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GOSICK VII -ゴシック・薔薇色の人生- [日本の作家 桜庭一樹]


GOSICK VII ゴシック・薔薇色の人生 (角川文庫)

GOSICK VII ゴシック・薔薇色の人生 (角川文庫)

  • 作者: 桜庭 一樹
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/03/25
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
クリスマス直前の気分に華やぐ聖マルグリット学園。だが、外の世界では「2度目の嵐」が迫りつつあった。父ブロワ侯爵によって首都ソヴレムに召喚されたヴィクトリカ、心配で後を追う一弥。ソヴュール王国最大のスキャンダルにして謎、王妃ココ=ローズの首なし死体事件に挑むふたりに侯爵の謀略が……。豪華劇場に過去と現在が交錯し、大いなる罪が暴かれたとき、世界はその様相を変える。ヴィクトリカと一弥の運命は!?

GOSICK ―ゴシック―
GOSICK II ―ゴシック・その罪は名もなき―
GOSICK III ―ゴシック・青い薔薇の下で―
GOSICK IV ―ゴシック・愚者を代弁せよ―
GOSICK V -ゴシック・ベルゼブブの頭蓋-
GOSICK VI ―ゴシック・仮面舞踏会の夜―
GOSICK VII ―ゴシック・薔薇色の人生―
GOSICK VIII 上 ―ゴシック・神々の黄昏―
GOSICK VIII 下 ―ゴシック・神々の黄昏― (いずれも角川文庫)
と、(番外編を除いて) 8作で完結しているシリーズの7作目。あと少し!
前作「GOSICK VI ―ゴシック・仮面舞踏会の夜―」 (感想ページへのリンクはこちら)を読んでからずいぶん間が開いてしまいました。2017年10月に読んでいます。「GOSICK VI ―ゴシック・仮面舞踏会の夜― 」を読んだのが、2013年7月ですから4年3ヶ月ぶり。

今回は劇場が舞台です。
回想の殺人、といった趣。
ミステリとしてとらえると、おとなしくて内気であると同時に、夜遊びをして奔放という多面性を持った王妃ココ=ローズの首なし死体といったら、そりゃあもう読者が簡単に想定する筋立てがあるわけで、そこをどう処理するかがミステリ作家としての腕の見せ処、となるのですが、この作品はどうかというと、そんなにミステリとして気合を入れておられるわけではないので、あっさりした仕掛けになっているのだろうな...と思いきや、ははぁ、ミステリ作家だとあまり使わないギミックを抛りこんでなかなか楽しい舞台裏を構築されているではないですか。
さらにさらに、王宮で起こった首なし死体事件の、首だけを消し去った方法。こちらは、堂々たるミステリとしての解決ですね。比較的さらっと扱われていますが、なかなか鋭いトリック(?) で、無理はあってもミステリってこういうのがいいんですよ。
犯人の設定にも、物語の雰囲気にもぴったり合っていて、なかなかよいではありませんか。

いよいよ次巻でシリーズ完結。楽しみです(実はもう読んじゃっていますが)。
それにしても
「そりゃあ、退屈だとも! 毎日、死にそうだ!」
「君を危険な目にあわせるよりは、ずっといいのだ。退屈とはすなわち、安全でもあるのだな。いままでは夢にも思いもしなかったことだが」(280ページ)
なんてストレートなセリフをヴィクトリカが一弥に言うようになるとは...

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