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義経号、北溟を疾る [日本の作家 た行]


義経号、北溟を疾る (徳間文庫)

義経号、北溟を疾る (徳間文庫)

  • 作者: 真先, 辻
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/06/02
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
明治天皇が北海道に行幸し、義経号に乗車する。だが、北海道大開拓使・黒田清隆に恨みをもつ屯田兵が列車妨害を企てていた。探索に放った諜者は謎の死を遂げた。警視総監は元新撰組三番隊長斎藤一こと藤田五郎に探索方を依頼。藤田に従うのは清水次郎長の子分、法印大五郎。札幌入りした二人は、不平屯田兵の妻が黒田に乱暴され首吊り死体となった事件を探る。書下し長篇歴史冒険推理。


2021年12月に読んだ最初の本です。

冒頭いきなり登場する人物たちの豪華さにくらくらします。
勝海舟、樺山資紀、山本長五郎(清水次郎長)、そして藤田五郎巡査(もと新撰組三番隊長斎藤一)。
そこで藤田巡査が告げられる任務が、明治天皇の北海道行幸のお召列車を守るというもの。
同時に、北海道大開拓使の黒田清隆が士族の妻を犯して殺害したという噂の真偽をつきとめよ、と。
このあたりの小気味よいやりとりから、もうすっかり作品世界に引き込まれてしまいます。

明治初期の北海道を舞台に、当時最新鋭の汽車が北海道を走る。しかも明治天皇を乗せて!というロマンだけですごいのに、冒険活劇でなおかつ本格謎解きまで。
非常に贅沢な作品です。

しかもその二つが混然一体となって展開し、本格謎解きの真相解明シーンがとても劇的でしびれます。
一種の不可能犯罪がこのような緊迫感をもって解かれる本格ミステリは珍しいのではないでしょうか。
辻真先は作品数が非常に多いですが、趣向が凝らされている作品も多く、ぜひもっともっと読まれてほしいです。



タグ:辻真先
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