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マスカレード・イヴ [日本の作家 東野圭吾]

マスカレード・イブ (集英社文庫)

マスカレード・イブ (集英社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/08/21
  • メディア: ペーパーバック

<裏表紙あらすじ>
ホテル・コルテシア大阪で働く山岸尚美は、ある客たちの仮面に気づく。一方、東京で発生した殺人事件の捜査に当たる新田浩介は、一人の男に目をつけた。事件の夜、男は大阪にいたと主張するが、なぜかホテル名を言わない。殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密とは何なのか。お客さまの仮面を守り抜くのが彼女の仕事なら、犯人の仮面を暴くのが彼の職務。二人が出会う前の、それぞれの物語。


「マスカレード・ホテル」 (集英社文庫)(感想ページへのリンクはこちら)に続くシリーズ第2弾なのですが、この「マスカレード・イブ」 (集英社文庫)は、「マスカレード・ホテル」 の前日譚ともいうべき短編集です。
第1話『それぞれの仮面』と第3話『仮面と覆面』が、ホテルマン・山岸尚美の話、第2話『ルーキー登場』が新田刑事の話、そして第4話『マスカレード・イブ』で両者が微妙に交差する(微妙に交差、というのは二人が直接会いませんし、その存在を意識したりはしないからです)、という形になっています。

興味深いのは第3話『仮面と覆面』ですね。
覆面作家とそのストーカーを取り扱っているのですが、その名前が玉村薫!
遊びすぎですよ、東野さん。ただ、真相(?) は見抜けてしまいました。

ミステリ的にはやはり一番長い表題作の『マスカレード・イブ』ですね。
手垢のついたトリックといってもいいトリックを使っているのですが、これには感心しました。
引用している裏表紙あらすじは、この『マスカレード・イブ』のものなのですが、そこでいう「殺人の疑いをかけられてでも守りたい秘密」にはびっくりを通り越して、笑えてしまいます。この点で、薔薇の香水という小道具もとても気が利いていると思いました。

シリーズは次作「マスカレード・ナイト」(集英社)が昨年出ていますね。文庫になるのを楽しみに待ちます。

<蛇足>
第1話のラストで山岸尚美が客にかける言葉は、ホテルマンのプロとしてアウトだと思います。
「私どもは、どんなにお金を積まれても、お客様の仮面に隠された本当の顔をほかの方に教えることは絶対にございません。その素顔が美しいならともかく、醜ければなおのことです」(61ページ)
伏字で引用しておきます。
この作品の段階で山岸尚美は未だ駆け出しのフロントマンだから仕方ないのかもしれませんが、山岸尚美らしくないセリフだと気になりました。



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 [日本の作家 あ行]


鐘 (幻冬舎文庫)

鐘 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 内田 康夫
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2003/04/01
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
始まりは、深夜不気味に鳴り渡った鐘の音だった――。浅見家の菩提寺にある鐘に付着した血痕、その鐘の模様痕をつけ、隅田川に浮かんだ男の変死体。浅見光彦は、その死に秘められた人間の哀しい愛憎の謎を追い、四国高松へ、そして越中高岡へと向かう。やがて、被害者の美しい妹と共に辿り着いた真実とは? 浅見の推理が冴え渡る、傑作長篇。


内田康夫の本を取り上げるのは初めてだと思います。
内田康夫。言わずと知れた大流行作家です。
初期作は割と読んでいたんです。
「死者の木霊」 (講談社文庫)「本因坊殺人事件」 (幻冬舎文庫)「後鳥羽伝説殺人事件」 (廣済堂文庫)「『萩原朔太郎』の亡霊」 (徳間文庫)……文庫になった順にちゃんと読んでいまして、そのあと「明日香の皇子」 (徳間文庫)くらいまでは全部読んでいました。
ただ、そのうち売れっ子になられ、「地名+殺人事件」という感じの作品をまさに連発されるようになってからすっかり遠ざかるようになっていました。
今年3月に亡くなられ、久しぶりに読んでみようかな、と思った次第。

とはいえ、内田康夫さんにも膨大な著作があり、さてどれを手に取ろうかな、と。
いつも拝見しているコースケさんのブログ「コースケのミステリな日常」の「追悼・内田康夫先生」という記事の中で、
『特に「鐘」のあのトリックは当時強烈な印象だったと記憶しています。』
と書かれていたので、これだっ、と思って購入しました。
「鐘」は文芸四部作の第2作目にあたるらしく、そのほかの3作は
「平城山を越えた女」 (文春文庫)
「箱庭」 (徳間文庫)
「蜃気楼」 (新潮文庫)
のようです。

