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レディ・ヴィクトリア 新米メイド ローズの秘密 [日本の作家 篠田真由美]


レディ・ヴィクトリア 新米メイド ローズの秘密 (講談社タイガ)

レディ・ヴィクトリア 新米メイド ローズの秘密 (講談社タイガ)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/08/18
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
デヴォンシァの田舎町からロンドンへやってきた新米メイドのローズ。奉公先は使用人も働き方も型破りで、毎日が驚きの連続。なぜかご主人のレディ・シーモアは、顔も見せてくださらない。
仕事のかたわら、消息不明の兄を捜そうと、うさんくさい探偵の手を借りてイーストエンドの阿片窟へ飛び込んだローズ。ただの人捜しのはずが、待ち受けていたのは思いもよらぬ事件だった!


「χの悲劇」 (講談社ノベルス)感想を間に挟みましたが、「ダマシ×ダマシ」 (講談社ノベルス)の次に読んだ本で9月4冊目です。

講談社タイガで始まった、篠田真由美のシリーズの「レディ・ヴィクトリア アンカー・ウォークの魔女たち」 (講談社タイガ)(感想ページへのリンクはこちら)に続く第2弾です。

いやあ、まいりました。
前作「レディ・ヴィクトリア アンカー・ウォークの魔女たち」 感想に書いたこと、まったくの見当はずれでしたね...
この「レディ・ヴィクトリア 新米メイド ローズの秘密」ではタイトル通り、レディ・ヴィクトリアのところに新米のメイドであるローズがやってくる、というお話なんですが、なんとこのシリーズのヒロインは、レディ・ヴィクトリアではなく、ローズだというのです!!
あとがきでびっくりです。
「一巻目には敢えてヒロインを出さず、この奇妙なヴィクトリアン・レディ、先代シーモア子爵未亡人と、彼女の周辺の一癖も二癖もある人々を語る、長めのプロローグにしてしまう」(313ページ)
ひゃーーーー。なんて充実したプロローグだったことでしょう...

ローズによる兄捜し、というのがメインのお話ですが、貴族社会の病巣ともいうべき実態が描かれています(って大袈裟か...)。
詳細は読んでください、というところですが、
「身も蓋もなくいっちまやあ、ここはそういう国だ」(151ページ)
という点に、どう落とし前をつけるか、という話ですね。悪代官をどう成敗するか、と言い換えてもいいかもしれません。

まず、この本を読んで感心したのは、阿片窟のイメージが変わったこと、です。このあたりはあとがきでも触れられていますね。これだけでも得した気分です。
貴族と従兄弟の確執とか要素をいくつか盛り込んでもすっきりと仕上がっています。さすが篠田真由美。
薄い本ですが、しっかりとヴィクトリア朝のイギリスに浸れました。

続刊「レディ・ヴィクトリア ロンドン日本人村事件」 (講談社タイガ)も出ていて楽しみです。


<蛇足>
しつこいようですが、
「一生懸命お仕えします」(180ページ)
ってやめてほしいですね。一所懸命でないと。
あと、
「弑する」(311ページ)
って会話で使いますか? このあたりちょっと篠田真由美らしくないかなと思いました。



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