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映画:破墓/パミョ [映画]

破墓/パミョ 1.jpg


映画「破墓/パミョ 」の感想です。

いつものようにシネマトゥデイから引用します。

---- 見どころ ----
ある墓に隠された恐ろしい秘密を描くサスペンススリラー。代々不運に見舞われる家族からの依頼により、彼らの先祖の墓を掘り返した巫堂(ムーダン)と呼ばれるシャーマンと風水師、葬儀師たちが奇怪な出来事に巻き込まれる。『オールド・ボーイ』などのチェ・ミンシク、『コインロッカーの女』などのキム・ゴウン、『マルモイ ことばあつめ』などのユ・ヘジン、ドラマ「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」などのイ・ドヒョンらが出演。『プリースト 悪魔を葬る者』などのチャン・ジェヒョンが監督・脚本を務めた。

---- あらすじ ----
巫堂(ムーダン)と呼ばれるシャーマンのファリム(キム・ゴウン)と弟子のボンギル(イ・ドヒョン)は、跡継ぎが代々謎の病気にかかるという家族から先祖の墓の改葬を頼まれる。破格の報酬に釣られて風水師のサンドク(チェ・ミンシク)と葬儀師のヨングン(ユ・ヘジン)も加わり、彼らはおはらいと改葬を同時に行なうことにするが、墓を掘り返して儀式を進めるうちに奇怪な出来事に遭遇する。


映画のHPから紹介文を。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『パラサイト 半地下の家族』を超えて韓国で約1,200万人を動員、『犯罪都市 PUNISHMENT』『インサイド・ヘッド2』を抑えて7週連続で第1位を記録し、2024年No.1大ヒット! 第74回ベルリン国際映画祭でワールドプレミアとして上映、世界133か国で公開が決定し、第60回百想芸術大賞で監督賞/主演女優賞/新人男優賞/芸術賞を受賞するなど、海外で熱狂と快挙が報じられた超話題作!
風水師サンドク役に、『オールド・ボーイ』で映画賞を総なめにした演技派俳優 チェ・ミンシク。巫堂ファリム役に、「トッケビ ~君がくれた愛しい日々~」で社会現象を巻き起こした人気女優 キム・ゴウン。葬儀師ヨングン役に、『コンフィデンシャル/共助』で存在感を見せつけた個性派俳優 ユ・ヘジン。巫堂ボンギル役に、「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」で一躍注目を集めた若手俳優 イ・ドヒョン。監督・脚本は、『プリースト 悪魔を葬る者』『サバハ』で観客を魅了してきた鬼才 チャン・ジェヒョン。超豪華キャストとジャンル映画監督がタッグを組み、世界中を震撼させたサスペンス・スリラーが遂に日本上陸!


韓国の映画はあまり見ないのですが、ネットで、ホラー・ミステリという評を見かけたので、それなら、と。
結論から申し上げますと、ミステリとして評価することはできないと思いました。

以下、展開を割ってしまいますし、ネタばらしにもなってしまいますが、感じたことを書いておきます。

なにより困るのが作品世界の中の論理につじつまがあっていないこと。
ホラーという位置づけですし、ミステリではないのでしょうから、論理など不要といわれるかもしれませんが、いわばなんでもありの作品世界となっているならともかく、この作品の場合、現実世界ではありえないような異常なものごとを扱っていても、怪異には怪異なりのロジック、道理があるという設定になっているので、その枠内でつじつまが合っていないのはダメだと思います。

変なお墓を改葬して、異常事態を鎮めようとする。これはいいです。
不用意に棺を開けてしまって、魔物を開放してしまう。これもいいです。
鎮めようと巫堂(ムーダン)と呼ばれるシャーマンを中心に、(韓国式の)儀式をする(この儀式迫力あります!)。これもいい。むしろすごくいい。

このあと話が捩れていくのがポイントの映画なのですが、ここからが......

収まったはずの怪異が続くので、再び墓地へいくと、さらに下に縦に置かれた大きな棺を見つける(重葬というそうです)。
死に際取り憑かれたものが「キツネが虎の腰を切った」と言ったことから、日本が朝鮮半島の地脈や民族の精気を絶つために風水上の要所に打ち込んだと言われている鉄杭がその墓に埋まっているのだ、と推測する。
鉄杭を抜かねば!
おいおい、反日映画かよ、と一瞬思い、だから「7週連続で第1位を記録し、2024年No.1大ヒット」なのかと白けた気分にならないでもないですが、日本を悪者にするのは定番中の定番でしょうし、迫力あるから、これはこれで楽しむのが正解なのでしょう(それに、国外からそういう眼で見られている、あるいは、見られてもおかしくない、ということを日本人は認識しておかないといけないとは思いますしね)。

縦に置かれた棺の中には、武将(将軍?)がいて、大暴れ。手下(?) によると、将軍は、鉄杭を護ってくださっている、と。
また、日本の精霊は、韓国の除霊(?) では太刀打ちできない、と言われる。また、鉄杭は見つからない
最終的には、陰陽五行に基づき、鉄(将軍)に対抗するため、相克する水にぬれた木で仕留める。

さて、鉄杭とは何だったのでしょう?
おそらく、ですが、映画の中の正解は、(棺が鉄杭というのではなく)この武将そのものが鉄杭、という解釈になっています。
だとすると「護ってくださっている」って、どういうこと? 護るもなにも、自分でしょ?
また、将軍が鉄杭そのものというのであれば、そこから動いてはいけなくて、暴れている場合ではないでしょう。暴れたあと墓地に戻っては来ていますが。
また、日本の精霊は、韓国式では太刀打ちできないと言いながら、普通の陰陽五行で勝ちを収めるって、どう?──どうやら、日本の陰陽師が武将を封じ込めたみたいなので、風水対風水、という整理かもしれませんが。
くだくだと一々説明していれば興ざめ、というのもあるのでしょうが、それなりの説明をつけてくれないと、モヤモヤが残ってしまいます。

と難癖をあれこれつけましたが、面白かったかどうか、というと、面白くは観ました。
除霊の迫力とか、ストーリーのうねりとか、細部に疑問は数々あれど、大枠の流れはとてもよくできた映画だと思いました。
まあ、ごちゃごちゃ理屈っぽいことを言ったりせずに、素直に楽しめばよい映画だということかと。



製作年:2024年
製作国:韓国
英 題:EXHUMA
監 督:チャン・ジェヒョン
時 間:134分



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