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花嫁は迷路をめぐる [日本の作家 赤川次郎]

花嫁は迷路をめぐる (ジョイ・ノベルス)

花嫁は迷路をめぐる (ジョイ・ノベルス)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2019/01/31
  • メディア: 新書


<カバー裏あらすじ>
上京者と消えた大金
騒動は迷路のように入り組んでいく!
母を亡くした片桐とも子は、姉の早苗を訪ねて上京する。土地勘がなく困っていると、女子大生・塚川亜由美に声をかけられて道案内してもらうことに。ようやく会えた早苗だったが、とも子を見てとても驚いた。姉妹の田舎の村役場に勤める林竜太から、とも子は火事で焼け死んだという手紙をもらっていたからだ。嘘をついた竜太も上京、同時に村役場から2000万円が盗まれ――!? 大人気シリーズ第32弾! 表題作ほか「花嫁たちのメロドラマ」収録

花嫁シリーズも32作目です。
毎年年末に新刊が出ていたシリーズだったのですが、前作「花嫁をガードせよ!」 (ジョイ・ノベルス)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)が2017年12月に出たあと、2018年12月ではなく2019年の1月にこの「花嫁は迷路をめぐる」 (ジョイ・ノベルス)が出ました。

表題作「花嫁は迷路をめぐる」と「花嫁たちのメロドラマ」の2話収録。
どちらも、ドタバタ喜劇(喜劇、と言ってしまっては登場人物たちが可哀そうかもしれませんが)絶好調という感じですね。

「花嫁は迷路をめぐる」はいかにも赤川次郎らしい作品でして、上京してモデルをしている姉、姉を頼って田舎から東京へ出る妹、その妹に思いを寄せて田舎の村役場を逃げ出し東京へいく男、その男のことが好きで東京までついていってしまう女。村役場を舞台に二千万円の横領事件があって、市長やその家族が絡む。市長はそっくりな替え玉を用意し......
安易といえば安易な展開を見せますが、短い中で多くの登場人物の思惑を捌くのはさすがですね。

「花嫁たちのメロドラマ」では、銃撃事件(という言い方は、実際に起こったことと比べると大袈裟ですが)が起こって、誰がやったのか明白でも逮捕もせず、差し当りは放っておくという処置を警察がとっていて唖然としますが、まあ、そういうノリのお話だということですね。
ラストもまあ、見事なまでの力の抜け具合ですし。

亜由美が、息子の嫁にと、ヤクザの女組長に見込まれるシーンがあるのですが、
「私には付き合っている男性が」と亜由美が断ろうとしても、あっさり
「別れていただけば済むことでしょ」と返してくるのが傑作でした。

とはいえ、亜由美の付き合っている男性である、谷山准教授、このところ出て来ませんね。
次あたりで大活躍してくれると嬉しいのですが。





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