SSブログ

海街diary 2 真昼の月 [コミック 吉田秋生]


海街diary(うみまちダイアリー)2 真昼の月(フラワーコミックス)

海街diary(うみまちダイアリー)2 真昼の月(フラワーコミックス)

  • 作者: 吉田 秋生
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2008/10/10
  • メディア: コミック


<裏表紙あらすじ>
姉たちとのあたらしい生活にも慣れてきたすず。そんな彼女が登校途中に見かけた男は、姉の佳乃の元彼・朋章だった。彼に興味を持ったすずは…!? 鎌倉を舞台に家族の「絆」を描いた限りなく切なく、限りなく優しいシリーズ第2巻。


「海街diary 1 蝉時雨のやむ頃」(フラワーコミックス)に続くシリーズ第2弾。
この第2巻には、
「花底蛇(かていのじゃ)」
「二人静」
「桜の花の満開の下」
「真昼の月」
の4話 収録。

「花底蛇」のタイトルですが、「美しいものの下には恐ろしいものが潜んでいるって中国の故事」(9ページ)だそうです。
花と蛇の対比が興味深いですね。
で、扱われている中身は、次女佳乃の彼氏、朋章。
朋章は、「ルックスがよすぎるのがタマに傷だけど金持ちのぼんぼんにしとくのは惜しいほどマトモなやつだ」(23ページ)と紹介されたりもします。
朋章が見てしまった蛇が語られるわけですが、佳乃とのひとときが、朋章にとって安らぎであればよかったなぁ、と思いました。

「二人静」では、今度はすずは長女・幸ねえのデートを目撃します。いろいろ大変だねぇ。
また、オクトパスの中の裕也をめぐる恋心(?)が描かれます。
しかしねー、「カッコよかったんだよねー。ほんっと牛若丸みたいだったんだもん」(88ページ)って、なんか不思議です。牛若丸って、すっと女子中学生の会話に出てきますか!? 鎌倉って、そうなの??
一方で、すずと風太の関係が微妙で、いや、微妙じゃないですね、完全にすれ違っていておもしろい。

「桜の花の満開の下」では、裕也がオクトパスでの練習に復帰します。すごい!
でもそこには、どんなに努力しても元通りにはなれないという壁があって。それを本人も周りも強く感じざるを得なくって...
「他人にいわれてはじめて あたしってかわいそうなんだって
 そう思われてるんだって知ったの」
「かんたんに人のことかわいそうっていう人すっごムカつく!」(124ページ)
いやしかし、オクトパスのみんな、いいやつですよ。

「真昼の月」は、おばあさんの7回忌に、どういう風の吹き回しか母親が参加する、というのがお話。
「あたし昼間の月ってけっこう好き 
 夜だけじゃなく見えるなんてなんか得した気分」(136ページ)
というすずのせりふが印象的ですね。こういうところ、すずっていい子なんですよね。
一方で、それを受けて幸ねえがかんがえます。
「思いもよらないことがある日ふいに姿を現す
 昼間 偶然見つけた月のように
 でもそれはずっとそこにあったのだ
 ただ気づかなかっただけで」(157ページ)
これ以外にも、さりげないせりふやモノローグが、細やかに気分を掬い取っていきます。

あまり読まないタイプの作品ですが、ずいぶん馴染んできました。




nice!(16)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 16

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0