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垂里冴子のお見合いと推理 vol.3 [日本の作家 山口雅也]


垂里冴子のお見合いと推理 vol.3 (講談社文庫)

垂里冴子のお見合いと推理 vol.3 (講談社文庫)

  • 作者: 山口 雅也
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/08/09
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
垂里家最大の懸案事項。それは長女・冴子の結婚問題。小説家志望で毎日原稿ばかり書いている彼女に、次々と縁談が舞い込む。ところが、なぜかお見合いするたびに事件に巻き込まれて、謎を解くはめに――。本格ミステリーからエンターテインメントまで硬軟自在の名手、山口雅也の腕が冴えわたる連作小説!


2021年11月に読んだ3冊目の本です。
「垂里冴子のお見合いと推理」 (講談社文庫)
「続・垂里冴子のお見合いと推理」 (講談社文庫)
に続くシリーズ第3作。
いきおくれ(失礼)を回避すべくお見合いを繰り返す長女垂里冴子が、見合いのたびに事件に遭遇するというフォーマットのシリーズです。

第一部 見合い相手は水も滴る〇✕△?
第二部 神は寝ている猿
の二部構成の連作集です。

「見合い相手は水も滴る〇✕△?」の見合い場所が水族館という異色作(?)で、外交問題にも発展しかねない事件を冴子がお得意の推理で解決します。
ネックレスの行方は読者の想定範囲内ではないかと思うのですが、そこからのひねりがさすがです。

「神は寝ている猿」は、お見合い相手が!
解説ではあっさり明かされていますが、伏せておく方がいいような気がしますので、字の色を変えておきますが、お相手はトーキョー・サム!!。
ということで非常に感想が描きにくいので、1点だけ。
ダイイング・メッセージを扱っています。
ダイイング・メッセージは楽しいのですが、同時に難しい。
というのも、ダイイング・メッセージはまるで推理クイズみたいになってしまいがちなうえに、解釈もこじつけっぽいのが多いんですよね。
この作品は、中途半端に日本語をかじっている外国人を登場させたところがミソ。
ダイイング・メッセージが陥りやすい点を巧妙に緩和していて、さすが山口雅也。引用したあらすじにも「硬軟自在の名手」と書かれている通りでして、高品質の謎解きミステリを展開してくれています。

このあと、このシリーズは出ていないようですが、またどこかで垂里冴子には会えるんじゃないかなあ。会えることを期待しています。



<蛇足>
「ステージ端の若い男の司会者がMC(マイクセレモニー)を始めた。」(55ページ)
水族館を舞台にしたイベントのシーンですが、MCにマイクセレモニーとルビが振ってあります。
通常MCといえば、Master of Ceremony、つまり司会者のことですが、司会の行為そのものもこういう言い方でMCというのですね。










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