霧にたたずむ花嫁 [日本の作家 赤川次郎]
<カバー裏あらすじ>
花嫁をつけ狙うのは誰──
亜由美の恋の行方は?
霧の中、家路を辿っていた仲間朋代は不穏な気配を感じ、逃げようとする。もうダメだと思った瞬間、偶然いあわせた亜由美の恋人、谷山によって助けられる。これをきっかけに朋代と谷山は急接近し、なんと結婚することに。失恋した亜由美は傷を癒そうと旅に出るが、そこでもトラブルに巻き込まれ──。
花嫁シリーズ第34弾。表題作のほか「カリスマ花嫁の誇り」収録。
2021年8月に読んだ最後の本です。
花嫁シリーズ34作目。
「カリスマ花嫁の誇り」と表題作「霧にたたずむ花嫁」の2話収録。
「カリスマ花嫁の誇り」は、島を所有する金持ちの館で起こる事件ですが、いわゆるお屋敷もの風展開にはならず(そんな枚数もありませんし)、当主の誕生パーティにいろいろな面々が集って事件が起こるという、いつもの赤川次郎作品です。
ただ、いつもより、金持ち連中にそそぐ作者のまなざしは柔らかいような。
「霧にたたずむ花嫁」は、亜由美を捨てて谷山先生が結婚してしまうという、シリーズにとっての超一大事発生です。
このところ出てこないなぁと思っていたら、こんな登場の仕方をするとは、谷山~。
もちろん、そんな結婚話は一筋縄ではいかないのですが。
今後どうなっちゃうのでしょうか?
<蛇足1>
「犬の名探偵か? 猫なら聞いたことがあるけどな。」(30ページ)
言わずと知れた、三毛猫ホームズを念頭においていますね。
ドン・ファンが聞きつけて、気を悪くしないといいのですが(笑)。
あと、迷犬ルパン(by 辻真先)もお忘れなく、ですよ。
<蛇足2>
「まだ熱くて、やっと持てるくらいのクロワッサンを一口食べて、生田綾子は声を上げた。」(144ページ)
「焼きたてのクロワッサンのおいしさが分るようなら、もう死ぬ気はなくなったのだろう。」(145ページ)
生きるという実感はこんなところから始まるのかもしれませんね。
しかし、やっと持てるくらい熱いクロワッサンがホテルの朝食で出るとは......
<蛇足3>
「でも、事情が事情ですもの、警察だって分ってくれますよ。」(183ページ)
赤川次郎には珍しく、物わかりのよい警察が引き合いに出されています。
古い記事をベースに書いていたので、元の記事が残っていました。
削除しました。失礼しました。
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