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灰色のパラダイス: 杉原爽香〈45歳の冬〉 [日本の作家 赤川次郎]

灰色のパラダイス: 杉原爽香〈45歳の冬〉 (光文社文庫)

灰色のパラダイス: 杉原爽香〈45歳の冬〉 (光文社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2018/09/11
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
大晦日に開かれるクラシック・コンサートの手伝いをすることとなった杉原爽香。準備が着々と進む中、思いがけず誘拐事件の渦中に巻き込まれてしまった。犯罪の片棒を担ぐ者や、愛息を奪われた夫妻。悲劇の当事者たちはさらなる泥沼にはまっていき……。爽香は相次ぐ事件の連鎖を断ち切ることができるか!? 読者と共に登場人物が年齢を重ねる大人気シリーズ第31弾!


この感想を書こうとして初めて気づいたのですが、シリーズ前作「牡丹色のウエストポーチ: 杉原爽香〈44歳の春〉」 (光文社文庫)を読んでいませんでした......我ながらボケが進んでいますね。
しかも、「牡丹色のウエストポーチ: 杉原爽香〈44歳の春〉」、日本において来てしまってロンドンに持ってきていません。しばらく読めない......

ということで、前々作「栗色のスカーフ: 杉原爽香(43歳の秋)」 (光文社文庫)(感想ページへのリンクはこちら)以来の爽香シリーズです。

今回は、大晦日に開かれるジルベスター・コンサートが設定されており、そこ目がけていろいろな登場人物の思惑や出来事が交錯する、という仕掛けになっています。
こういう手法、赤川次郎お得意のものですので、安定した仕上がりになっていましたね。

今回個人的に強く惹かれてたのは、誘拐事件ですね。
誘拐ミステリは数々あれど、この「灰色のパラダイス: 杉原爽香〈45歳の冬〉」で展開されるアイデアは新機軸なんじゃないかなぁ、と思ったからです。
その後の顛末は馬鹿馬鹿しい次第でしたが......悲劇的ではありますが、あまりにも頭が悪いので少々がっかり。でもそうでないと、物語が転がっていかない??
このアイデア、別の作家がじっくり練り上げたらおもしろいのではないかな、と思えました。


<蛇足>
シリーズの登場人物である荻原里美から、爽香が仲人を頼まれるシーンがあるのですが(179ページ)、仲人を設定する結婚式(披露宴)は最近珍しいな、と思いました。
爽香たちの業界では、今でも仲人を置くのが多数なんでしょうか?
もっとも、爽香たち登場人物は1作ごとに歳を取っていくという特殊な設定になっている(それが売りのシリーズです)ものの、作中の年代が明示されていませんので(と思います)、一見今を舞台にしているように思えても、仲人が一般的だった時代が設定になっているのかもしれませんが......




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