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海街diary 9 行ってくる [コミック 吉田秋生]

海街diary 9 行ってくる (フラワーコミックス)

海街diary 9 行ってくる (フラワーコミックス)

  • 作者: 吉田 秋生
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2018/12/10
  • メディア: コミック

<裏表紙あらすじ>
浜田は千佳と入籍し、エベレスト登山のために旅立った。幸と佳乃もそれぞれの恋が進展。すずは中学生最後の夏が終わろうとしていることを実感する…。すずが中学1年の夏、蝉時雨のやむ頃から始まった家族の物語、ついに完結!


このシリーズ第9巻「海街diary 9 行ってくる」 (フラワーコミックス)は、シリーズ完結編です。

第8巻感想で、
「幸ねえも、佳乃も、いろんな側面で一気に話が進んだ感がありますね。満月のおかげ??」
なんて書きましたが、満月もなにも、次が最終巻だったんだから、そりゃあ物語にも巻きが入りますよね。

この巻には、
「女子の言い分 男子の事情」
「幸福」
「夜半の梅」
「行ってくる」
の4話に
「番外編 通り雨のあとに」
が収録されています。

「女子の言い分 男子の事情」は、第8巻まででそれぞれ進展した四姉妹の恋が、ちょっとずつさらに進展する様子が描かれます。
最終巻と意識して読むからか、過去を振り返る、あるいは思い出させる部分が多くなってきているような気がしました。

「幸福」には第6巻(感想ページへのリンクはこちら)に出てきたいとこの直ちゃん再登場。糸さんもね(笑)。
それぞれが幸せの意味を考えたところに、エベレストに行っている浜田店長について、よくない知らせが...

「夜半の梅」は、悪天候で連絡が取れなくなった浜田店長の安全を気遣うみんなの様子が描かれます。
福田のおやじが「ええとこさらっていきよる」という感じの配役になっていますが、最後千佳が締めのあいさつをするのがステキです。
そしてまた、その福田のおやじの心持ちを深く理解している幸ねえがいいですねぇ。

そして最後の「行ってくる」。
すずの高校進学が決まったときから、終わりはすずが四姉妹の家から離れるときだ、というのは分かっていたのですが、本当にその時が来たんですねぇ。
すずだけではなく、それぞれの「行ってくる」が描かれているように思います。
それにしても風太、いい顔するようになったじゃん。


番外編の「通り雨のあとに」は、すずが鎌倉に来る前に一緒に暮らしていた弟・和樹が主役?です。
すずも登場します。でも、顔はおおきな帽子が邪魔してちゃんと描かれない。
すずは、もうすぐ結婚する、という設定になっていますが、結婚相手は出てきません。ちゃんと風太だよね!?
和樹、いい奴になっている。君も幸せになるんだよ。


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ペガサスの解は虚栄か? [日本の作家 森博嗣]

ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity? (講談社タイガ)

ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity? (講談社タイガ)

  • 作者: 森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/10/19
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
クローン。国際法により禁じられている無性生殖による複製人間。
研究者のハギリは、ペガサスというスーパー・コンピュータからパリの博覧会から逃亡したウォーカロンには、クローンを産む擬似受胎機能が搭載されていたのではないかという情報を得た。
彼らを捜してインドへ赴いたハギリは、自分の三人めの子供について不審を抱く資産家と出会う。知性が喝破する虚構の物語。


Wシリーズの第7作です。
前作「青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light?」 (講談社タイガ)(感想ページへのリンクはこちら)を読んでからちょっと時間が空いてしまいました。

今回の舞台はインドです。
ウォーカロンが子供を産んだ、ということの調査に行くわけですが、ウォーカロンが子供を産む(ことができる)となると、ウォーカロンの進化(?) も相当進んできている、ということになるのでしょうか。だからこそ、ハギリたちが調査にいかないといけないわけですが。

文庫の帯に
「逃走中のウォーカロンには、疑似受胎機能が搭載されていた?」
と書いてあって、少々ネタバレ感ありますが、「ウォーカロンが子供を産む」という事象について、いろいろと説が出てきて、そのあたりの手つきがミステリっぽいのが面白かったですね。
(このほかにも、かなり秀逸なミスディレクションも仕掛けられています。ミステリだったら、逆転の発想とか、捻りとかいって、大見得を切ってどんでん返し! みたいになるところを、至極あっさりと、さも当たり前のようにひっくり返していくので、あー、もったいない、なんて馬鹿馬鹿しい感想を抱いたりして……)

ウォーカロンだけではなく、人間にずいぶん近づいてきていたコンピュータであるデボラやオーロラやアミラやペガサスも(コンピュータというよりは、AIというべきなのかもしれませんが)、ますます人間みたいになってきています。
ペガサスの仮説、あるいは研究をめぐるラストのオチ(と呼んでしまってよいと思うのですが)は、腹を立てたり、がっかりしたりする読者もいるんじゃないかな、と思えるのですが、シリーズ的には「ついにここまで来たのか」と感慨を覚えるほどで、個人的には満足しました。

シリーズ的には、前作ラストでハギリ博士の護衛役を外れてしまったウグイが登場してくれて少しうれしかったです。
相変わらずのところも、変わったところも、両方楽しめる、なんだかぜいたくな読後感(?)。

英語タイトルと章題も記録しておきます。
Did Pegasus Answer the Vanity?
第1章 実験値 Experimental value
第2章 理論値 Theoretical value
第3章 現実値 Practical value
第4章 仮言値 Hypothetical value
今回引用されているのは、マイクル・コーニイの「ハローサマー、グッドバイ」 (河出文庫)です。


<蛇足1>
「トウキョーにあることも知りませんでした」(11ページ)
トウキョーという表記が出てくるのはこのシリーズでこれが最初ではないと思うんですが、あれっと思いました。
確か、語尾の長音記号”ー”を使わないというのが森博嗣の流儀だと思っていたからです。この見開きの2ページの中にも、グレィとか、エレベータとか出てきます。
あれは英語の語尾の長音に限ったことなのかも。固有名詞は違う?

