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ゼロの日に叫ぶ: 戦力外捜査官 [日本の作家 似鳥鶏]

ゼロの日に叫ぶ: 戦力外捜査官 (河出文庫)

ゼロの日に叫ぶ: 戦力外捜査官 (河出文庫)

  • 作者: 似鳥 鶏
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/09/06
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
都内の暴力団が白昼、何者かの手で殲滅され、偶然居合わせた刑事2人も重傷を負う事件が発生! 警視庁の威信をかけた捜査が進む裏で、東京中をパニックに陥れる計画が静かに動き出していた。ドジを踏んで捜査本部から外され、遊軍班として、別の角度から捜査を始めた海月と設楽。果たして、東京を守ることはできるのか!? 


先日の「わたしたちが少女と呼ばれていた頃」 (祥伝社文庫)の感想(リンクはこちら)までで2015年10月に読んだ本の感想は終了し、2017年12月に読んだ本の感想に戻ります。
2017年12月に読んだ7冊目の本で、「生還者」 (講談社文庫)(感想へのリンクはこちら)の次に読みました。
似鳥鶏の
「戦力外捜査官 姫デカ・海月千波」 (河出文庫)(感想へのリンクはこちら
「神様の値段: 戦力外捜査官2」 (河出文庫)(感想へのリンクはこちら
に続く戦力外捜査官シリーズ第3弾です。

この本瀧井朝世の解説がいいです。ちょっと長いけど引用してしまいます。
「このシリーズにはお決まりパターンがいくつもある。まず、設楽&海月コンビが話の早々に何かしら失敗をして戦力外通告をされてしまうこと。また、捜査一課の殺人犯捜査六係所属の高宮が殺人事件を追っていくパートが同時進行し、やがてそれが設楽たちの追う放火事件と関わってくるという展開。細かなところでいえば一般人の前で設楽が海月の肩書を隠そうとすることや、海月のたとえ話がまわりくどくていつも途中で遮られるところ、設楽がつねに怪我を重ね、だいたい最後には満身創痍になっているところも、気の毒ながらニヤリとしてしまう。個人的には、ここぞという時に彼らの上司である川萩さんが豪快な突撃を見せるお約束の流れも好きだ。ー略ー
 そして、このシリーズにおいて毎回驚かされるパターンは、後半になって予想外のスケールの大きさを見せることだ。」
「今作でも、パニックが起きた時の人々の行動とその変化が、町中の状態からSNS上の書き込みに至るまで、実にリアリスティックに描写されている。」
そうです。今回もとても大きなパニックが用意されています。
タイトルがほぼネタばれ(解説しているWikipedia のページにリンクを貼っています)という、すばらしい大胆さなのも素敵です。267ページから簡潔に説明されています。
前作「神様の値段: 戦力外捜査官2」 感想で「ただ、インターネットの世界が置いてけぼりだったのは個人的には?? でしたが、それは余談」と書いたのを吹き飛ばす設定でした。脱帽。

しかし、設楽&海月コンビは次々と大災害を呼び寄せますねぇ。
次はなんだろうな。
続く
「世界が終わる街:戦力外捜査官」 (河出文庫)
「破壊者の翼 戦力外捜査官」(河出書房新社)
にも期待します!


<蛇足>
設楽を慕う(?)江藤蓮司と海月のやりとりで
「上野動物園に兄貴に似たタテガミオオカミがいるんで、『恭介二号』って名付けて時々挨拶にいってます」(212ページ)
「わたしは、設楽さんはオオカミというより柴犬の方が似ていると」(213ページ)
というのがありますが、設楽って、そういう感じなんですね。
ちょっと表紙絵のイメージとは違いますね(笑)


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