ったこわがりな僕は、これまたひょんなことからミステリ大好きの先生と知り合う。そんな2人が、身のまわりにあるいろいろな「?」を解決すると同時に、古今東西のミステリ作品を紹介していく連作短編集。事件の真相に迫る名探偵は、あなたをミステリの世界に導く名案内人。巻末には仕掛けに満ちた素敵な「特別便」も収録。


うーん、なんだかなぁ、と阿藤快みたいですが、正直な感想はそんなところ。
あらすじを見て、ミステリを扱ったミステリかな、と一瞬思ったんですが、いや、そうじゃないな、日常の謎に絡めて、ミステリを紹介していくのだな、と判明。
それはそれでいいんですが、うーん、僕(伊藤二葉)の先生がねぇ...中学生(瀬川隼人)ではねぇ。
ここで紹介されている諸作を中学生が読んでいる、というのは十分あり得ると思いますし、事件を解決するのが大人ではなく中学生、というのも、まあいいでしょう。よくある設定だし。
大した謎でもないから(失礼!)、中学生でも十分でしょう。
でも、この2つが並列してしまうと、どうしてでしょうか、ちょっと受け入れがたいように感じました。

視界を写真に撮るみたいにして覚えることができる、双葉の特技(?) が有効に機能しているところとか、ミステリとしてのポイントはなかなか押さえられているとおもったんですが、やはりねぇ、ミステリを紹介してくれるのが中学生というのは、どうもねぇ。いくら二葉がミステリ初心者でもなぁ...普通、推理小説研究会の引き込んだ大学の友人がそっち方面では先生になるでしょ。
この違和感が気になって、気になって、素直には楽しめませんでした。

「先生と僕」
「消えた歌声」
「逃げ水のいるプール」
「額縁の裏」
「見えない盗品」
の5編を収めた連作短編集です。
あと、
「ホリデーとホテルと僕」
というボーナストラックが収録されています。

中学生への違和感がなくても、この作品を高く評価はしなかったと思います。
ミステリ好きとしての不満は、紹介されている作品があまりにも有名すぎて新鮮味がない、ということと、扱われている謎が魅力的ではないこと。
本作の趣向として、完全なるミステリ初心者向け、として構築したのかもしれませんが、謎も紹介作品も初歩レベルだと、ちょっとつらいです。

もう、続編「僕と先生」 (双葉社) が出てるんですよね。
今回不満を持った点は、変更されているのでしょうか!?



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