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トワイライト博物館 [日本の作家 初野晴]


トワイライト博物館 (講談社文庫)

トワイライト博物館 (講談社文庫)

  • 作者: 初野 晴
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/12/13
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
大伯父が遺した博物館は、時間旅行の秘密の実験場だった。天涯孤独になった勇介は、過去を彷徨う大切な人の魂を救うため、危険な旅路に出る。パートナーは青い瞳の不思議な学芸員枇杷。「命綱」は固くつないだ手。この手が離れれば二度と現代には戻れない。過酷な旅が今、始まる。新感覚ミステリー長編!


初野晴というと、ハルチカ・シリーズという印象が強くなっているのでは、と思いますが、デビュー作で横溝正史賞受賞作である「水の時計」 (角川文庫)「漆黒の王子」 (角川文庫)(感想ページはこちら)、「1/2の騎士」(講談社文庫)(感想ページはこちら)といったシリーズ外の作品は、ハルチカ・シリーズとはまったく違ったテイストの作品群になっています。
この「トワイライト博物館」 (講談社文庫)も、現実世界とファンタジックな世界を結びつけて、ファンタジーとミステリーを融合させたような世界観、シリーズ外の系列になります。

主人公は養護施設で育った十四歳の少年・勇介。
大伯父に引き取られたものの、その大伯父が死んでしまい、大伯父が働いていた「暁埜(あかつきの)博物館」に関与することに。
そこで、タイムトラベル装置で過去=中世のイングランドに旅立ち、魔女狩りと対決することに。

なんだか古き良き冒険譚を読んでいるような趣です。
同時に、初野晴らしく、扱われている題材は非常に重いものです。

ファンタジーっぽい部分は、その種の作品を読み慣れていないせいか、少々物足りなく思いました(若干、予定調和的というと叱られるでしょう?)が、ファンタジーファンの方はどう受け止められるのでしょうね?
重い題材の部分は、救いのあるラストで読後感をよくしてくれています。なにより信じることの大切さが語られていますから。

この種の作風、非常に貴重なので、今後もこういったテイストの作品を書き続けてほしいです。


<蛇足>
この本、会社の福利厚生制度に乗っかって、日本から送ってもらおうとしたのですが、品切。
Amazonで検索しても品切。
日本にいるときによく使っていた、honto というHPでジュンク堂・丸善の在庫を検索したら、店頭在庫はあるようだったので、一時帰国の際に喜び勇んでその店舗へ行ったのですが見つからず(honto で在庫あり、となっていても、実際の店頭にないことはままあります)。
紀伊国屋、三省堂にもなかったのであきらめかけていたところ、立ち寄った東京駅前の八重洲ブックセンターで発見!!
よかったぁ。
電子書籍の導入を考えたほうがいいかなぁ? と思いますが、紙ベースの本に愛着があるんですよね......





タグ:初野晴
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