<蛇足2>
「子供って、そうなんですよ。考えているわけじゃないの。感情に支配されてもいない。感情的なのは、むしろ成長した大人の方です」
「感情というのは、初歩の知性が作り出した幻想ですよ」(114ページ)
するどいというか、恐ろしい指摘ですね。

<蛇足3>
『「こんな太陽の下で食事をするなんて、幸せだね」僕は呟いた。本当にそう思っているかどうかは自問しなかった。幸せというのは、言葉にすることでしかリアルにならないものかもしれない。』
これまた、含蓄深いというか、考えさせられるコメントです。

<蛇足4>
「そうまでして、子孫が欲しいでしょうか? それよりも、そんな金があったら、自分の寿命を延ばすのでは?」
「うん、私もそういった発想は持ったことがない。ただ、かつては子孫繁栄が人間の欲望の一つだったと知っているだけです」
「自分がいつ死ぬかわからない時代だったからですよ」
このWシリーズのような状況になったら、こういう発想が普通になるんですかね? なんとなく恐ろしいことのような気がします。


<2018.1.28付記>
裏表紙あらすじを、前作「青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light?」のものから変更し忘れていたので、修正しました。失礼しました。


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日本で免税の買い物 [イギリス・ロンドンの話題]

今回は本の話ではなく、今回の年末年始の日本帰省の話を書いておきたいと思います。
それは、海外居住者として、日本で免税で買い物をしたこと、です。

日本人が海外旅行の際免税で買い物をするように、日本へやってくる外国の人びとも免税で買い物ができます。中国人の”爆買い”は最近下火になったと報道されていますが、象徴的な動きですよね。
日本での免税は、外国の人だけではなく、海外に住んでいる日本人も対象になります。
今回利用したのはこの制度です。

観光庁のHPを見ると対象となる日本人は、
1.外国にある事務所(日本法人の海外支店等、現地法人、駐在員事務所及び国際機関を含む)に勤務する目的で出国し外国に滞在する者
2.2年以上外国に滞在する目的で出国し外国に滞在する者
3. [1]及び[2]に掲げる者のほか、日本出国後、外国に2年以上滞在するに至った者
4.[1]から[3]までに掲げる者で、事務連絡、休暇等のため一時帰国し、その滞在期間が6か月未満の者
※居住者又は非居住者と同居し、かつ、その生計費が専らその居住者又は非居住者に負担されている家族については、その居住者又は非居住者の居住性の判定に従うことになります。

となっています。
ぼくは1と2に該当するみたいです。で今回の帰国では4を満たしています。
この定義わかりにくいと思うのですが、1~3のいずれかに該当する人は日本人であっても(税法上)非居住者ということで、1~3に該当する非居住者は日本へ帰ってきていても(=購入時点で日本にいても)滞在期間が6か月未満であれば4により非居住者として取り扱う、ということかと...

注意すべきなのは、パスパートに入国スタンプがなければならないということ。
今回は羽田空港で入国でした。
いま日本人は入国の際顔パス状態ですが、これだけでは入国スタンプなしとなってしまいます。
機械を通った後すぐに入国スタンプを押してもらえるところがあるので、ここで忘れずにスタンプを押してもらう必要があります。

対象品目は、
通常生活の用に供される物品(一般物品、消耗品)であること。
 非居住者が事業用又は販売用として購入することが明らかな場合は、
 免税販売対象外になります。

一般物品
・1人の非居住者に対して同じ店舗における1日の販売合計額が5千円以上。
・販売合計額が100万円を超える場合には、旅券等の写しを経営する事業者の納税地又は販売場の所在地に保存すること。

消耗品
・1人の非居住者に対して同じ店舗における1日の販売合計額が5千円以上、50万円までの範囲内であること。
・非居住者は、消耗品を購入した日から30 日以内に輸出する旨を誓約すること。
・消費されないように指定された方法による包装がされていること。

平成30年7月1日以降、「一般物品」についても「消耗品」と同様の特殊包装を行うこと等を条件に、合算が可能となります。
※一般物品と消耗品を区分して、これまでと同様の免税対象要件で免税販売することも可能です。

です。
観光庁のHPによると、
一般物品の例として、家電製品、カバン・靴、洋服・着物、時計・宝飾品、民芸品、
消耗品の例として、食品、果物、化粧品、飲料、医薬品、
が挙げられています。

一般物品と消耗品に分かれて、それぞれ合計5千円以上か、一般物品と消耗品の合算で5千円以上で免税対象となります。(為念ですが、税抜価格で5千円以上ということです)

そういえば、マツモトキヨシで、
「1週間以内に日本から出国されますか? 1週間以内に持ち出さないと免税できないというルールがありまして...」
と説明されましたが、上↑の観光庁のHPからの引用にあるように、
「非居住者は、消耗品を購入した日から30 日以内に輸出する旨を誓約すること」
ですので、お店の人の勘違いですね。

注意すべきなのは、消耗品はパッキングされてしまって日本ではあけることができない、ということです。一方一般物品は日本で即座に使用可です。で、一般物品と消耗品の合算で5千円以上という場合は、一般物品も消耗品も一緒にパッキングされるので一般物品も使えなくなってしまいます。
マツモトキヨシで会計する際にも、「日本で使えないですが、よろしいですか?」と確認してくれました。


