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三毛猫ホームズの証言台 [日本の作家 赤川次郎]

三毛猫ホームズの証言台 (カッパ・ノベルス)

三毛猫ホームズの証言台 (カッパ・ノベルス)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2016/12/15
  • メディア: 新書

<裏表紙あらすじ>
ある殺人事件の証言から始まった物語は、新たな悲劇を招く……。
過去の因縁を乗り越え、片山とホームズが難事件に挑む!!
〈S商事〉社長の千葉典子が殺された。夫の克茂が殺人容疑で逮捕されるが、出会い系サイトで知り合った森川礼子の証言によって無罪となる。社長の座を引き継いだ克茂は礼子と結婚する。一方、片山のお見合い相手の加賀涼子は、車にひかれかけた辻川友世をかばって怪我をし、辻川夫妻や片山たちと〈高原ホテル〉で療養することに。そこで辻川夫妻の友人である千葉夫妻も同宿する。だが、千葉の妻・礼子の元夫・誠二は殺人の罪で追われている中、〈高原ホテル〉に乗り込んできて――。過去の因縁と複雑な人間関係が絡み合う大人気シリーズ第51弾!!


今年5月に読んだ10冊目の本です。
三毛猫ホームズシリーズも51冊目ですか...すごいですねぇ。
この本の帯から、赤川次郎著書600冊へ向けたカウントダウンが始まっています。カウントダウンは出版社の枠を超えて行われており、どの出版社の本も同じ体裁の帯を使っています。この「三毛猫ホームズの証言台」 (カッパ・ノベルス)は594冊目の著作のようです。

この前に感想を書いた「東京零年」には厳しい感想をぶつけてしまいましたが(リンクはこちら)、シリーズ作だとそういう心配をあまりせずとも、安心して読めますね。

いつものように(?) 非常に錯綜した人間関係が設定されています。
赤川次郎はもともと大人数を捌くのが得意ですが、その前段階ともいえる設定上の、人間同士を結び付けるのもとても上手です。
普通だと、「えっ!?」と戸惑ってしまうような関係性も、すっと読者に届けてしまう。
ちょっとありえないような偶然を多用していますので、ミステリとしての出来はお世辞にも良いとはいえませんが、表紙袖の著者の言葉を読めば、それもまたよし、ということなのでしょう。
著者のことば
人と人の出会いとは面白いものである。一本の電車に間に合うか間に合わないかで、恋に落ちることもあれば、全く他人のままで一生終わることもある。おそらく「運命的な出会い」なんてありはしないのだ。ただの偶然を「運命」に変えるふしぎな力が人間にはそなわっているのだろう。

三毛猫ホームズも、「三毛猫ホームズの推理」 (光文社文庫)のころは名探偵という感じでしたが、最近は推理を披露するというよりは、人間をやさしく見守っている女神のような?


<蛇足1>
「当機は間もなく成田国際空港に着陸いたします」(29ページ)
とありますが、成田国際空港、とはアナウンスされないのでは?
新東京国際空港、でしょうし、成田を使う場合は成田空港と呼ぶような気がします(通称に「国際」なんてつけても意味がない)。

<蛇足2>
社長令嬢で、部長の妻である人物が、ニューヨークでの滞在に触れて
「大変だったのよ、毎日ホテルの部屋で洗濯して。途中で足りなくなって、向こうでドレスを二着買ったわ。」(32ページ)
なんて言うんですが、ちょっといただけないですね。
数知れないパーティに出席するような人物が、自分でドレスを洗濯しますか?
そういうキャラクター設定とも思えませんでしたし、つましい人物だったとしたら逆に二着もドレス買ったりしませんよね。あまり考えずに書き飛ばしましたかね...



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