SSブログ

カンナ 鎌倉の血陣 [日本の作家 高田崇史]


カンナ 鎌倉の血陣 (講談社文庫)

カンナ 鎌倉の血陣 (講談社文庫)

  • 作者: 高田 崇史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/09/13
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
甲斐は、婚約者の聡美に誘われ、茶会に出席するため鎌倉へ二人旅。しかし、そこには貴湖(たかこ)と竜之介の姿が。女二人が火花を散らす中、茶会の主催者であると息子の範夫が殺害される。甲斐は、宗朝が調べていたという源氏がたった三代で滅びた理由と、宗朝親子殺人事件の真相に、奇妙な共通点を見出す!


シリーズも順調に巻を重ねて第六冊目。
今回の史実は鎌倉、なんですが、歴史の部分にあまり切れ味を感じませんでした。すべてがすべて、ではありませんが、なにやらどこかで読んだような感じ。まあ、どこかもなにも、ほかならぬ高田崇史の「QED~ventus~〈鎌倉の闇〉」 (講談社文庫)ですけどね。
たとえば、源氏が鎌倉を幕府を開く場所として選んだ理由には「QED~ventus~〈鎌倉の闇〉」の影を感じます。それでも、「いざ鎌倉」は、武士の忠義ではなく、「組合」(武家連合みたいなものでしょうか)からの締め付けだった、とか、ちょっと楽しくなります。
注目は(?)、いつもの朝廷の横暴、がないことでしょうね。鎌倉では、朝廷に代わる黒幕、悪者は、言わずと知れた北条家。存分に力を振るっていますよ。

いや、そんなことより、このシリーズは、甲斐と貴湖たちのストーリーの方が重要ですよねっ。
貴湖が休学をとりやめようとしていたり、おおきく動こうとしていますね。
甲斐もどんどん隠れた能力を発揮しています。
ラストでは、海堂の爺さん(甲斐の婚約者聡美の祖父)が、「噂に聞く『鴨志田家の能力』」なんてモノローグを....
おまけっぽいですが、QEDの棚旗奈々が登場し、タタルや御名形の名前も登場します。

残り少なくなったシリーズ、あと少し頑張って読みます!

<蛇足>
解説の中に作者のインタビューがあって、シリーズ九冊を刊行順に並べて、タイトルの最後の一文字をつなげると、臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前となるというのを受けて、作者がこう言っています。
「陰陽師や忍者などに広く使われた『九字』の意味は、『臨める兵、闘う者、皆陣列(つ)れて前に在り』。つまり《カンナ》は、読めば鎮魂になり、さらに九冊すべて揃えると結界が張られて、悪霊や邪気から身を守れますと。」
古今東西、こんな意図を持って書かれたシリーズがありましたでしょうか!?



nice!(17)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 17

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0