イン・ザ・ブラッド [海外の作家 か行]
<裏表紙あらすじ>
刑事カーソンが漂流するボートから救い出した赤ん坊は、謎の勢力に狙われていた。収容先の病院には怪しい男たちによる襲撃が相次いだ。一方で続発する怪事件――銛で腹を刺された男の死体、倒錯プレイの最中に変死した極右の説教師……。すべてをつなぐ衝撃の真相とは? 緻密な伏線とあざやかなドンデン返しを仕掛けたシリーズ第五弾。
2021年12月に読んだ5冊目の本です。
「百番目の男」 (文春文庫)、
「デス・コレクターズ」 (文春文庫)(感想ページはこちら)
「毒蛇の園」 (文春文庫)(感想ページはこちら)
「ブラッド・ブラザー」 (文春文庫) (感想ページはこちら)
に続くカーソン・ライダーシリーズ第4弾。
「このミステリーがすごい! 2014年版」第7位。
週刊文春ミステリーベスト10 第8位。
「2014本格ミステリ・ベスト10」第3位
と相変わらず好位置をキープしています。
これまでの兄ジェレミー・リッジクリフとの対決も一区切りで、リラックスモードの僕カーソンと相棒ハリーだったのがいきなり赤ん坊を保護することになり、するすると事件が大きくなっていきます。
絡むのは人種差別的な極右の説教師が倒錯プレイの最中死亡したように見える事件。
人種差別的でカルトチックな、となるとミステリ的にはある種単純な連想が働いてしまうのですが、ジャック・カーリイはそれより先、複雑で壮大な真相をちゃんと提示してくれます。さすが。
シリーズはこのあと
「髑髏の檻」 (文春文庫)
「キリング・ゲーム」 (文春文庫)
と出て、そのあと翻訳が出ていませんが、期待して待っています!
(↑ いや、その前に自分が積読を消化せよ)
<蛇足>
「丸々とした黒人男性で大きく眠たげな目、八角形の眼鏡、髪のない脳天と同じくらいに輝く笑みをいつでも浮かべている。」(191ページ)
八角形の眼鏡ってどんなのでしょうね?
原題:In the Blood
著者:Jack Kerley
刊行:2008
訳者:三角和代
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