作者が書かれている「自作解説」によりますと、はじめての新聞小説、とのことです。
内田康夫はあらかじめプロットを作らないで執筆にかかるタイプの作家だ、ということは知っていたのですが、新聞小説だと思って読むと、本当に驚きます。
新聞小説はどんどん読者の興味を引っ張っていかないといけないという宿命(?)を負っていますが、つぎつぎと興味を惹くために盛り上げてしまうと、ミステリですから収束に苦労するはずです。
もちろん連載後単行本にするまでに加筆修正されている(五百枚程度の予定が六百枚をかなり超えて完結したものに、二百枚ばかり加筆・改訂した、とのことです)のですが、そんなことをあまり感じさせないプロットになっています。うーん、それどころか、かなり複雑なプロットになっています。これ、本当に行き当たりばったりで(失礼)書いたんでしょうか? 作家の構想力のすごさが感じられます。

タイトルが「鐘」ですから、作中の「カネ」が「金」ではなく「鐘」なんだろうな、というのはすぐにわかりますが、それにしても、転々とするストーリーが楽しめます。
舞台もあちこちでして(地方新聞数紙に連載されたという事情もあるのでしょうが)、浅見光彦の家のある東京からスタートし、高松、尾道、(富山県)高岡、京都とバラエティに富んでいます。
知らなかったのですが、高岡というのは、鐘の本場、なのですね。

で、気になっていた肝心のトリックですが、確かに強烈でしたねぇ。まさかね。
もともとは地味なトリックだと思うんですよね、かなり。
でもこの作品の場合(ネタバレにつながるのでぼかして書きますが)あれと結びつけますか...あれと結びつけることで、それにも活用するわけですね...大胆。

久しぶりに内田康夫の作品を読むことができてよかったです!
「コースケのミステリな日常」に、『「終幕のない殺人」といった本格ミステリパロディまで』とも書かれていたのが気になっているので、こちらも購入してあります!

<蛇足>
「何かというと反対しケチをつけないと気がすまないらしい。まるで某野党の体質そっくりである」(104ページ)
とあるのには笑ってしまいました。
この場面の視点は一応浅見光彦になっているように思われるのですが、この文は浅見光彦の感想ではなく、作者の地が出てるんでしょうね。神の視点?




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偽りの銃弾 [海外の作家 か行]


偽りの銃弾 (小学館文庫)

偽りの銃弾 (小学館文庫)

  • 作者: ハーラン コーベン
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2018/05/08
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
何者かに夫を射殺された元特殊部隊ヘリパイロットのマヤ。二週間後、親友の勧めで二歳の娘の安全のために自宅に設置した隠しカメラに映っていたのは、殺されたはずの夫だった。彼は生きていたのか、それとも誰かの罠か、あるいは戦場の後遺症によるマヤの幻覚か。夫の死に潜む謎を追ううちに、マヤは四か月前に殺害された姉クレアの秘密、さらに十七年前のある事件へとたどり着く……。
ハードボイルドなヒロインの生き様、予想を遥かに超える結末。本作に惚れ込んだジュリア・ロバーツ製作・主演で映画化が進む、ベストセラー作家の傑作サスペンス!


ハーラン・コーベン、ひさしぶりです。
確か、ハーラン・コーベンには未読本があったはず。それも船便で持ってきたはず、と確認してみたのですが、見当たりません。どうも間違えて日本において来てしまったようです。
あ~あ。「ステイ・クロース」 (ヴィレッジブックス)を持ってきたはずだったのに...
ハーラン・コーベンは、お気に入りの作家のひとりでして、特にデビュー作「沈黙のメッセージ」 (ハヤカワ・ミステリ文庫)以来のマイロン・ボライターを主人公にしたシリーズが大好きです。
これまでの全翻訳作は持っていますし、上記の「ステイ・クロース」 を除いて、全翻訳作を読んでいます。
実はハヤカワミステリ文庫で出ているマイロン・シリーズとそれ以外とではかなり手触りが違う作品になっていまして、マイロン・シリーズを懐かしく思ったりしているのですが、手触りが違ってもハーラン・コーベンの作品は面白いので、続けて読んでいます。解説で堂場瞬一も書いていますが、「マイロン・シリーズの未訳部分も、また読みたいものである。」です。

さておき、今回は女性の退役軍人が主人公です。
手堅いサスペンスかな、と思いきや、なかなかの(ミステリ的な)野心作ではないですか。
もっとも作者は「予想を遥かに超える結末」を仕掛けてやろうとしただけで、ミステリ的な意味合いとかはあんまり考えてはいないでしょうが、日本で同じ趣向を狙った泡坂妻夫の作品が復刊(amazon にリンクを貼っていますのでネタバレ覚悟でご確認ください)されていたのでタイミングとして印象的です。
サスペンスタイプの作品には珍しく
“絶対にありえないことを除外して残ったものこそ、どんなにありそうになりことでも、真実にちがいない”
というシャーロック・ホームズのことばやオッカムの剃刀という語を何度も使ってみせていますので(たとえば462ページに両方でてきます)、ひょっとしたらちゃんと意識していたのかもしれませんが。ただ、泡坂妻夫のような超絶技巧といった感じではなく、ちょっとそのあたりは雑な気がします...