あと、今回は大丈夫でしたが、消耗品のパッキング、お店の人の技量(?) によって差が出ると思います。
スーツケースなどに入れる際に、入れやすいようにパッキングしてくれるとは限らないので、袋を分けてもらうとか頼んで自分で荷造りしやすいように注意しておいたほうがよいかも、と思いました。
それぞれの商品の箱も邪魔になりますからね......箱から出してパッキングしてください、なんてリクエストが可だと助かりますね。

で、どこで免税のお買い物ができるか、ということですが、どこでもいいというわけではなく、免税取扱店でなければなりません。
これまた観光庁のHPで調べられますが、日本語対応はされていないようですね...
免税取扱店では、最近目立つように掲示されていることの多い下のマークが目印です。

001069965.png


今回実際に免税で買い物をしたのは、
マツモトキヨシ(食品、コンタクト用品、医薬品など)、ユニクロ(衣料品)、リーガルシューズ(靴)、マルイ(衣料品)、西武百貨店(衣料品)、紀伊國屋書店@新宿本店(書籍)
です。
ドン・キホーテや無印良品でも免税買い物しようと思っていたのですが、1日5千円を超えなかった...結果、消耗品はマツモトキヨシだけでしたね。
それと、家電だと量販店で、ということになるかと思いますが、ヤマダ電機であったりビックカメラであったりの場合、免税利用だとポイントがつかないようなので、免税より普通に買ってポイントをGETしたほうが得な場合が多いようです。
実際今回ビックカメラで小物中心に5千円を超える買い物をしましたが、免税ではなく普通に買うことにしました。

免税のシステムはお店によって違います。
①レジの段階で免税金額で買い物をするタイプ:マツモトキヨシ、ユニクロ、リーガル
②普通に会計したあと、免税カウンターで返金手続きをするタイプ:マルイ、西武百貨店
がありました。
②のタイプでも会計する際、免税にする旨はお店の人に言ったほうがよいと思います。
免税の手続きは買ったその日にする必要があります。なので2日に分けて購入して5千円を超えても[×]です。
(ただし、西武百貨店ではチノパンを購入したのですが、直しが当日中では間に合わなかったので商品の受取が翌日以降になりました。免税カウンターに行ったところ、商品を確認したいので受け取った日に来てください、ということでした。とはいえ当日カウンターでレシートに係の人が注意書きを書き込んでいましたので、いずれにせよ当日中に必ずアクションは起こす必要があるのだと思います)

またマルイと西武百貨店では免税手数料が必要で、消費税8%分まるまるが返ってくるわけではありません。どちらも免税手数料率は販売価格の1.1%。つまり6.9%分の金額が返ってきました。
しかも、驚いたことに現金で返ってきました...
カードで(カードに?)返ってくるんじゃないんだ...必要のない円の小銭が...

あと、マルイではショップのポイントカードに溜まっていたポイントも支払いに充当したのですが、免税金額はポイント払いであろうとカード払いであろうと関係なく、もともとの金額に対して行われました。
買ったお店の段階では「ポイント支払い分は差し引いて免税になります」と説明されたのですが、免税カウンターで、「ポイント分も含めて免税対象になりますので」と訂正されました。
ラッキー、というか、ありがたい。
同様に、リーガルシューズでは商品券を使いました。そういえば、リーガルシューズは池袋西口店で買い物をしたのですが、お店の方がすごく親切で感激しました。おもてなし?

個人的に注目なのは、やはり紀伊國屋書店(@新宿本店)!
日本語の普通の本も免税になるのは素晴らしい! そもそも本屋さんで免税を取り扱っているところ、ほとんどないんですよね。大型書店も軒並みだめです。まあ、普通の日本語の本を免税で買うなんて、主要対象者である外国の人はしませんもんね...,,,
デパートにも本屋さん入っていますが、たとえば西武百貨店池袋店では三省堂が入っているものの、三省堂は免税の対象外と免税カウンターで聞きました。
紀伊國屋ますます偉い!
ここは1階の奥側(歌舞伎町側=別館アドホック側)にあるCゾーンに、免税カウンターがあります。
ここにあるカゴを持って紀伊國屋書店の上から下まで渡り歩ける(カゴに入れておけば、どのフロアのものでもまとめて会計できる)のですが、アドホック(コミックやDVDなど)や地下(旅行ガイドなど)は別会計らしいので、ちょっと注意が必要です。また書籍以外の品目は対象外のものもあるので、カウンターで相談したほうがよいと思います。
アドホックと地下の分は支払いをすませレシートを免税カウンターに持っていけばよいそうです。当日の会計合計が5千円以上であればよいので、アドホックでの買い物分も合計できます。
ここでも現金で返金されました。
今回アドホック(マンガを買いました)と本館の分と合算してもらう必要があったのですが、ひょっとすると本館の買い物だけで免税手続きをする場合は、税抜金額で会計して終わりだったのかもしれません...(なので、①にも②にも書きませんでした)
アドホックの方はポイントカードを出せたのでポイントがたまりましたが、本館分は出すのを忘れてしまったのでポイントはついていません。忘れずに出せばポイントもらえたんだと思います。しまった...

どの場合も、パスポートを提示する必要があります。なので、日本滞在中は持って歩いたほうがよいと思います。
ここで入国スタンプが確認されます。スタンプがいっぱい押されているパスポートの場合、必要な入国スタンプのある場所にポストイットを貼っておくとか、ページを折り曲げるとかして、わかりやすくしておくと手続きが早くなります。
(外国の)居住許可証を見せてくれ、という店が1つだけありました。
手続きがおわると、パスポートにレシートと輸出免税物品購入記録票を貼り付けてくれます。これを出国までの期間なくさないようにしないといけません。
そう、非居住者が海外に持っていく(持って帰る)用に買い物をすると、輸出になるんですね。なんか大それたことをやってのけている気分。
あとは、店側が用意する書類にサインします。

どこのお店か忘れましたが、こういう紙をもらいました。
DSC_1286.JPG
日本語で作って意味があるのだろうか...

