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吸血鬼の誕生祝 [日本の作家 赤川次郎]


吸血鬼の誕生祝 (集英社オレンジ文庫)

吸血鬼の誕生祝 (集英社オレンジ文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/07/20
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
正統な吸血鬼であるフォン・クロロックとその娘のエリカは、ある日、住宅街で少年に助けを求められる。現場では、窓からソファが飛び出す大惨事!! 少年に事情を聴くと祖父が大暴れしているという。常人離れした力で暴れた老人はそのまま行方不明になり…。表題作の他、『吸血鬼は化け猫がお好き』『明日はわが身と吸血鬼』の2編を収録した大ヒットシリーズ最新作!


「吸血鬼はお年ごろ」シリーズ 第35弾。オレンジ文庫第3弾です。あいかわらずうすーい本です。
いつも通り、あっという間にすらすらと読んでしまっておしまい、という感じだったのですが、読み終わってから、あれっと思ったのは第2話「明日はわが身と吸血鬼」。
このシリーズは最近は一話一話が短いこともあって、エピソード一つで一直線に物語が進むケースが普通なんですが、この「明日はわが身と吸血鬼」にはエピソードが二つ盛り込まれています。70ページほどの短編なので、このシリーズとして特に長いというわけではないのに。
まず、そこに驚き。
そしてその二つのエピソードが重なっていないこと、別々のエピソードだというのが二番目の驚き。小説だとたいてい出てくるエピソード同士にはなんらかのつながりを用意するものだと思いますが、このお話では二つのエピソードの被害者がホームレスとなって同じ場所にいる、というだけで、つながりは用意されていません。
驚きの最後は、このシリーズにしては極めて珍しく、超常現象とかこの世ならぬものとか黒魔術(のようなもの)とかが出てこないこと。これだと、このシリーズの作品にする必要ないんじゃないかな。
「よろしいか。家や金を失うことは恥ではない。本当に不幸なのは、己を信じる心を失うことだ。」(69ページ)などといういつもの赤川次郎らしいせりふも健在で、これらの点で作品の出来栄えがよくなったり、わるくなったりしたわけでもないのですが、気になりましたね。

<蛇足>
第3話である表題作「吸血鬼の誕生祝」に、宅配便の人が登場し<S急便>と名乗るのですが、佐川?
こういう場合、現実にある会社を容易には連想させないようなアルファベットにしておくべきではないかと思うのですが...





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