解説の堂場瞬一がまとめているストーリー紹介がすばらしいので、読もうかどうかストーリーを確認してからとお考えの場合は解説を2ページ立ち読みして判断されるとよいかとおもいます。
途中まで読んだところで、あらすじでいう「マヤは四か月前に殺害された姉クレアの秘密、さらに十七年前のある事件」までたどり着いたところで、だいたい話の成り行きが読めたような気になります。
ウィキリークスを彷彿とさせる<コーリー・ザ・ホイッスル>というサイトとその創設者が登場することで、そして主人公マヤがイラクでの特殊部隊経験を持ち<コーリー・ザ・ホイッスル>に過去を暴かれていることで複雑化・輻輳化していますが、主人公の夫が大富豪の御曹司という設定で、自らを守ろうとする名家とそれを取り巻く事件という構図が浮かび上がってきますから。
これをどうひねるのか、あるいはひねらないのか、が作者の腕の見せどころですが、さすがはハーラン・コーベンというべきか、ちょっと想定外のボールを投げ込んできたなぁ、というところ。

ひさしぶりのハーラン・コーベン、堪能しました。
あー、「ステイ・クロース」 を日本において来てしまったことが、よくよく悔やまれます。

ジュリア・ロバーツが惚れ込んで、制作・主演で映画化とのことですが、まったく余計なお世話ながらジュリア・ロバーツはミスキャストだと思うんですけど...



<蛇足>
引用したあらすじにある「生き様」。
やめてもらえないでしょうか、こういう無神経な単語を使うの。もうずいぶん広まってしまっているので、無駄な抵抗だとはわかっているのですが。
あるいは、この作品の主人公の場合「生き様」がぴったりだという意味合いが込められているのでしょうか?


原題:Fool Me Once
作者:Harlan Coben
刊行:20016年
訳者:田口俊樹・大谷瑠璃子



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イングリッシュネス [イギリス・ロンドンの話題]

イングリッシュネス

イングリッシュネス

  • 作者: ケイト・フォックス
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2017/12/09
  • メディア: 単行本

<裏表紙あらすじ>
名乗りながら笑顔でイギリス人に手を差し出したとき、鼻に皺をよせてあいまいな笑みが返ってきても、肩すかしをくった気分になることはない。どんな仕事をしているのか、結婚はしているか……知りたくても、尋ねてはいけない。「推理ゲーム」「相互情報開示計画」に参加して外側からじわりじわりと正解にたどりつくのがルール。
パブで、いつ果てるともしれぬ客同士の応酬――自慢し合い、罵り合いを目の当たりにしても、はらはらするにはおよばない。カウンターに群がる客の中で、注文をとってもらおうと手をあげてウェイターを呼んだら顰蹙をかう。そこには「パブでの会話」の、「見えない列」の、「パントマイム」のルールが存在している。
晴れていようが吹雪こうが会えばまず天気の話。感情をあらわにすることを避け、ひとこと話すにも独特のユーモアとアイロニー。これを使ったが最後「下の階級」の烙印を押されてしまう7つの言葉とは…… 
男性・女性を問わず、あらゆる年代、階級の英国人のふるまいと会話を人類学の手法によって観察し、隠れたコードを導き出す。リアルなイギリス文化をかろやかな筆致で描いた本書は、第一版刊行より10年来のベストセラー。本書はその前半を収める。


いつもの読書傾向とは極端に違う本です。
なにしろ小説じゃない!

社会人類学者(作者自身の言葉によれば、ポップ人類学だそうです)によるイギリス人の特性を書いた本です。
ここでいうイギリス人とは、グレート・ブリテン全体を指すのではなく、England です(このことは作者も序章の最後のところで述べています)。
対象としているのはイングランド人であって、British ではないのですね。スコットランド人、ウェールズ人、アイルランド人は含まれていません(ちなみに、作者は『確かに厳密には、北アイルランドは「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」の一部で、ブリテンの一部ではない。だがわたしが北アイルランドの人びとから受け取った手紙には、彼らが自分たちをブリティッシュとみなし、「連合王国」という枠の中に入れられることをよしとしない旨が述べられている』(31ページ注)と注意深く書き加えています。)。
この訳書は原書の前半部分だけを訳したものだそうですが、うーん、正直もうおなか一杯です。この種の本、読みつけてないからなぁ。
(2017年12月に出たもののようなので、おそらくいずれ後半も訳されるのでしょう。ひょっとしたらこの「イングリッシュネス」の売れ行き次第だったりして...)