品物については
「出国の際には、購入した免税品とパスポートに貼付した輸出免税物品購入記録票を税関に提出してください」
と書いてあったりするのですが、ものによっては機内に持ち込めないものがあります(液体とかね)。
「(スーツケースに入れて預け入れ荷物とする場合)スーツケースを預ける際にチェックインカウンターで航空会社に申し出てください」
という案内もあったりしましたので、念のため申し出たら、
「そのままで大丈夫ですよ」
と言われました。

あとは出国時(今回は@羽田空港)、セキュリティチェックを終えたすぐあとに税関があるので、そこでパスポートに貼り付けてもらっていたレシートたちを提出して終わり、です。
実際に品物は見せませんでした。
税関の人、親切でした。
ホチキスやテープでパスポートにとめられているレシートなどを丁寧にとってくれました。ありがとう!
実際に品物は見せなかったということは、パッキングされて開けられないはずの消耗品も開けて使い始めちゃってもわからない、ということではないかと思われるかもしれませんが、税関の人はいつ何時でも見せろという権限はありますし、今回見せなかったからと言って大丈夫とは言い切れず、なにより法律や制度は守りましょう(笑)。


いつものことですが、説明がへたくそでうまく書けた気がまったくしませんので、もし何かご質問等あればお寄せください。わかることでしたら、回答します!

<2021.1追記>
2020年12月に一時帰国した際の買い物についても書きました。
あまり変わり映えしませんが、ご興味があれば、こちら



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ダークルーム [日本の作家 近藤史恵]

ダークルーム (角川文庫)

ダークルーム (角川文庫)

  • 作者: 近藤 史恵
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/01/25
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
シェフの内山が勤める高級フレンチレストランに毎晩ひとりで来店する謎の美女。黙々とコース料理を口に運ぶ姿に、不審に思った内山が問いかけると、女は意外な事実を語り出して…(「マリアージュ」)。立ちはだかる現実に絶望し、窮地に立たされた人間たちが取った異常な行動とは。日常に潜む狂気と、明かされる驚愕の真相。ベストセラー『サクリファイス』の著者が厳選して贈る、謎めく8つのミステリ集。書き下ろし短編収録。


近藤史恵のシリーズ物でない短編集はこれが最初なのかもしれません。
「マリアージュ」
「コワス」
「SWEET BOYS」
「過去の絵」
「水仙の季節」
「窓の下には」
「ダークルーム」
「北緯六十度の恋」
の8編収録で、2012年1月に文庫オリジナルとして刊行されました。
粒ぞろい、と呼んで差し支えない出来の作品が並んでいます!

「マリアージュ」は、高いフレンチ・レストランに通い続ける美女の謎。
ミステリ的に解かれるわけではないのが個人的には少し残念ですが、びっくりしました。
びっくりすると同時に、納得できる話になっているところがすごいですね。

「コワス」は、ジャンル的にはホラーですね。
これ映画化したらものすごーく怖いと思います。

個人的に、「SWEET BOYS」にノックアウトされました。
こんな傑作が読めるとは。
途中まではなんとなく(物語の先行きが)わかったような気がして読んでいたんです。そしてその通りに進んではいくのですが、いやいや、近藤史恵はもっともっと突き抜けていました。
個人的に傑作アンソロジーを編むとすれば、絶対に「SWEET BOYS」は入れます。

「過去の絵」は芸大生を扱っています。
「芸大や美大は、夢を持った若者が集まるところではなく、若者がそこで夢を失うところだ。」(148ページ)という厳しさを味わえます。
ミステリとして見ると仕掛け(?) はわかりやすいのですが、そしてそれが極めて破滅的ではあるのですが、最後に救いが感じられるところがステキです。

「水仙の季節」は、もっともミステリらしい作品になっており、ミステリ的にはありふれた双子という設定を使ってタイトに仕上がっていますが、本書中ではもっとも平凡な仕上がりかもしれません。
でも、読者の想定の範囲内に完全に収まっていたとしても、それが「ぼく」の性格に寄り添っている点ポイント高いと思いました。
出てくる「ハッセルブラッド」(179ページ)というのはカメラメーカーで、ここではその製品をさしているようです。知りませんでした。

「窓の下には」 は女性が子供の頃を回想する話ですが、なるほどねー、と思いました。
これはかなり難しい状況を扱った作品だったということが最後でわかる仕組みになっています。
最後の述懐が印象深いです。

「ダークルーム」はデザイン系の学校に通っていたころの思い出(?) を3年後に振り返っています。
タイトルのダークルームは写真などの暗室を指しており、冒頭の「暗闇でしか明らかにならないこともある」(239ページ)と響きあっています。
突然消えてしまった彼女の心情を考える話になっているのですが、ラストは希望を現しているということで、いいんですよね!?

「北緯六十度の恋」は、主要登場人物は2人プラスαくらいなのですが、複雑な人間関係を扱っています。
極寒のフィンランド・ヘルシンキで、溶けていく心、という構図でしょうか。

充実した読書体験でした!


