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四つの署名 [海外の作家 た行]

四つの署名 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

四つの署名 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/01/11
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
月刊誌連載の前に書かれた長編第二作。事件のない退屈をコカイン注射で紛らすホームズという、ショッキングな幕開けから、ホームズの語る“推理の科学”そしてメアリ・モースタン嬢の持ち込む不思議な事件へと、物語は興味深い展開をみせる。ベイカー街不正規隊の活躍、依頼人に惚れてしまうワトスン、アグラの財宝にまつわる話など、面白み満載。


ホームズ物を大人物で読み直している第2弾。
今回は、「四つの署名」 (光文社文庫)です。


「いままで何度も言ってきたじゃないか。ありえないものをひとつひとつ消していけば、残ったものが、どんなにありそうなことでなくても、真実であるはずだって。」(75ページ)
という有名なセリフが出てきて満足(笑)。
この有名なセリフ、ここが初出なのでしょうか? 
「緋色の研究」 (光文社文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)には出てこなかったような。

あと、ベーカー街不正規隊(イレギュラーズ)もこの作品でイレギュラーズと呼ばれるようになっていますね。

「緋色の研究」感想にも書きましたが、ホームズの推理は結構強引ですね。
ワトソンが
「ホームズの推理に、どこか重大な欠陥があったのではないだろうか。何かとんでもない思い違いをしているということはないだろうか。どんなに頭の回転が速くて理性的な人間でも、まちがった前提に立って的はずれな推理をでっちあげてしまうことがあるのではなかろうか。これまで、ホームズがまちがっていたためしはないのだが、どんなに頭の切れる理論家でもときには思いちがいをすることだってあるのではないか。わざわざ好んで、手近の単純な説明よりも複雑で奇妙な説明のほうを選んで、必要以上に論理の筋を通そうとするあまり、あえって誤ってしまうこともあるのではなかろうか。」(133ぺページ)
と、かなり長く心配するシーンがあるのですが、ホームズの実績を知らなければ同じように感じるところですね。
推理の強引さとストーリー展開のこのあたりの微妙なバランスが、このシリーズの素晴らしいところなのでは、とも思いました。

また、「緋色の研究」に続いて、この「四つの署名」 (光文社文庫)もミステリ、謎解きとしてというよりも、物語性が強いことに驚きました。

ワトソンも奥さんを首尾よく手に入れますし、シリーズとしていろいろと意義深い作品だったのだのだなぁ、と思いました。

原書刊行順に読もうと思っているので、次は「シャーロック・ホームズの冒険」 (光文社文庫)です。
楽しみ。




原題:The sign of Four
作者:Arthur Conan Doyle
刊行:1890年(原書刊行年は解説から)
訳者:日暮雅通







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