端的にいうと訳者はあとがきで、「むきになる」ことをよしとしない、と美しくまとめられています。
ここでいうむきになるという原語は、earnest。
どんどん繰り出される事例はそれぞれ興味深いですが、このある意味醒めた部分こそイングランド人の肝ということでしょうか。
身も蓋もない言い方をすると、面倒くさい人たち(笑)。
でも、これ日本人にも共通するところが多々あって、苦笑します。
第5章「パブの作法」の結びで、「唯一日本人が似ている。おそらく慎みや形式、社会的立場の違いにひどく敏感な文化を持つ、狭く密集した島国社会だからだろう」(171ページ)と書いてありますが、このパブの作法のみならず、あちこちで共通点が見つかります。

ちなみに、パブについては、
『パブはイギリス文化の重要な一部だが、同時に「社会的限定区域」であり、ある意味で「識閾」である。つまり、両義的、周辺的、境界的な場所で、そこではある程度の「文化的寛解」ーー通常の社会的ルールの、構造化された一時的緩和ないし停止ーーが見られる(「正当化された逸脱」「タイムアウト中の行動」と呼ばれることもある)』(147ページ)
とされています。大層な...

興味深い点は多々ある本ですが、やっぱり第4章にあたる「言語と階級」がいちばんおもしろく感じましたね。作者のいう「七つの大罪」は、勉強になるのを通り越していっそ笑えます。
・パードン
上流階級と上層中産階級は使わない。上層中産階級がソーリー? で、上流階級(と労働者階級)はホワット? というそうです。
・トイレット
上層中産/上流階級は、ルーかラバトリー。労働者階級もトイレット。
・セルヴィエット
上層はナプキン。
「これもお上品ことばのひとつで、普通の英語ではなく気取ったフランス語を使うことでステイタスを上げようとする、見当違いの例である」(132ページ)と痛烈な記載があります。
・ディナー
昼食を指す場合、労働者階級。夕食をティーと呼ぶのも労働者階級とのこと。
上流階級は夕食をディナーまたはサパーと呼ぶ、と。
興味深いのは『高い階級の人たちにとって「ティー」は、四時ごろにとるお茶とケーキ、スコン(「スコーン」と伸ばさない)、または軽いサンウィッジュ(「サンドウィッチ」とは発音しない)のことである。低い階級の人たちはこれを「アフタヌーン・ティー」と言い、「ティー」は夕食を指す』(134ページ)と書かれていること。こんなの知らないや!
・セティ
セティやカウチと呼ぶのはせいぜい中層中産階級で、上層中産階級かそれ以上はソファと呼ぶそうです。
・ラウンジ
これはソファを置く部屋の呼び方です。
セティは「ラウンジ」か「リビングルーム」に、ソファは「シッティングルーム」か「ドローイングルーム」に置かれるそうです。
そういえば「ドローイングルーム」の語源を知らなかったのですが、「ディナーの後、食堂から下がって(ウィズドロー)女性たちがくつろぐ部屋」(135ページ)から来ているのですね。
・スイーツ
これは料理のコースの最後に供されるもののことで、上層中産/上流階級は「プディング」。決して「スイーツ」「アフターズ」「デザート」とは言わないらしいです。

「ポッシュに(上流階級のように)」という語は上流階級は使わず、スマートだとか(スマートに対する語は、コモンやチャヴ)、「マム」「ダッド」がコモンで、「マミー」「ダディー」がスマートだとか...
こういう話の種はつきないのでしょうね。

あとは、『イギリスの「国家記念日」ともいうべき聖ジョージの祝日は四月二三日」』(100ページ)という記載があって、この日を意識したことがなかったので勉強になりました。
でもこれ、お休みになる日ではないような気がします...それくらい祝われていない!?





原題:Watching The English
   The Hidden Rules of English Behaviour Second Edition
作者:Kete Fox
刊行:2004年、2014年
訳者:北條文緒・香川由紀子



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花嫁をガードせよ! [日本の作家 赤川次郎]


花嫁をガードせよ! (ジョイ・ノベルス)

花嫁をガードせよ! (ジョイ・ノベルス)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2017/12/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


<裏表紙あらすじ>
甘い生活は夢のまた夢?
結婚を控えた女性警官・西脇仁美は、暗殺されかけた政治家の蔵本をかばって撃たれてしまう。偶然通りがかった女子大生・塚川亜由美と愛犬ドン・ファンの気転で一命をとりとめるが、けがが原因で歩くことができなくなり、新聞記者の彼との婚約も解消されそうだ。その上、蔵本を撃った男は取り調べ中に自殺をしてしまったという。事件の裏には大きな闇がうごめくようで――!? 大人気シリーズ第31弾!(ほか「花嫁は日曜日に走る」収録)


花嫁シリーズも31作目です。
毎年年末に新刊が出るシリーズですが、「四次元の花嫁」 (実業之日本社文庫)の感想(リンクはこちら)のあと、シリーズ新刊も折々で購入し読んではいましたが、感想を書けていません。
間に
「演じられた花嫁」 (実業之日本社文庫)
「綱わたりの花嫁」 (ジョイ・ノベルス)
の2冊が抜けています。