<蛇足>
最後の「北緯六十度の恋」に
「あからさまに冷たい目を向けられたり、差別されることはなさそうだ」(275ページ)
とあって、あらら...と少し残念に思いました。
無駄な抵抗だとわかってはいるのですが。


タグ:近藤史恵
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憂国のモリアーティ 4 [コミック 三好輝]

憂国のモリアーティ 4 (ジャンプコミックス)

憂国のモリアーティ 4 (ジャンプコミックス)

  • 作者: 三好 輝
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/11/02
  • メディア: コミック

<裏表紙あらすじ>
悪魔の所業を裁くは“死神"──
泥沼化するアフガン戦争を終結へ導け──。
MI6に課されたこの極秘任務の遂行を、モラン大佐に命じるウィリアム。
世界の大局を左右する代理戦争の“黒幕"と、アフガン従軍時のモランの因縁が交錯する時、大英帝国に蔓延る闇がまたひとつ、その姿を現す!!



「憂国のモリアーティ」 (ジャンプコミックス)(感想ページへのリンクはこちら
「憂国のモリアーティ 2」 (ジャンプコミックス)(感想ページへのリンクはこちら
「憂国のモリアーティ 3」 (ジャンプコミックス)(感想ページへのリンクはこちら
に続く第4巻。
表紙は、ワトソンですね。

#12,13,14  黄金の軍隊を持つ男 第一幕、第二幕、第三幕 (The Man with the Golden Army Act 1, Act 2, Act3)
#15 二人の探偵 第一幕 (The Two Detectives Act 1)
を収録しています。

「黄金の軍隊を持つ男」はアフガン戦争がテーマです。
第3巻感想で、
「ラストシーンでは再びホームズが登場します。なぜかロンドンのユニバーサル貿易社に長官と呼ばれて登場します。なんだろな。」
と思い切り間抜けなことを書いてしまいました。
ここで登場するホームズは、ホームズはホームズでも、シャーロック・ホームズではなく、その兄マイクロフト・ホームズですね。すぐに気づいてしかるべし。
このマイクロフト・ホームズ、シャーロックと顔が似ているのがご愛敬(?)。
このマイクロフトの指示(命令?)を受けて、アフガン戦争の闇に迫るMI6。遣わされるのがモラン大佐。

このアフガン戦争。ワトソンもアフガン帰りという設定でしたが、ちょいちょい登場するものの、世界史に疎いもので、どういう戦争か知りませんでした。
簡潔に説明されていて勉強になりました。

この依頼(命令)が、いつものモリアーティの計画と関係なさそうに見えるのですが、きちんと関連、意義がないわけではないと説明されているところが〇。
「戦争の継続は体制の維持強化の方便の一つだ。それが終わって人々の目が国内の問題に向くのは良い事だろう?」
なるほどね。
当時、こういった世事に関心を持つのは貴族であって、一般庶民はもともと気にしていないでしょうから、戦争が終わったからと言って(一般の)人々の目の向かうところが変わるとは思えなかったりもしますが...ま、この辺はいいでしょう。

この話でモラン大佐の(アフガンでの)過去が明らかになり、過去にケリがつけられます。

「二人の探偵」はシャーロック・ホームズの話に回帰します。
退屈をかこち、かつ、貴族殺しが気になり続けているホームズ。
事件を求めてヨークまで出向いたものの空振り。ワトソンとは仲違い。
ロンドンへの帰りの列車内で、偶然(ですよね)、モリアーティたちに会う。
と、その車内で殺人事件発生。しかも、ワトソンが怪しいとされそうな状況。
ワトソン君、カバー絵に描かれているみたいに余裕でウィンクなんかかましている場合じゃないよ、というところでいったん幕。
続きが気になります!


<蛇足1>
「登記上ここはもう稼働していない工場のはず……」
というセリフがあるのですが、不動産関係だと思われる登記に、稼働中とか記載があるんでしょうか?
「届出上は」くらいの曖昧な書き方にしておいたほうがよかったのでは?

<蛇足2>
「実現難易度鑑み、ここはさきほど説明しました通り」
というセリフがあります。気にしても仕方がないことかもしれませんが、小説よりも読者数が多いと思われるコミックではできれば正確な日本語を使ってほしいなぁ、と思います。若い読者への影響力がすごいと思われますので。

<蛇足3>
「こいつは”悪魔の証明”だもんな! スマンスマン!」
とシャーロック・ホームズがモリアーティに語り掛けますが、ここでも「悪魔の証明」は、「やっていないことを証明する」ことを指していますね。




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悪女イヴ [海外の作家 た行]


悪女イヴ【新版】 (創元推理文庫)

悪女イヴ【新版】 (創元推理文庫)

  • 作者: ジェイムズ・ハドリー・チェイス
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/06/21
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
親しくしていた孤独な作家から死に際に戯曲原稿を託されたクライヴは、それを自作として発表し、一躍有名作家となった。知的で美しい恋人も得て順風満帆だった彼だが、しだいに名声と実力のギャップに苦しむようになる。そんなときに現われた娼婦イヴ。魔性の女の虜となった男が迎える悪夢のような末路をノワール小説界の雄、チェイスが鬼気迫る筆致で描いた傑作。


年末・年始の休みから戻って最初に読んだ本です。
非常に高名な作品ですが、初読です。
この作品、大昔1962年にジャンヌ・モロー主演?で「エヴァの匂い」として映画化されており、そのリメイクが2018年に「エヴァ」として公開されたのにあわせて新版が出たようですね。

長らく絶版となっていました。旧版の画像はこちら↓。
表記が「イブ」から「イヴ」に変わったんですね。

悪女イブ (創元推理文庫 133-3)

悪女イブ (創元推理文庫)

  • 作者: ハドリー・チェイス
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1963/01/10
  • メディア: 文庫


