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ヴィーナスは天使にあらず 天使と悪魔 9 [日本の作家 赤川次郎]

ヴィーナスは天使にあらず 天使と悪魔 9

ヴィーナスは天使にあらず 天使と悪魔 9

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/08/30
  • メディア: 単行本



「天使にかける橋」 (角川文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)以来となる、「天使と悪魔」シリーズです。シリーズ第9作。
かなり久しぶりですね。
「天使にかける橋」が出たのが2013年10月。この「ヴィーナスは天使にあらず 天使と悪魔 9」が出たのが2019年8月でしたから、およそ6年ぶりですか。
出版形態も新書サイズから、単行本に変わっています。KADOKAWA NOVELS やめちゃったのかな?

短編集で、裏側の帯に各話の簡単なあらすじがついています。

美術館で高名な画家に出会ったマリは、“ヴィーナス”としてスカウトされモデルを引き受けることになり―― 「ヴィーナスは天使にあらず」
ポチたちが偶然入ったのは、新婚夫婦の住むマンション。そこでは夫婦間の殺人が起きていた場所だった。 「別れ話は黄昏に」
ドラマの水死体の役をやることになったマリは、水底に沈む本物の死体を見付けてしまう。 「天使の身替りをさがして」
動物病院でポチを助けてくれたのは、広告代理店社員の男性。二人はある女性を巡って邪な謀略を働いていて―― 「長いライバル」
鰻重を巡って陸上の日本チャンピオンとかけっこをすることになったマリ。勝負の後、突然男が倒れてしまう。 「失われた王者」
無賃乗車で捕まったところを、親切な町長に助けられた二人。その町では少女の「いけにえ」を探していて―― 「悪魔が夜来る」

帯には「キュートな」という形容詞が使われていますが、まさにキュートなシリーズです。
主人公である天使がキュートというのもあるのですが、「天使にかける橋」感想にも書きましたが、窮地に陥ったヒロインが、ちゃんと人の善意に支えられて、切り抜けていく枠組みがキュートです。
しっかりとしたこの「ぬるさ」「ゆるさ」に浸る心地よさを味わうのがこのシリーズですね。

なかなか新刊の出ないシリーズですが、次作にも期待します。
今度はまた、長編を読んでみたいですね。


<蛇足>
「当り前でしょ。旦那が暴行罪で逮捕されてちゃね」
~略~ もし、あかりを傷つけていたら「殺人未遂」になるところだ。(78ページ)
うーん、暴行罪と殺人未遂の適用、区別って、こういう感じでしたか?




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