表題作「花嫁をガードせよ!」と「花嫁は日曜日に走る」の2話収録。
どちらもストーリーに無理がありますね。

「花嫁をガードせよ!」は政治家襲撃事件を扱っているのですが、あまりにも非現実的すぎてびっくりします。
こういうストーリーに、亜由美とドン・ファンは似合わないと思います。
しかし、殿永刑事ってどんだけすごい刑事なんでしょうね?
「必ずあなたの身を守ります。」(125ページ)って、そりゃ、そう言わないといけないと思いますが、この種の事件が現実になったとして、一介の刑事(失礼な言い方ですが)が保証できるとは思えません...かっこいいけど...
あと、ラストシーン、記者会見場が舞台になっているのですが、途中から記者たちがまるでいないかのよう... ちょっと気になりました。

「花嫁は日曜日に走る」は「花嫁をガードせよ!」よりもっと無理があります。
無理というか、プロットが無茶苦茶です。オリンピック開催にかかわる利権を背景にしているようですが、あまり考えずに書き飛ばされたのでしょう。
亜由美とドン・ファンが少女の命を救うところから物語はスタートするのですが、この少女の家も放火されていることがわかる。
少女ではなく母親が狙われたのだということが臭わされるのですが、はっきりとは書いていない。
黒幕は早々に出てくる上に、165ページで決定的な場面が描かれます。
しかし、臭わされている理由で、放火しますか? 娘まで狙いますか?
悪辣な政治家や企業家が出てきたら、何をやらせてもよいとでも思っているのでしょうか?
一方で、もうひとつ少女の陸上部でのエピソードが絡むのですが、それと上に書いた165ページの場面との連関がわからない。一歩どころか百歩譲って繋がりを持っているとしても、高校と政治家・建設会社が結びつこうとする理由がわかりません。
さらに、
「スポーツは、それ自体に価値があるのだ。オリンピックなんて、一つの機会にすぎない。そんなものに、人々が振り回されて、それのどこにスポーツの喜びがあるのだろう」(141ページ)
と極めてストレートかつダイレクトに作者の主張が顔を出すのも興ざめです。
ずいぶん残念な作品に仕上がっていますね。
ところでこの話、高校生がメインの話で、花嫁はまったく関係ないです...結婚に近そうな女性は登場しますけれども... これでいいのでしょうか?

<蛇足>
あらすじに書かれている「ドン・ファンの気転で」の「気転」。
機転の間違いでは? と思ったのですが、気転も辞書に載っていますね...


<さらなる蛇足>
本日、イングランドがフットボール(日本ではサッカーと呼ぶスポーツです)のワールドカップで、3位決定戦でベルギーに敗れました...

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ストームブレイカー [海外の作家 アンソニー・ホロヴィッツ]

ストームブレイカー (女王陛下の少年スパイ! アレックスシリーズ) (集英社文庫)

ストームブレイカー (女王陛下の少年スパイ! アレックスシリーズ) (集英社文庫)

  • 作者: アンソニー・ホロヴィッツ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2007/07/20
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
「シートベルトの締め忘れで即死?叔父に限ってありえない!」親代わりだった人の事故死を悲しみながらもアレックスの明晰な頭脳と運動神経はフル回転、解体工場に忍び込み弾痕だらけの叔父の車を発見。翌日叔父の勤務先から呼び出された彼に、さらに驚愕の事実が突きつけられる。「叔父さんは我国の特殊工作員だった。今度は君が手を貸す番だ」14歳の少年スパイ、アレックス誕生の第1弾。


この「ストームブレイカー」 (集英社文庫)の作者、アンソニー・ホロヴィッツは、ロンドン暮らしとなって、最初に読んだ本「シャーロック・ホームズ 絹の家」 (角川文庫)(感想ページへのリンクはこちら)の作者でもあります。
「シャーロック・ホームズ 絹の家」 が不満はあるものの楽しめたので、ほかにどんな作品があるのか Amazon で調べてみたらこのシリーズの邦訳がありました。
少年もの(ジュヴナイル)ぽかったですが、面白そうだったので購入。
表紙絵が、荒木飛呂彦さんです。

イギリスの作品には珍しく(?)、スーパーヒーローです。
(勝手な思い込みですが、イギリスの作品はあまり派手なヒーローっぽいのは設定されないような印象があります。ハリー・ポッターなんかそうですよね)
冒頭いきなり、ハンサム・ボーイ(8ページ)と書かれていますし、「十四歳とはいえ、スポーツ選手の筋骨をおもわせるたくました」とも。頭もよさそうです(授業中ぼっとしていても、黒板に書かれている方程式を見てすぐに正解を口にできるくらい(25ページ))。

なので、子供が知恵を使ってがんばる、という感じよりは、大人顔負け、というところ。
あんまり頭を使うところはなく、かなり行き当たりばったりの体力勝負の点は不満といえば不満ですが、物語が快調に進む点は〇。

