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今出川ルヴォワール [日本の作家 円居挽]


今出川ルヴォワール (講談社文庫)

今出川ルヴォワール (講談社文庫)

  • 作者: 円居 挽
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/08/12
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
京都・大怨寺(だいおんじ)の僧侶が転落死した。殺人容疑をかけられたのはその場に居合わせた御堂達也。嫌疑を晴らすため、彼の母校、越天(えてん)学園に向かった瓶賀流(みかがみつる)。そこで出会ったのは達也の死んだ母親と瓜二つの女性だった。三十年前に起きた悲劇と私的裁判・双龍会が繋がるとき、過去の呪縛から解放されるのは、誰だ。


今年最初に読んだ本です。
「丸太町ルヴォワール」 (講談社文庫)(感想のページへのリンクはこちら
「烏丸ルヴォワール」 (講談社文庫)(感想のページへのリンクはこちら
に続くシリーズ第3弾です。
前作「烏丸ルヴォワール」の感想を書いたのが、2015年9月ですから、ほぼ1年半ぶりですか...
「河原町ルヴォワール」 (講談社文庫)もとっくに文庫化されているというのに、読むのはいつのことになるのやら。今年の目標の一つにしようっと。

さて、今回は冒頭部分は御堂達也を被告とした法廷(双龍会)で、これはこれで楽しかったのですが、いやあ、本作の重点はそこにはなくて、権々会、というお寺主催の(!) ばくち大会が見せ場ですね。
競われる種目は、「鳳」という独自ゲーム。
京都発祥のゲームとかで、「元々は占いやってんけど、いつしかそこに競技性が生まれ、ゲームになったってわけや」(184ページ)ということで、ルールも説明されています。
実はこのルール、ぴんとこなかったんですが、試合シーン(?) は迫力ありましたね。
達也の出生の秘密(?) とかいろいろと明かされるのですが、それもこれも試合シーンを盛り上げるため、だったのかも。

落花の仕掛ける技(?) も、いやあ無理でしょ、という中身ですが、絵になるし、恰好いいし、京都ならではというほどのことはなくても京都は感じさせるし、いいじゃないですか。
こういうケレン、大好き。

人間関係も、非常に狭い範囲で錯綜させているので、ちょっとやり過ぎ感も漂うのですが、舞台が京都なら、まあいいか、と思えてしまうところも、またよし、です。

次の「河原町ルヴォワール」 でシリーズ完結のようですので、今年中に読みたいです。
とても楽しみです。


<蛇足>
しかし、帯に書かれている
「彼の決意、彼女の親愛。
いくら心がすれ違っても、この手だけは絶対に離さない。」
というの、確かにそういう側面もこの物語は持っていますが、そこは前面に押し出されるべきものではないように思います。



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