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祈りの幕が下りる時 [日本の作家 東野圭吾]


祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)

祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: ペーパーバック

<カバー裏あらすじ>
明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。捜査を担当する松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることに加賀恭一郎は激しく動揺する。それは孤独死した彼の母に繋がっていた。シリーズ最大の謎が決着する。吉川英治文学賞受賞作。


2021年12月に読んだ8冊目の本です。
「このミステリーがすごい! 2014年版」第10位、2013年週刊文春ミステリーベスト10 第2位です。

前作「麒麟の翼」 (講談社文庫)の感想を書けていないので、加賀恭一郎の登場する作品としては「新参者」 (講談社文庫)(感想ページはこちら)以来の感想です。

今回は、加賀恭一郎自身の事件、とでも言うべき事件を扱っています。
このパターンの物語の場合、真相の意外性の持つ重要度は下がります。
意外な真相よりは、主人公の来し方だったり気持ちだったりがビビッドに伝わってくることの方が重要だからです。
その意味ではこの作品も、他の東野圭吾作品と比べると意外性は低めです。

意外性は低くても十分楽しく読めます。
ネタバレになりそうですが、読んでいる間のワクワクは、倒叙物に近いといえば雰囲気が伝わるでしょうか?
この作品は、キーとなる脚本家・演出家を松嶋菜々子が演じて映画化もされています。(加賀は、当然阿部寛です) 
この脚本家・演出家角倉博美のパートと、加賀恭一郎のパートが絡み合うプロットが、さすが東野圭吾ですね。

充実した読書体験ができました。


<蛇足>
「厚子の生き様など知りたくはないが」(352ページ)
いつも異を唱える「生き様」ですが、さすが東野圭吾というべきか、ここではまさに「生き様」と呼びたくなるような場所で「生き様」という語が使われています。
こうでなければ!

<2022.8.26>
タイトルが間違っていましたので修正しました。



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