子供がスパイ役をつとめる必然性も、ちょっと弱いかな、と思うものの考えられていますし、敵が子供ゆえ油断する、という点が底流に流れているので(変な話ですが)安心して読めます。
あと、映画の007シリーズにあやかったのか、ガジェットが繰り出されるのが楽しいですね。
本体にモーターが入っていて、ひもの長さが30メートルで、100キロまでの重量に耐えられるヨーヨーと、金属に接触させると金属を燃え上がらせ壊してしまうクリーム(ニキビ対策用のクリームに擬装してある)と、本部との通信機能だけではなく、ソフトを入れ替えることでX線カメラと収音マイク、盗聴探知機、発煙装置にもなる携帯ゲーム機!
銃器といった武器は持たなくともこれらのガジェットを駆使して危機を切り抜けていきます。
ね? 楽しそうでしょう?
ちなみに、タイトルのストームブレイカーというのは、最新の機能を備えたハイスペックのPCです。

ネットで見てみると、映画化もされているようです。
タイトルは主人公の名前の「アレックスライダー 」[DVD]。ちょっと気になります。
<2024.4追記>
後日DVDで観て感想を書きました。こちら


何作か邦訳が出ているようです。読んでみるかもしれません。


<蛇足>
マークス&スペンサーに(イギリスの有名デパート)という説明がついているのですが(14ページ)、マークス&スペンサーは、デパートというよりは大型スーパーというほうがふさわしいですけどねぇ。



原題:Stormbreaker
作者:Anthony Horowitz
刊行:2000年
訳者:竜村風也








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外付けハードディスクご臨終? [イギリス・ロンドンの話題]

先日ご報告(?) しましたように、船便が届きました!

その中に、写真とか動画とかその他ファイルを保存していた外付けハードディスクもいくつかあったんですね。
うれしくなって、あれこれPCにつないでみたりしていたんですが、そのうち一番古いものをコンセントにつないだところ、なにやらいやーな、ボンというような音がして、ハードディスクから煙が...
あわててコンセントを引き抜いたものの、そのあとも数秒間ボンという音が断続的に。煙も音に合わせて何度も上がるありさま。
あれ~??
まさか電圧対応していない!?

今どきの電化製品は昔と違い、日本やアメリカの100V近辺の電圧でも、イギリスをはじめとする240Vの電圧でも平気なように作られているので、油断していました。
確かに、古いものだしなぁ。500GBしか容量もない。
(ご参考までですが、それ以外のHDDは240V でも大丈夫です!)


正直、今回の引っ越しでも変圧器は持ってきていないんですよね...
そりゃあ、まあ、100Vにしか対応していないのを、240Vにつないじゃったらひとたまりもないよなぁ...あ~あ。
結構な音と煙だったしなぁ。

仕方がないので「決して分解しないでください」とマニュアル(?) には書いてあるでしょうが、分解してみて様子を探ることに。
うーん、よくわからない。でも、ケースの部分やそれに連なる回路はさておき、ハードディスクそのものはなんか異常なさそうに見えます。

日本でならハードディスクケース持っていましたが、こちらには持ってきてないよ~。
ということで、こちらの Amazon でハードディスクケースを購入して試してみることに。
516W2TNstaL._SL1001_.jpg
注文した翌日には届いて、さて、Try。
ドキドキしましたが、なんと、無事!
やったー。ついてる。
心なしか、ハードディスクケースがかっこよく見える。
(いや、確かに日本で持っていたケースもかなり古いので、実際、それと比べるとずいぶんデザインもよくなっています!)

被害に遭ったHDD(加害者はぼくですが)は、BUFFALOのもので、下の写真はBAFFALOのHPから拝借しました。ちなみに、とっくに販売終了です。

hd-csu2.jpg

丈夫な設計をしてくれていたおかげでしょうか? 
そういえば、ハードディスクの寿命は3年程度、と言われていますが、いやいや、なんのなんの。その数倍は持っていますよ。
BUFFALOさん、偉い!
なんにしても、よかった、よかった...

<蛇足>
たった今、イングランドがフットボールのワールドカップで、クロアチアに敗れました...


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憂国のモリアーティ 1 [コミック 三好輝]


憂国のモリアーティ 1 (ジャンプコミックス)

憂国のモリアーティ 1 (ジャンプコミックス)

  • 作者: 三好 輝
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/11/04
  • メディア: コミック


<裏表紙あらすじ>
時は19世紀末、大英帝国最盛期のロンドン──。
この国に根付く階級制度に辟易するモリアーティ伯爵家家長子・アルバート。孤児院から引き取ったある兄弟との出会いによって、世界を浄化するための壮大な計画が動き出す。名探偵シャーロック・ホームズの宿敵、モリアーティ教授の語られざる物語の幕が開く──!!