読んでみると、非常にクラシカルな感じがし、登場人物のふるまいや言葉遣いにも時代を感じさせるものがありますが(なにしろ原書刊行は1945年で、文庫の初版は1963年です)、あまり古びた感じはしませんでした。
日本へ行った影響の時差ボケのせいで読み進めるに時間がかかりましたが、後半は眠気も忘れて読むことができたのは、作者の力だと思います。
引用したあらすじには「鬼気迫る筆致」とありますが、主人公である作家クライヴの一人称でつづられており、非常にスムーズに読めるように書かれていると思います。
特に、後半の自分には才能がないと苦悩を述べる場面は、いいなぁと思いました。

個人的に読んでよくわからなかったのは、実は、キーとなるイヴの魅力です。
うーん、こういう女性、魅力的なんでしょうか...
もともといる恋人のキャロルの方が、よほどいいように思ったのですが...こういう女性の魅力がわからないのは、こちらの感性がお子ちゃまということなのかも。
もっとも一般人では惹かれないような女性に堕ちないと、物語にはならないのかもしれませんね。
だからこその「悪女イヴ」なのかもしれません。

しかし、この「悪女イヴ」というタイトル、どうなんでしょうね?
このイヴ、娼婦であって、数多くの男性を虜にし、確かに主人公を手玉に取るのですが、むしろクライヴが一人で勝手にのめり込み、勝手に自滅しているように思えて、「悪女」と呼ばれるような感じもしません。
原題は Eve。「悪女」はついていませんしね。

一番驚いたのはラスト。カタストロフが訪れたあとのエピローグといってもいい部分なのですが、こういう落ち着き方をするとは正直びっくり。

世界的な作家にこんなことを言うと阿呆かと思われるでしょうが、ハドリー・チェイスという作家、おもしろそうです。ほかの作品も復刊されないかな?? いつもの読書傾向とは少しずれるんですが...そんなことを考えました。


原題:Eve
作者:James Hadley Chase
刊行:1945年
訳者:小西宏





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映画:ボヘミアン・ラプソディ [映画]

ボヘミアン・ラプソディ 7656841294d74f7b.jpg

日本に帰っている間に、日本語字幕で映画をいっぱい観るぞー、と勢い込んでいたのですが、いざ日本に戻って調べてみると、あまり観たい映画がなかった... 今年のお正月映画は、ぼく向きではなかったようです。残念。
そんななか、唯一観たのが、このボヘミアン・ラプソディ。

シネマ・トゥデイから引用します。

見どころ:
「伝説のチャンピオン」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」といった数々の名曲で知られるロックバンド、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの伝記ドラマ。華々しい軌跡の裏の知られざる真実を映す。『X-MEN』シリーズなどのブライアン・シンガーが監督を務めた。ドラマシリーズ「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」などのラミ・マレック、『ジュラシック・パーク』シリーズなどのジョー・マッゼロらが出演。フレディにふんしたラミが熱演を見せる。

あらすじ:
1970年のロンドン。ルックスや複雑な出自に劣等感を抱くフレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)は、ボーカルが脱退したというブライアン・メイ(グウィリム・リー)とロジャー・テイラー(ベン・ハーディ)のバンドに自分を売り込む。類いまれな歌声に心を奪われた二人は彼をバンドに迎え、さらにジョン・ディーコン(ジョー・マッゼロ)も加わってクイーンとして活動する。やがて「キラー・クイーン」のヒットによってスターダムにのし上がるが、フレディはスキャンダル報道やメンバーとの衝突に苦しむ。


正直、クイーンはあまり真面目に聞いていませんが、さすがに知ってる曲が多いですね。
どんどんのし上がっていって、挫折も経験して、復活(?) して、クライマックスが1985年のライヴ・エイド、という単純かつ(映画的には)ありふれた展開が、すごーくすっきりと出来上がっていると思いました。
しかしなぁ、やっぱり有名な曲たちを背景にちりばめた映画って、少々ずるいですよね。いやがおうでも盛り上がるというのか...
こういう映画が興行収入上位で突っ走っている、というのがやや意外な気もしましたが、要するに単純なものの方が強い、ということなのでしょうか?

やはり注目は主演ラミ・マレックでしょうねぇ。熱気と狂気を感じさせてくれると同時に、フレディ・マーキュリーを意外と身近な存在に感じさせてくれます。

フレディ・マーキュリーはわがままだし、自分勝手だし、実際の家族に対しても、ファミリーと呼んだり、取り消したり自在に勝手に扱ったバンド、クイーンに対しても、義理を欠くというか、誠実さがない感じですが、終わりよければすべてよし、ということなのか、それでも和解し許されるのが“ファミリー”ということなのか、いやあ、やっぱり近くにいたら嫌な奴なんじゃないだろうか...もっとも、それでも惹かれるということなのかもしれませんが、天才ゆえに。


英題:BOHEMIAN RHAPSODY
製作年:2018年
製作国:イギリス/アメリカ


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奥只見温泉郷殺人事件 [日本の作家 な行]

奥只見温泉郷殺人事件 (徳間文庫)

奥只見温泉郷殺人事件 (徳間文庫)

  • 作者: 中町 信
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 1991/06
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
新潟県・奥只見温泉郷の大湯ホテルは、スキーと温泉を楽しむ客で賑っていた。そこに、運命の赤い糸にみちびかれたような邂逅があった。出版社に勤める牛久保夫婦と千明多美子、画家の沼田秀堂と彼の愛人の夫・佐倉恒之助、鯰江彦夫と柏原一江という人たちの出会いであった。そして、事件が起きた。スキーバスが川に転落し、5人の死者が出たが、多美子は絞殺されていたのだ。長篇本格推理。


