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吸血鬼と生きている肖像画 [日本の作家 赤川次郎]

吸血鬼と生きている肖像画 (集英社文庫)

吸血鬼と生きている肖像画 (集英社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/06/21
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
評判の画家に描かせた肖像画が届いた直後、大企業の社長が自殺した。社長室のある八階から飛び下りたのだ。疑惑の肖像画を見たクロロックは、かすかに漂う怪しい匂いをかぎつけた。しかも現場に来た刑事によると、この画家が描いた人間は次々と亡くなっているといい――!? 正義の吸血鬼父娘が、事件に潜む闇を斬る!! 表題作のほか『吸血鬼とお茶を』『鏡を愛した吸血鬼』の2編を収録。


「吸血鬼はお年ごろ」シリーズ 第21弾。
先日感想を書いた最新作「吸血鬼と伝説の名舞台」 (集英社オレンジ文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)が第36弾でしたから、ずいぶん前の作品です。
今回読んだのは今年の6月に出た集英社文庫版で、もともとはコバルト文庫から2003年に出ていたものです。
どうして今頃こんな古い作品を読んだかというと、この作品を2003年当時買い忘れていたのです。
買い忘れていたことに気づいたときにはすでに品切れ状態で、もう読めないかなと思っていたら、集英社文庫からシリーズが2009年から次々と再刊されるようになったので、「吸血鬼と生きている肖像画」の番が来るのを待ち望んでいました。

「吸血鬼とお茶を」
「吸血鬼と生きている肖像画」
「鏡を愛した吸血鬼」
の3編収録の短編集です。

昔の作品なので、きちんと(?) 怪異が描かれていますね。

「吸血鬼とお茶を」に出てくる怪異、ちょっと怪しいですね。
ネタバレをしてはいけないのではっきりかけないですが、作中に書かれているような仕掛け(?) だけでは到底数多くの人を騙せないような気がします。もっともこの世ならぬものが関与していた、ということならOKかもしれませんが。

気になったのは表題作「吸血鬼と生きている肖像画」のラスト。
事態を引き起こした張本人が前向きになった幕を閉じる、というのはどうなんでしょうね。そのせいで人も死んでいるというのに...

「鏡を愛した吸血鬼」は、吸血鬼が鏡を愛す? とちょっと興味を惹くタイトルになっていますが、実際には鏡をめぐる怪異ではあっても吸血鬼が出てくるわけではありません(クロロックとエリカを除いで)。
要するところ、
「鏡には人の思いが込められている。――姿だけではなく、心も映し出すのだ」(212ページ)
ということですね(と要約してしまっては小説を読む意味がありませんが...)


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