ついに船便が到着しました!
日本を出てから約2ヶ月。結構時間がかかりましたね。
でも、はるばる日本からイギリスまで海の上をやってきたのかと思うと、なんとなく感慨深い。
本、読めていないのに、船便でも本を送ってきてしまっています。
そんななかコミックも2シリーズだけ持ってきていまして(といいつつ、船便の段ボール全部開けきっていないので、どこかにまだ紛れ込んでいる可能性は否定できませんが)、そのうちの一つがこの「憂国のモリアーティ」 (ジャンプコミックス)です。

#1 緋色の瞳 (The scarlet Eyes)
#2 グレープフルーツのパイ一つ (The one grapefruit Pie)
#3 橋の上の踊り子 (The Dancers on the Bridge)
の3話収録です。

シャーロック・ホームズの宿敵であるモリアーティを主人公に据える、というのは小説で例がないではないですが、若かりし頃から、しかもコミックで、というのが冒険ですね。
巻末のおまけまんがに、ホームズ正典のなかで、モリアーティに触れられているのはわずか6作品と書かれていますが、逆に意外と多いな、という印象ですね。ライヘンバッハの滝にホームズと一緒に落ちた印象が強すぎるので、それ以外の作品にあんまり出てきたという感じがしません...
ホームズの正典もまったくといっていいほど読み返していませんので、この程度の印象しかもっていない人間の感想だと思って受け止めていただければと思います。

まず、モリアーティって、こんな人物でしたっけ?
人殺しはばんばんやっちゃうのですが、路線としては義賊というか、正義の味方っぽいんですよね。
「命の価値は同じであるはずなのに
 誰しもが平等に幸せになる権利があるはずなのに
 この国にはそれが無い…
 人々に呪いをかける階級制度
 それにより人の心は汚れ歪み
 悪魔が生まれる
 …ならばその逆も然り
 悪魔が消え去れば人の心は澄み渡り呪いは解ける
 この国はきっと美しい」
こう信じて、打倒階級制度で、忌まわしい貴族やその取り巻きたちを成敗する。
イギリス版必殺仕事人?

階級社会が薄れた(日本のようになくなったわけではなく、イギリスにはきちんと残っています!)現代の視点から見ると、平等というのは「正しい」わけで、悪の権化だったモリアーティが正義の味方に早変わり
おそらくオリジナルのモリアーティの設定はこうではなかったと思います。
その意味では、この作品、表紙に「原案/コナン・ドイル」と書いてあるのは、なかなか大胆ですね。

この留保をクリアしてしまうと、あとは快調ですね。
ちょっとモリアーティの考える手口がやわい感じがしていまいますが、虐げられているものを救うための殺人、というのは勧善懲悪として受け入れられやすいですし、逆にこのコミックから正典に入っていく人もいるだろうと思うと(世間はミステリファンが思うほどホームズを読んでいません)、これはこれでありかな、と思いました。
ミステリ的にはトリックにもう一工夫も二工夫もしてほしいところですが、それはないものねだりでしょうね。



<蛇足>
第2話のタイトルの英語版 The one grapefruit Pie というのは...どうなんでしょうか?
The one ~?
<2018.7.12追記>
正典に、「オレンジの種五つ」(The Five Orange Pips)という作品があるので、その連想かと思われますが、あちらには The をつける理由があったと思われます。
一方、こちらの「グレープフルーツのパイ一つ」には The をつける理由が見当たりません。


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横浜ではまだキスをしない [日本の作家 樋口有介]


横浜ではまだキスをしない (ハルキ文庫)

横浜ではまだキスをしない (ハルキ文庫)

  • 作者: 樋口有介
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2018/05/11
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
ぼくが母と貧乏暮らしをするハメになったのは、十年前、親父が盗撮で逮捕され、両親が離婚したからだ。父から呼び出されたぼくは、父の「隠し子」を名乗る女刑事の身元調査を引き受けた。それが本当なら姉となる美人刑事は、父を陥れた盗撮事件の裏に警察の陰謀があったことを教えてくれた。人生暗転の理由を悟ったぼくの前に、幼なじみだったメイが、ネジのぶっ飛んだ美少女として現れる。高二の夏休み、ぼくとメイは電動自転車を駆って、人生を取り戻すミステリーへ走り出す!