古い本です。
奥付を見ると、1991年6月15日! 28年前の本です。amazonにもリンクする画像がないようで、↑のところも画像なし、ですね。
「奥只見温泉郷殺人事件」 (徳間文庫)は、中町信の長編8作目にあたるものです。
ずっと積読にしてあって、実家でほこりをかぶっていたのですが、年末年始の休みに日本に帰った際見つけて、(中町信を)懐かしく感じて読んでみました。
中町信の作品としては「三幕の殺意」 (創元推理文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)以来ですね。

中町信というと、叙述トリックの名手で、創元推理文庫から何作か改題復刊されていますね。
「模倣の殺意」 (創元推理文庫)←新人賞殺人事件(新人文学賞殺人事件)
「天啓の殺意」 (創元推理文庫)←散歩する死者
「空白の殺意」 (創元推理文庫)←高校野球殺人事件
「追憶の殺意」 (創元推理文庫)←自動車教習所殺人事件

さぞや古めかしいことだろうと思ったのですが、そして読んでみて確かに古めかしくないと言ったらうそになりますが、思ったよりも古さを感じませんでした。
プロローグが、ある人物の述懐で、かつ別の人物の日記をひもとくかたちになっており、おお、中町信だったらここになにか仕掛けてあるはずだぞ、注意して読んでいくわけですが、今回のは簡単というか、初心者向け?

ミステリ的に気になったのは、絵をキーとしたアリバイトリックでしょうか。
時間を推定する材料として、絵の進捗具合というのはどの程度頼りになるのだろう、と気になります。
また絵にはもう一つミステリ的な仕掛けが盛り込まれているのですが、こちらもなんだか苦しい気がしました。

とけなしてしまいましたが、叙述トリック、アリバイトリック以外にもさまざまな工夫が凝らしてあって、意外な犯人演出に腐心した作者の苦労(?) がしのばれます。
人物配置も巧緻に仕組まれていて、叙述トリックを通して浮かび上がる犯人像は印象的でした。
この作品も、改題して創元推理文庫に収録されて、広く手に入るようになればよいのに、と思いました。





タグ:中町信
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2019年になり、2018年を振り返って [折々の報告ほか]

2019年になりもう半月ほどが経ちました。
よたよたやっているブログにアクセスいただき、ありがとうございます。

この年末年始は、休暇をとって日本に帰っていました。イギリスにもどってきたところで、落ち着いて(?) アクセス数の多いページを調べました。昨年の12月31日から1月1日に日付が変わったところでチェックした数値をもとにしています。
順位を書いてあるところのタイトルをクリックするとブログのページへ、ついている書影やそこについている書名をクリックすると amazon.co.jp の商品ページへ飛びます。
前回1年前の2018年1月にやったきとあまり変動がありませんね。


1. 生存者ゼロ (宝島社文庫) 安生正

生存者ゼロ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

生存者ゼロ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

  • 作者: 安生 正
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2014/02/06
  • メディア: 文庫


2. QJKJQ (講談社文庫)佐藤究

QJKJQ (講談社文庫)

QJKJQ (講談社文庫)

  • 作者: 佐藤 究
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/09/14
  • メディア: 文庫


3. かばん屋の相続 (文春文庫) 池井戸潤

かばん屋の相続 (文春文庫)

かばん屋の相続 (文春文庫)

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/04/08
  • メディア: 文庫



4. 魔性の馬 (小学館) ジョセフィン・テイ

魔性の馬 (クラシック・クライム・コレクション)

魔性の馬 (クラシック・クライム・コレクション)

  • 作者: ジョセフィン テイ
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2003/03
  • メディア: 単行本


5. ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫) 三上延

ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)

ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)

  • 作者: 三上 延
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2013/02/22
  • メディア: 文庫


6. ジグβは神ですか (講談社文庫) 森博嗣

ジグβは神ですか JIG β KNOWS HEAVEN (講談社文庫)

ジグβは神ですか JIG β KNOWS HEAVEN (講談社文庫)

  • 作者: 森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/10/15
  • メディア: 文庫


7. 体育館の殺人 (創元推理文庫) 青崎有吾

体育館の殺人 (創元推理文庫)

体育館の殺人 (創元推理文庫)

  • 作者: 青崎 有吾
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/03/12
  • メディア: 文庫


8. 生きてるうちに、さよならを (集英社文庫) 吉村達也

生きてるうちに、さよならを (集英社文庫)

生きてるうちに、さよならを (集英社文庫)

  • 作者: 吉村 達也
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 文庫



9. スクールボーイ閣下(ハヤカワ文庫NV)ジョン ル・カレ

スクールボーイ閣下〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)スクールボーイ閣下〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)スクールボーイ閣下〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)
  • 作者: ジョン ル・カレ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1987/01/31
  • メディア: 文庫


10. 闇に香る嘘 (講談社文庫)下村敦史

闇に香る嘘 (講談社文庫)

闇に香る嘘 (講談社文庫)

  • 作者: 下村 敦史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/08/11
  • メディア: 文庫




1位の「生存者ゼロ」は引き続きすごいです。ほかとは圧倒的にアクセス数が違いますね。


昨年1年間のアクセス数も挙げてみます。
上位2作は別格な気がしますが、それ以外はかなり違ったリストになっていておもしろいです。

1. 生存者ゼロ (宝島社文庫) 安生正

生存者ゼロ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

生存者ゼロ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

  • 作者: 安生 正
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2014/02/06
  • メディア: 文庫


2. QJKJQ (講談社文庫)佐藤究

QJKJQ (講談社文庫)

QJKJQ (講談社文庫)

  • 作者: 佐藤 究
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/09/14
  • メディア: 文庫


3. 京都寺町三条のホームズ (双葉文庫) 望月 麻衣

京都寺町三条のホームズ (双葉文庫)

京都寺町三条のホームズ (双葉文庫)

  • 作者: 望月 麻衣
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2015/04/16
  • メディア: 文庫


4. 映画:切り裂き魔ゴーレム

5. 珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫) 岡崎 琢磨

珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

  • 作者: 岡崎 琢磨
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2014/03/24
  • メディア: 文庫


6. さよならの手口 (文春文庫) 若竹 七海

さよならの手口 (文春文庫)

さよならの手口 (文春文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/11/07
  • メディア: 文庫


7. 魔性の馬 (小学館) ジョセフィン・テイ

魔性の馬 (クラシック・クライム・コレクション)

魔性の馬 (クラシック・クライム・コレクション)

  • 作者: ジョセフィン テイ
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2003/03
  • メディア: 単行本


7. このミステリーがひどい! (飛鳥新社) 小谷野 敦

このミステリーがひどい!

