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しのぶセンセにサヨナラ [日本の作家 東野圭吾]


新装版 しのぶセンセにサヨナラ (講談社文庫)

新装版 しのぶセンセにサヨナラ (講談社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/12/15
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
休職中の教師、竹内しのぶ。秘書としてスカウトされた会社で社員の死亡事故が発生。自殺にしては不自然だが、他殺としたら密室殺人。かつての教え子たちと再び探偵ごっこを繰り広げるしのぶは、社員たちの不審な行動に目をつける。この会社には重大な秘密が隠されている。浪花少年探偵団シリーズ第二弾。


東野圭吾といえば日本を代表する売れっ子作家で、出せばベストセラーとなりますが、昔はそうじゃなかった。(この「しのぶセンセにサヨナラ」 (講談社文庫)の、西上心太による解説は隔世の感があります)
デビュー作である江戸川乱歩賞受賞作「放課後」 (講談社文庫)を単行本で買ってからは、ずっと追いかけていました。
こちらの購買力の関係で、単行本で買ったものは少ないのですが、文庫になれば必ず。
ところがこの「しのぶセンセにサヨナラ」 (講談社文庫)は買い逃しておりまして、未読状態。気づいたときは品切れで悔しい思いをしていました。
さらに2011年に新装版が出ていたことにも気づいておらず。先日たまたま新装版の存在を知りさっそく購入、今に至ります。
よかった。気づいて。
読むペースがちっとも追い付いていませんが、これで小説完全読破の道が拓けました。

「浪花少年探偵団 」(講談社文庫)の続刊で、
「しのぶセンセは勉強中」
「しのぶセンセは暴走族」
「しのぶセンセの上京」
「しのぶセンセは入院中」
「しのぶセンセの引っ越し」
「しのぶセンセの復活」
6編収録の短編集です。

まあ、いずれも軽く仕上げられていますが、そこはさすが東野圭吾、ミステリらしい仕掛けはきちんと盛り込んであります。
また、小学校の先生(いまは休職して大学で勉強中ですが)が事件に巻き込まれる段取りも、いろいろなパターンを用意しています。

あとがきで「作者自身が、この世界に留まっていられなくなったから」と書いているように、今の東野圭吾なら、同じアイデアでももっと違ったアレンジの作品になるんだろうな、と思えるところが多々あるのも、今読めば読みどころなのかもしれません。

とはいえ、大人になった教え子たちが、ややこしい揉め事を持ち込んでくる、という話、読んでみたい気がしますね。


<蛇足>
「盗犯等防止法の一条に正当防衛の特則というのがある。盗みが目的で侵入してきた者を、恐怖や驚きのあまり殺傷してしまっても罪に問われないというものだ。」(264ページ)
ミステリ好きとしては情けないことに、盗犯等防止法のこの規定知りませんでした。
ミステリの題材にしやすそうなのに、あんまり読んだ記憶がないのは、こちらがぼけているんでしょうね......




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