樋口有介の青春ミステリ。ときたら、即買いです。
単行本の時のタイトルは、「ぼくはまだ、横浜でキスをしない」
微妙に変わっていますね。
表紙が、モデルを使った写真...さらに、扉をめくったところや目次、章題のところに同じように写真がつかわれています。

樋口有介の作品の場合、おもしろかったです、以上! で個人的にはOKなんですが、特に青春ミステリは最高です。そんなに頻繁に書いてくれる作家ではないので、新刊が青春ミステリだとうれしいですね。
最近は、旧作を改稿して創元推理文庫から出ることが多くなっているのも楽しみです。

出版社(角川春樹事務所)の単行本のところでみつけた内容紹介がよかったので引用します。
夏休み目前の7月。母と離婚した父に、半年振りに呼びだされた高校二年生のぼくは、父の隠し子を名乗って現れた女性・熊代早葉子さんの身元調査を頼まれる。早葉子さんが横浜県警の刑事であるため、10年前の盗撮事件で逮捕されてからすっかり警察嫌いになった父は、僕を頼ってきたのだ。だが実際に会ってみると、僕は彼女から盗撮事件の背後には、父をハメようとしていた陰謀の存在があったことを知らされる。加えて、幼馴染で不思議な美少女お嬢様・メイに、言葉を喋る猫「ミケ」が登場したことで、僕の夏休みは「ミステリー」と「恋」が交錯することに……そしてそれは人生をかけた大事件へと変わっていってしまう――。青春ミステリの鬼才が新境地を開いた傑作の登場!

やはり特徴的なのは主人公の造型ですね。
こういう感じの男の子を主人公にすると、樋口有介の腕が冴え渡ります。
ちょっと古風な感じのする男の子です。あまり熱量も感じさせません。
青春を謳歌しているわけじゃなく、でも青春を謳歌できないような状況に追い込まれても淡々と対処している。だからといってやることはやっている...
そして、主人公をとりまく女性陣。これがみんな魅力的に見えるんですよね。
帯にも「美少女×猫×ミステリー」と書いてありますが。
猫、は、今回なんとしゃべる猫。幽霊というか、人間の魂(?) が移っているという設定です。
つまり、主人公は美女二人(人間と猫)に囲まれるわけです。あっ、人間の方はもうふたりいるから、四人か。あっ、一人は姉だから三人か。いずれにしてもなんて羨ましい...

美女たちと主人公のやりとりがいちばんの味わいどころですね。(猫とのやりとり、というのもあれですが、ここもなかなか趣き深いのでおすすめです)
もう、ずーっと、このまま、この物語が続けばいいのに、と思えてしまうくらい。

ミステリ的には平凡です、いや本書の場合は、そういう持って行き方はないんじゃないかなぁ、という方向に進んだ、という感じ、といったほうがいいかもしれません。
拍子抜け、というか、肩透かしというか。
ただ、この作品の世界観には合っているところがポイントなのかもしれません。
主人公にも一大事というような事実が判明するのですが、それがさらっと扱われているところがポイントですね。まあ美女に助けられ、というところかもしれませんが。

P.S.
ヒロイン役の村崎明(メイ)が、結構変わった娘として描かれています。
フェリス女学院に通っていて、親戚には皇室の関係者もいて、父親は経団連や赤十字の名誉ナントカをやっているお嬢様で...

この「横浜ではまだキスをしない」では

<2018.7.7追記>
なんか変なところでアップしてしまっていました。
ドラフト(下書き)で置いておいたのですが、もう書き終わっていると思ってアップしちゃっていました。
気づいていませんでした。大変失礼しました。

この「横浜ではまだキスをしない」では触れられていませんが、メイも小学校や中学校での生活は大変だったんじゃないかな、と思います。
その意味では、主人公と合っているとも言えますね。
ふたりがこれからはどんどん仲良く過ごせたらいいですね。
あと、この二人の組み合わせだと、シリーズ化も可かもしれません...

と書くつもりでした。



タグ:樋口有介
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象を護ろう [イギリス・ロンドンの話題]

読書を離れまして...

7月になりました。
ようやく夏らしい気候になってきました、ロンドンも。
テレビの天気予報で、もう6日連続で雨が降ってないよ、すげーな、とか言っています。気温も暑い日が続いていますね。
それでも朝晩は涼しい、場合によっては暑かったりもするんですが。

天気がいいと、ふらふらと出歩いてしまうのは、イギリス人も日本人も一緒。
ボンドストリート駅近くのSouth Molton Street(車の通れない通りです)で、象の彫刻(置物?)が設置されていました。
DSC_0163.JPGDSC_0158.JPGDSC_0162.JPG
結構なインパクトですよね。下↓のお店(?)が置いたもののようです。
絶滅しそうな象を保護しましょう、っていうアピールのようですが、FOR SALE って、こんなもの買う人いるんでしょうか? こんな大きなもの、買ってどこに置くのだろう?
お店の中には、もっと手ごろな大きさの置物もありました。
DSC_0160.JPG
全く関係なく、途中にくまの置物もありました。ついでに写真とりました。
DSC_0166.JPG
ぷらぷら歩いて、ニュー・ボンドストリートへたどりついたんですが、ここは有名なブランド街。あまり立ち寄る場所ではありませんね...場違い。
ここ、それぞれ立派なブランド店なんですが、通りの共通のコンセプトということなのか、それぞれの店が旗を掲げているのが目を惹きました。こういうのなんかいいですね。日本でもどこかやればいいのになぁ。
DSC_0169.JPG


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