このミステリーがひどい!

  • 作者: 小谷野敦
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2015/07/30
  • メディア: 単行本


9. 映画:ガーディアンズ

10. 体育館の殺人 (創元推理文庫)青崎有吾

体育館の殺人 (創元推理文庫)

体育館の殺人 (創元推理文庫)

  • 作者: 青崎 有吾
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/03/12
  • メディア: 文庫




ちなみに、いちばんたくさんnice!をいただいたのは、前回の
雲雀 (文春文庫)佐藤亜紀
から
盲目の理髪師 (創元推理文庫) ジョン・ディクスン・カー

盲目の理髪師【新訳版】 (創元推理文庫)

盲目の理髪師【新訳版】 (創元推理文庫)

  • 作者: ジョン・ディクスン・カー
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2018/05/31
  • メディア: 文庫

にかわりました。


いつもありがとうございます!
これからもよたよた続けますが、よろしくお願いします。



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ダイヤモンドブラザーズ〈ケース1〉危険なチョコボール [海外の作家 アンソニー・ホロヴィッツ]

ダイヤモンドブラザーズ〈ケース1〉危険なチョコボール

ダイヤモンドブラザーズ〈ケース1〉危険なチョコボール

  • 作者: アンソニー ホロヴィッツ
  • 出版社/メーカー: 文溪堂
  • 発売日: 2008/12/01
  • メディア: 単行本

<表紙袖あらすじ>
ロンドンの下町で、私立探偵の兄、ティムとともに暮らす13歳の少年ニック。ある日、兄のもとに奇妙な仕事が舞いこむ。「包みをひとつ、あずけたい」 わたされたのは、ごくふつうのチョコボールの箱。肝心の任務は、それをあずかることだけ……。そしてニックは、その箱の秘密につき動かされてゆく!


この「ダイヤモンドブラザーズ〈ケース1〉危険なチョコボール」(文溪堂)は、子供向けではありますが、作者はアンソニー・ホロヴィッツ。amazon で検索していて見つけました。

13歳の少年が探偵役というところで大人の読者としては期待値が下がるわけですが、いやいや、それなりにおもしろかったですね。
同じ作者の「ストームブレイカー」 (集英社文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)が、子供を主人公にしていても大人顔負けというか大人の活躍を見せるのに対し、この「ダイヤモンドブラザーズ〈ケース1〉危険なチョコボール」は子供らしいところがポイントですね。
それに対して、兄である私立探偵のティムが情けなさすぎる点がちょっと... お笑い要素なんでしょうけど、もうちょっとしっかりしてほしい...

事件の方は、世界一の犯罪王「タカ」が隠した350万ポンド相当のダイヤの行方を探るカギとなるチョコボール(!) をめぐるもので、まあ次から次へとワルが登場しますので、ちょっと13歳が手がけるには危険すぎますが、そこはそれ、フィクションですから。(とはいえ、かなり危ない目にもあいます)
兄がもと警察官で、当時の上司が事件にきちんと絡んできて、おりおりポイントを押さえて締めていくという点、絵空事ではあっても一定のリアリティ確保が考えられていますしね。

原題が、THE FALCON’S MALTESER。
そうです、「マルタの鷹」 (ハヤカワ・ミステリ文庫)(原題:
The Maltese Falcon)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)を意識したものです。
Falcon は、「タカ」と訳されている犯罪王のことですね。Malteser はチョコボールと訳されていますが、Mars社の商品名ですね。
81XNW4g2b0L._SX522_.jpg
イギリス版の amazon から画像を拝借しました。どこでも買えますよ。

ダイヤの行方を探るカギがチョコボールってどういうこと? と思い興味深いものになっているのですが、真相はギリギリアウトのような気がします。
これじゃあ、ダイヤを隠す手段としてあまりにも守りが脆弱ですから。
ただ、ストーリーのところどころに、おやっと思わせる推理だったり、手がかりだったり、伏線だったりが忍ばせてあって、ミステリファンでもしっかり楽しめると思います。

ストーリーのクライマックスシーンが、タイプは違うのですが「マルタの鷹」 を思わせてくれてすこしニヤリ。
エピローグにあたるところで、またニヤリ。
いいではないですか、こういうの。

ウェルメイドな作品だと思いました!

<蛇足>
「ここイギリスのイートン校で大学教育を受けている」(83ページ)
とあります。イートン校には、「英国の全寮制パブリックスクール。英国一の名門校。」と注が付けられていますが、イートン校は、Eton College でcollege とつきますが、大学ではありませんね。注のとおり、パブリックスクールですから。


マークス&スペンサーに(イギリスの有名デパート)という説明がついているのですが(14ページ)、マークス&スペンサーは、デパートというよりは大型スーパーというほうがふさわしいですけどねぇ。



原題:THE FALCON’S MALTESER
作者:Anthony Horowitz
刊行:1995年
訳者:金原瑞人



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