スーパー・ゼロ [日本の作家 な行]
<カバー裏あらすじ>
その戦闘機には死角が存在しない。脳に直接アクセスする電子装置を兵器に運用しようとする危険な野望。米空軍の暴走を阻止すべくチーム・ゼロのメンバーが再集結するが、作戦を実行できるのはあの男しかいない。日本で唯一の撃墜マークを持つパイロット、那須野治朗。人智を超えたシステムを相手に、伝説の戦闘機乗りは賭けに出る。脳科学の進化を四半世紀前に予見していた伝説の航空小説第3弾。
2021年10月に読んだ3冊目です。
鳴海章の
復刊されたゼロ・シリーズ第3弾。
「ゼロと呼ばれた男」 (集英社文庫)(感想ページはこちら)
「ネオ・ゼロ」 (集英社文庫)(感想ページはこちら)
に続く作品です。
前作「ネオ・ゼロ」に盛り込まれた先端技術をさらにさらに推し進めたような技術が登場します。
新しい零戦だったネオ・セロをさらに進めるから、スーパー・ゼロなのでしょうが、こちらは米軍のもの。
それにどう対抗していくのか、という物語。
ちょっと那須野が超人すぎるきらいがありますが、そうでなくては物語が成立しないでしょうし、そこはOKでしょう。
気になったのは、この技術を開発する科学者シンシアのパートにそれなりに筆が割かれていること。
これはこれで有意義なパートで面白く読めるのですが、航空機乗りの活躍で血湧き肉躍るゼロ・シリーズという文脈からは一歩ずれたところで物語が進展していくので、気になります。
そのせいか、ページ数も増えてきたような。
これがエンターテイメントの成熟というものでしょうか。
次の「ファイナル・ゼロ」 (集英社文庫)が復刊された四部作のラストです。
楽しみです。
<蛇足>
「脳に直接電気刺激ですか?」バーンズはうなった。「あまりぞっとしないな」(19ページ)
「ぞっとしない」、ここではどういう意味で使われているのでしょう?
世間的に「ぞっとする」という意味で使われることもあるようですが、もともと「おもしろくない」あるいは「感心しない」という意味なのですが。
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