SSブログ

憂国のモリアーティ 9 [コミック 三好輝]


憂国のモリアーティ 9 (ジャンプコミックス)

憂国のモリアーティ 9 (ジャンプコミックス)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/07/04
  • メディア: コミック

<カバー裏あらすじ>
犯罪卿の過去それは禁断の果実──
“ジャック・ザ・リッパー事件”を仕組んだ張本人、大英帝国一のメディア王・ミルヴァートン。
事件以来、ウィリアムを警戒しその周辺を探っていた彼は、貧民街の“とある少年”が貴族相手に起こした、“裁判”へとたどり着く…。
ウィリアムとルイスの過去の記録が今、解き明かされる──。


シリーズ第9巻。
表紙は、フレッドですね。このキャラクター好きなので、今回の表紙はうれしいですね。

#32 モリアーティ家の休日 (The Tea Party)
#33、34 ロンドンの証人 第一幕、第二幕(The Merchant of London Act1, Act2)
#35 ロンドンの騎士 第一幕(The White Knight of London Act 1) 
を収録。

「モリアーティ家の休日」は、週末屋敷でティーパーティを開かないといけなくなってしまったモリアーティ家を描きます。
見目麗しい男性の揃うモリアーティ家を訪れ、口説く(?)チャンスと張り切るご令嬢たちをどう捌くか、というのがテーマです。
モリアーティ家の打ち合わせで「皆一丸となり力を合わせ…この難局を必ず乗り越えなければならない……」って、そんな大層な話ですか!? まあ、社交界のための会など、大層には違いないけど。

「ロンドンの証人」は、英文タイトルが「The Merchant of London」であることからわかりますとおり、「ヴェニスの商人」の本歌取りですね。
英文タイトルと違って、日本語タイトルが「証人」になっているのもおもしろい。
「肉を1ポンド切り取る際には一滴の血を流す事も認められない」という、あの「ヴェニスの商人」に出てくる、世界で一番有名な裁判をひっくり返そうというのですから、気宇壮大です。おもしろい。
ちゃんとひっくり返しています。
この作品のポイントとなる点については、いままで読んだこと、観たことないのですが、おもしろい着眼点で、立派ですね。
ただ、あえて難点を挙げておくと(ネタバレですので、伏字にします)、舞台はイギリスですから、人体の肉は "flesh" で、たしかに動物の肉も "flesh" と言いますが、レストランで肉を注文する際に "flesh" という単語は使わないと思いますので、英語で論証がきちんと成立するかどうか微妙かもしれません。日本語ならではの論証ということになるでしょうか。
この裁判は、若き頃、というか幼い頃のウィリアムとルイスの起こした裁判で、モリアーティたちに疑いを抱いたメディア王・ミルヴァートンが、その記録に探りを入れます。
切り裂きジャック事件で図らずも対決したミルヴァートンとモリアーティたちですが、いよいよ本格的な対決の幕開きとなるようです。

「ロンドンの騎士」は「憂国のモリアーティ 10」 (ジャンプコミックス)に続きますので、感想はまとめてそちらで、と考えていますが、平等実現を目指す下院議員ホワイトリーが登場します。
手段は違えど、モリアーティたちと志が同じ、というわけで、お手並み拝見。
もちろん、ミルヴァートンも逆の立場で絡んできそうです。
楽しみです。







nice!(21)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 21

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。