烏丸ルヴォワール [日本の作家 円居挽]
<裏表紙あらすじ>
京都に伝わる稀覯本『黄母衣内記(きぼろないき)』。その所有者が謎の死を遂げた。事故か他殺か。そして継承を巡り兄弟争いが勃発。私的裁判・双龍会(そうりゅうえ)が開かれることに。その準備の中、瓶賀流(みかがみつる)は伝説の龍師「ささめきの山月」から、一人の少女と行動を共にすることを依頼される。だがそれは仲間達との敵対を意味していた。
ここから6月に読んだ本の感想になります。
「丸太町ルヴォワール」 (講談社文庫)(感想のページへのリンクはこちら)に続くシリーズ第2弾です。
このシリーズ、大好きですね。
これだけの企みに満ちた作品、そうそうないと思います。
このシリーズの強みはなによりやはり、私設法廷「双龍会」でしょう。
龍師(普通の法廷における検事や弁護士にあたる存在ですね)が各々得意技を持っている、とか、火帝(裁判官とはちょっと違いますね...)の下した結論は確定するとか、これらの設定が、論争時点での輝きを増します。
更にここの山場を読者に意識させることで、それ以外の企みに気づきにくくさせます。そういう仕掛けがあるに違いないと思って身構えていても、それでも易々とこちらの予想を超えていってくれました。
途中で、あれっ、と思うところがあって、戻って読み返しなどしてしまいました。こういうのも、企みのうちなのでしょうね。
何を書いてもネタバレになりそうで、感想が書きづらい...
帯の裏表紙側に書かれている
「京都の街では何が起こっても不思議じゃない。」
っていうのが、こうぐっときますね。
このシリーズ、このあと、次の
「今出川ルヴォワール」 (講談社文庫)まで文庫化されていましたが、4冊目の
「河原町ルヴォワール」 (講談社文庫)も今月文庫化されるようで、とても楽しみです。
早く「今出川ルヴォワール」 を読まなければ!
タグ:円居挽 ルヴォワールシリーズ
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