SSブログ

夜ごとの才女 怪異名所巡り 11 [日本の作家 赤川次郎]


夜ごとの才女 怪異名所巡り 11

夜ごとの才女 怪異名所巡り 11

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2021/08/05
  • メディア: 新書

<帯紹介文>
夢の中で毎晩、人を殺している!?
人間だけじゃない。幽霊にだって深い事情があるのです。
霊感バスガイド・町田藍が、怪奇現象の裏に隠された真実を明らかにする!

共演中の有名女優とベテラン俳優がともに「誰か」を殺す夢を見ている。撮影終盤に差し掛かり、その夢が誘う先は――表題作「夜ごとの才女」ほか、全6話。〈幽霊と話せる〉名物バスガイドが、悩める人々と幽霊たちの心の霧を晴らす!


2021年12月に読んだ10冊目の本で、2021年最後の本です。

シリーズ第11巻の本書には
「あの夜は帰ってこない」
「劇場の幽霊」
「簡潔な人生」
「悪魔は二度微笑む」
「夜ごとの才女」
「命ある限り」
の6編を収録。

シリーズもどんどん巻を重ねて来て、すずめバスの霊感バスガイド・町田藍もずいぶん有名になってきたようで、”会う”ために藍を担ぎ出す、というパターンの話が増えてきています。
その現場へバスツアーを仕立てて行くというのですから、物好きな客がいるものですね(笑)。

「劇場の幽霊」に
<すずめバス>の<劇場の幽霊ツアー>には、いつもの常連を中心に、十八人が参加していた。(78ページ)
という記述がありますが、18名程度の参加でバスツアーって黒字になるんでしょうか? 心配になります。

シリーズ的には、最後の「命ある限り」が、藍のニセモノが表れて藍の命が危険にさらされる大事件ですが、堂々とした安定のシリーズですね。

個人的には「劇場の幽霊」が気になっています。
幽霊話、怪異話自体は普通なのですが、この話、額縁形式を採用しているのです。
物語の外枠に、<劇場の幽霊>って確かにいる、と語り合う男女が描かれています。
この男女が誰かわからないし(予想はしているのですが確信できていません)、この外枠の効果、狙いがわからないのです。不思議です。



<蛇足>
「命ある限り」の中で、最後の望みをかけた銀行の幹部を接待し、冷たくあしらわれてしまう保険会社の社長が出てくるのですが、その接待の場の最後の銀行幹部のセリフが「じゃ、ごくろうさん」なのです。(241ページ)
そういう品のない銀行だった、ということかもしれませんが、接待の場で相手に「ごくろうさん」という人物というのは理解を超えていますね......





nice!(18)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 18

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。