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海街diary 5 群青 [コミック 吉田秋生]


海街diary(うみまちダイアリー)5 群青 (flowers コミックス)

海街diary(うみまちダイアリー)5 群青 (flowers コミックス)

  • 作者: 吉田 秋生
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2012/12/10
  • メディア: コミック


<裏表紙あらすじ>
お彼岸の頃、香田家に響いた一本の電話。すずの叔母と名乗る女性は彼女を捜していたという。会ったこともない親類の出現で、戸惑うすずに三姉妹は…。家族の「絆」と美しい鎌倉の景観を情緒豊かに描いた、大人気シリーズ第5巻!


このシリーズ第5弾「海街diary5 群青」 (flowers コミックス)には、
「彼岸会の客」
「秘密」
「群青」
「好きだから」
の4話 収録。

「彼岸会の客」では、すずの叔母さん登場。すずの母、そして祖母の思いをすずに伝える役目となります。

「秘密」では、すず、と風太がそれぞれ秘密を抱えます。それぞれ誰にも言うな、と言われて。
風太の抱える秘密は、裕也の考え。
すずの抱える秘密は、すずの三姉妹のうち、幸ねえ、佳乃とも関係します。
「いろいろとめんどくさいことをするのが私たちの仕事ですから」って、佳乃の上司(坂下課長)はさらっと言いますが、信金ってこんなに面倒見いいんですか。すごいですね。

「群青」は、「秘密」で抱えた秘密がそれぞれ決着を見せます。
「山猫亭」のオヤジ・福田さんがいい味全開。この人、すごい。
タイトルは、スポーツ用品店スポーツ・マックスの店長が撮ったヒマラヤの写真(「海街diary 4 帰れない ふたり」(flowers コミックス)収録の「ヒマラヤの鶴」に出てきた写真です)の空の青、がベースですね。
「あそこはエラい空気が薄い
 だから よけい青が鮮やかになる
 まさに群青や」
と説明されます。
福田オヤジは
「どんなサイアクな気分の時でも
 晴れれば世界で一番蒼い空やし
 その下には神様の住んどる世界で一番高い山や」
とも言っています。テーマに関連するセリフですね。
この「群青」と次の「好きだから」は、印象に残るというか、ぐっとくる言葉がいっぱい出てきます。
「でも神様は人の事情をいちいち考えてはくれない
 だから神様はありがたくて…恐ろしいんでしょうね」
(続けて「神様が考えてくれないならこちらが考えるしかないでしょう」って、課長、かっこいい...)
「神様は気まぐれで時々ひどい意地悪をするので振り回されてエラい目に遭うこともあります
でも晴れた日は空が青い
どんな気持ちのときもそれはかわらない
それだけは神様に感謝したいと思います」
あと、裕也と風太のやりとりもなかなかいいですよ。悩める若者よ、どんどん悩めっ、て感じ。悩んだ末にすっきり解決しています(周りが見たらそうなだけで本人はそれでも悩み続けるんでしょうが)。
風太の観察眼とそれをきちんと評価できる裕也。こういう友だちっていいですねぇ。

ラストの「好きだから」は、一つの山場が過ぎた後の話。
登場人物それぞれに、「好きだから」という言葉をキーに気持ちを眺めていく。
幸ねぇにちょっとした(と言っては失礼ですが)事件が起きますが、無事解決します。
ここでもまた福田オヤジのセリフがいいんですよねぇ。
「病気は治らんでもアメちゃんでもなめとこかなー思うこともあるよってな」
って、よりによってこのセリフを抜き出すのかいって言われそうですが、これ象徴的なセリフだと思います。

ということで、このシリーズ大満足。



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