マシューズ家の毒 [海外の作家 は行]
<裏表紙あらすじ>
嫌われ者のグレゴリー・マシューズが突然死を遂げた。すったもんだの末に検死を実施したところ、死因はニコチン中毒で、他殺だったことが判明。だが故人の部屋はすでに掃除されており、ろくに証拠は残っていなかった。おかげでハナサイド警視は、動機は山ほどあるのに、決め手がまったくない事件に挑むはめに……。巨匠セイヤーズが認めた実力派が、練りに練った傑作本格ミステリ。
「紳士と月夜の晒し台」 (創元推理文庫)(感想ページへのリンクはこちら)に続くシリーズ第2作。
ミステリとしての建付けは、うーん、「紳士と月夜の晒し台」 よりはよくなっているように思いましたが、とりたてていうほどのことはないかもしれません。
それよりは、「紳士と月夜の晒し台」 もそうだったのですが、登場人物がいろいろと楽しい作品です。
嫌われ者が殺されて、残された親族たちの会話がもう、狂騒というのか、ここが読みどころですね。
こんな嫌味な人ばっかりなのか、イギリスは、と思ってはいけませんが、意地悪な会話を楽しみましょう。
それにしても、シリーズ探偵の位置かと思われるハナサイド警視の扱いがひどい...ひょっとしてこれを楽しむシリーズだったりして。
このあと東京創元社のこの作者の本の翻訳が途絶えてますね。気になる。
この作者のミステリの邦訳としては、残すは「グレイストーンズ屋敷殺人事件」 (論創海外ミステリ)です。
また訳してくれるといいのですが。
<2020.10.27追記>
この作品は、「本格ミステリ・ベスト10〈2013〉」第7位でした。
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