四次元の花嫁 [日本の作家 赤川次郎]
<裏表紙あらすじ>
その「花嫁」は妄想? 幻覚? それとも……
ブライダルフェアを訪れた女子大生・塚川亜由美と親友の神田聡子は、知人の一柳徹と出会った。フェアスタッフの河本みどりによれば、結婚を控えた彼は式の日程もドレスも一人で決めて、婚約者が一度も姿を見せていないという。一柳の花嫁は実在するのか? 本当に結婚するつもりなのか? 亜由美に調査を依頼したみどりだったが、仕事帰りに何者かに襲われて……。表題作のほかに「花嫁たちの袋小路」を収録。
花嫁シリーズも28作目。年末に新刊が出るシリーズなので、半年間積読でした。
でも、読むのはあっという間。
表題作「四次元の花嫁」と「花嫁たちの袋小路」の2話収録。
「花嫁たちの袋小路」には、夫がリストラに遭い、置き引きを職業(?)にすることになる女性が出てきます。
で、置き引きをしているところを悪い人間に見つかり、更に大きな悪事を...
このあたりのテンポの良さが、赤川次郎の赤川次郎たるゆえんでしょうか。
そしてまた、赤川次郎らしい着地へと。
「四次元の花嫁」には、殿永刑事の姪(あらすじに出てくる、河本みどり)が登場し、亜由美たちに調査を依頼(!) します。
殿永は
「塚田さんが絡むと、殺人事件になったりしますからね」(132ページ)
なんて言ったりしていますが(笑)。
「四次元」というのは若干見当違いの気がしますが、描かれる事件の背景がどぎついので、ちょっと嫌な気分になりました。しかし、妄執は恐ろしいというのか、なんというのか...
この「四次元の花嫁」 で、6月に読んだ本の感想がようやくおわりました。
<2018.07.14追記>
2017年8月に文庫化されています。
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