すったもんだのステファニー [海外の作家 ま行]
すったもんだのステファニー―三毛猫ウィンキー&ジェーン〈3〉 (ヴィレッジブックス)
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2021/04/10
- メディア: 文庫
<カバー裏あらすじ>
ジェーンは、わがままな作家と狡猾な編集者の相手に、毎日へとへと。でももうすぐ久しぶりの休暇!とうきうきしていたところへ突然、亡夫のいとこステファニーから家に泊めてほしいと連絡がきた。ステファニーは、東洋のグレース・ケリーといも言われた元アナンダ王国王妃フェイスが経営する出版社を手伝いに来たという。勝手気ままで、辛辣なステファニーに振り回されっぱなしのジェーン一家。やがてジェーンは気づく。彼女がらみのすったもんだが、それだけではないことを……。そして愛猫ウィンキーにもなにやら重大な変化が――。ウィンキー&ジェーンのおかしな事件簿、好評第3弾!。
「迷子のマーリーン―三毛猫ウィンキー&ジェーン〈1〉」 (ヴィレッジブックス)
「春を待つハンナ―三毛猫ウィンキー&ジェーン〈2〉」 (ヴィレッジブックス)
に続くシリーズ第三弾です。
いわゆるコージー・ミステリで、手に職持つシングルマザー(この場合は死別)が謎解きに乗り出す、というパターンです。
「奥さまのいとこですよ、あの意地の悪いステファニーさん! あの人がこの町に来てから、恐ろしいことが立て続けに起こるようになった。あの人は災いのもとです--こんなこと言いたくありませんけど、でも本当のことです。あの人はこの町に来ちゃいけなかったんです!」(225ページ)
と、家政婦のフローレンスにいわれちゃう、亡き夫のいとこ、ステファニーがかき回していきます。
町で起こる窃盗騒ぎと、ステファニーの就職先の不穏な状況、この二つがメインの謎で、ドタバタしてるうちに解けていくのが、コージーならでは。
わりとよくある設定で、よくある着地を見せる点を不満に思う方もいらっしゃるとは思いますが、そこが心地よいんですよね、コージーの場合は。
このシリーズ、ミステリ的には定石通りで手堅くて、登場人物が楽しく、コージーとしてはお気に入りだったんですが、この「すったもんだのステファニー」 (ヴィレッジブックス)のあと翻訳が途絶えているのが残念です。
続き、訳してくれないかな?
原題:Stabbling Stephanie
作者:Evan Marshall
刊行:2001年
翻訳:高橋恭美子
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