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神はいつ問われるのか? [日本の作家 森博嗣]


神はいつ問われるのか? When Will God be Questioned? (講談社タイガ)

神はいつ問われるのか? When Will God be Questioned? (講談社タイガ)

  • 作者: 森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/10/23
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
アリス・ワールドという仮想空間で起きた突然のシステムダウン。ヴァーチャルに依存する利用者たちは、強制ログアウト後、自殺を図ったり、躰に不調を訴えたりと、社会問題に発展する。仮想空間を司る人工知能との対話者として選ばれたグアトは、パートナのロジと共に仮想空間へ赴く。そこで彼らを待っていたのは、熊のぬいぐるみを手にしたアリスという名の少女だった。


森博嗣の新しいシリーズ、WWシリーズの、「それでもデミアンは一人なのか?」 (講談社タイガ)(感想ページはこちら)に続く第2作です。

いつも一筋縄ではいかないのですが、今回のタイトル、難しいですね。
「神はいつ問われるのか?」 When Will God be Questioned? (講談社タイガ)
ぱっと見て、神様はいつお尋ねになるのか? ご質問されるのか? という意味かなと思ったのですが、英語タイトルを見ると、逆ですね。神様はいつ疑問視、問題視されるのか? という意味になっています。おもしろそう。

もともと、真賀田四季が構築した(んですよね?)コンピュータが高度に発達した世界を舞台にしていますが、今回は、さらに仮想空間が出てきます。
虚か実かという議論が、さらに進んで、神と対座するレベルにまで至った、ということでしょうか。
もっとも、真賀田四季が神のような気もしますが(笑)。
エピローグでグアトとロジが交わす会話が、一周回ってドンって感じで、非常に単純な会話になっているのがポイントなのかもしれません。

しかし、Wシリーズのときと比べると、グアトとロジの距離感が大きく異なっている気がします。特に、グアトサイド。
ロジはあまり変わっていないように思えるのですが......
「ロジは、黙って僕を見た。ジョークを全反射する技である。」(20ページ)
という定番の?シーンもありますし。

ロジと言えば、車好き(運転好き?)だったんですね。
それが知れて、楽しかったです。

最後に
「宇宙の最後ってやつは、もうわかっている。眠くなって、寝るだけ」(281ページ)
いいこと言いますね、グアト(笑)。


Wシリーズのように英語タイトルと章題も記録しておきます。
When Will God be Questioned?
第1章 楽園はいつ消えるのか? When will Paradise disappear?
第2章 人はいつ絶滅するのか? When will mankind disappear?
第3章 世界はいつ消滅するのか? When will the world disappear?
第4章 神はそれらよりもさきか? Will God disappear before them?
今回引用されているのは、カート ヴォネガットジュニア「スローターハウス5」 (ハヤカワ文庫SF)です。



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